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けやぐ柳会! 「月刊けやぐ」 電子版

「けやく」とは、友だち、仲間、親友といった意味あいの津軽ことばです。

2016年10月号 お題;「 ばいばい 」,「 かぶる 」 出題・芳男さん

2016年12月02日 | 川柳


■「 ばいばい 」

EUを対案もなくばいばいし  小心居士
遺影用撮り過ぎ揉める遺族たち  純一
後ろ髪引かれる別れ坊主でも  純一
★★ エキストラ芝居しすぎて外される  蚤助
★★★ おばあちゃんまた来てイイよさようなら  篤子
お見送り一本道には困り果て  純一
感情が勘定となる別れ際  芳男
競い合い五輪の資金倍々に  芳男
給料日前は別れの危機ばかり  良弘
★ 月曜に子の寝顔見て赴任先  良弘
この世からバイバイする日近くなる  霜降
五輪ツアースマホだけ観て帰国して  蝉坊
最後には金のハナシになる別れ  蚤助
座禅して来ると出かける散髪屋  蝉坊
終活の出張買い取りタダ同然  ちどり
雑巾を洗ってあげてお見送り  蝉坊
送別会感謝のことばないままに  蝉坊
父の背を見せただろうか俺の背は  蝉坊
釣竿がゆっくり湖面に沈んでく  小心居士
店内に響くオバンの話し声  篤子
何度でもふり返させる孫振る手  純一
ぬるい茶で別れ話を流し込む  蚤助
眠るのです眠るようにじゃないのです  蝉坊
ばいばいで増えていくのは空き家だけ  駄作
ばいばいと会ったばかりの孫喋り  芳男
バイバイと家出た妻はそれっきり  猫じゃ猫じゃ
ばいばいと言われて気づく恋心  小心居士
ばいばいと介護保険が増額し  小心居士
バイバイと手を振って行く故郷に  霜降
★ ばいばいを先に覚える人見知り  久美子
ひと月に二度も閉店セールする  小心居士
一人より二人の方がきっといい  篤子
プロめざし母へサヨナラホームラン  蝉坊
閉店のチラシで四季に配られる  小心居士
保育園泣かない朝もチョイ淋し  ちどり
ホントかなバイバイゲームさぎかもね  猫じゃ猫じゃ
また明日会うため今はさようなら  篤子
待つことに腹が立ったら別れ時  蚤助
ゆげとあわうさをまあるくけちらして  流美ん
よそ様の別れ話は面白い  蚤助
乱高下チャンスとばかりトレーダー  流美ん
別れ際背中も魅せる初デート  純一
別れたい方が支払う手切れ金  蚤助
★ 別れたらとても化粧の乗りがいい  蚤助


■「 かぶる 」

愛してる方がなんでも我慢する  蚤助
新しい帽子が街へ行きたがる  蚤助
アデランスよりは帽子で慰める  良弘
雨が降る僕には倍の雨が降る  篤子
あれできたなんでしたかと頬被り  駄作
いつの間に脱げちゃったのか角隠し  篤子
★ オオカミになりたい気持ち少しある  霜降
幼子にかぶせる大き目の帽子  蚤助
おはようと亭主同士のゴミ置き場  蚤助
顔合わせ義母とよく似たワンピース  久美子
家族留守カウボーイハットそっと出す  霜降
かぶってる言えずにそっとしまう服  篤子
かぶってる分からぬように汗拭い  芳男
かぶりすぎやぶからスティックルー小池  猫じゃ猫じゃ
被り物別人格にハロウィン  芳男
かぶるより磨きに自信この頭  純一
着た服がかぶって恨むユニクロめ  純一
★★★ 給食もカレーだったとひとり言  久美子
この国を支えた古いヘルメット  蚤助
この話記憶あるけどほっかぶり  芳男
再処理は仮面を変えて継続し  小心居士
里芋は被るくらいに水入れて  篤子
実印の朱色赤々深呼吸  流美ん
砂かぶり堂々映るママと客  純一
外回りしている部下が砂かぶり  小心居士
祖父の前親を黙らす猫かぶり  良弘
滝行をして来たんだと打たせ湯で  蝉坊
チョコレート一粒舐めて知らぬ顔  篤子
角隠しものの見事に騙された  純一
電話口猫を被ってやり過ごす  ちどり
泥かぶるつもりがなぜかヒーローに  小心居士
新盆へ同級生の袈裟姿  蝉坊
恥ずかしい見知らぬ人とペアルック  蚤助
避難所の毛布崩れたままにされ  蝉坊
被爆して癌を抑えて長らえて  蝉坊
豹柄もイケメン前に猫かぶる  小心居士
フルフェース脱いだ彼女に一目惚れ  ちどり
メールやら被る疑い選挙戦  芳男
盛り土なく空気決めたと頬被り  純一
宿借りも悪くはないが段ボール  蝉坊
ゆるキャラの中汗だくのダイエット  ちどり
★★ 酔い潰れ顔に晒しが掛けてあり  蝉坊
老人になり損なったヘアバンド  蝉坊


■「自由題」

脳細胞今日も私は新しい  ちどり



11月のお題/毎月25日締切り
1.「 粘る 」 2.「 繋ぐ 」
出題・克広さん


五十音順 / 会員による互選
★★★=天,★★=地,★=人
互選結果は翌月公表



《 関連ブログ 》
● ただの蚤助「けやぐの広場」
川柳と音楽、映画フリークの独り言。
http://blog.goo.ne.jp/keyagu575

2016年9月号 お題;「 麺 」,「 みつける 」 出題・蝉坊さん

2016年10月30日 | 川柳

■「 麺 」

★ 秋風が吹いてザルからカケに変え  篤子
朝ドラを見ながら昼餉のうどん踏む  ちどり
★★★ 味よりも色紙自慢のラーメン屋  蚤助
いい出汁はとれたが麺と妻が切れ  蝉坊
犬もそば食うと思ったわんこそば  蚤助
うどん屋で出会い太くて長い仲  蝉坊
うどん屋に4年通って学士様  蚤助
うんちくの蕎麦屋のお茶がぬるくなり  蝉坊
片手鍋そうめん巡る夏がゆく  蝉坊
乾麺にサラダのっけて今風に  篤子
君の打つ麺は太さにゃこだわらず  流美ん
混沌をまとめてこねてのして切り  蝉坊
★★ さあどうだ盛りでうならす蕎麦自慢  流美ん
ざるそばが飽きて来る頃彼岸入り  良弘
汁はねるカレーうどんは難敵だ  猫じゃ猫じゃ
人生もスパゲッティもアルデンテ  蝉坊
新そばに呼ばれてくぐる縄のれん  ちどり
★★ 好きなメン俺は太麺妻イケメン  小心居士
すすれずに隣の客の音を聞く  織妃女
ズルズルとすすれぬユーにプチ自慢  純一
そうめんの白の心にもどりたい  織妃女
そうめんはもらうものだと決めている  蚤助
そうめんを出産までは流すまい  蝉坊
そば打ちの技に客寄るガラス越し  蚤助
蕎麦を打つ手が胸を打つ山の宿  蝉坊
ダイエット蕎麦を薦める医師肥満  小心居士
ダイエット天敵になる米と麺  純一
タヌキよりキツネと言い張る狸腹  小心居士
津軽そばかっちゃ追加だ盛り一枚(いぢめ)!  蝉坊
★ 年越しを立ち食いに寄り上野駅  良弘
喉仏そうめん会釈せず通る  蚤助
延びた麺腹に入れば同じこと  猫じゃ猫じゃ
パスタ巻く指見せ君が誘う恋  良弘
初給料ライスも付けてチャーシュー麺  良弘
初デート麺をすすれず時間食う  霜降
冷や麦のピンクの麺が悩ましい  ちどり
昼うどん昨日ラーメン明日はそば  芳男
皆手打ち武士も拍手も麺もあり  純一
★★ めちゃうまい妻にかくれてカップ麺  駄作
麺打ちのしたたる汗はかくし味  猫じゃ猫じゃ
麺打ちのひたいの汗が隠し味  小心居士
麺グルメ講釈長く味損ね  霜降
麺好きで真夏日茹でる妻かなし  篤子
麺啜りむせて老化の一里塚  篤子
麺作り腰を犠牲にコシ作る  純一
麺棒は鴨居のうえに飾るもの  蝉坊
もらいものラーメン昼はラーメンだ  蚤助
ラーメンがうますぎるのもちと悲し  蚤助
ラーメンが汁の代わりと無理きかず  芳男
ラーメンとなって大化け中華そば  純一
ラーメンに賭けて支えた妻がいる  蝉坊
ラーメンはとん骨でなきゃ通じない  織妃女
ラーメンはどんな神かと牧師の子  小心居士
ラーメンライス少しホロリとして食べる  蚤助
ラーメンを店主アートと言い出した  蚤助
力みすぎうどん捏ねたら腰に出た  芳男


■「 みつける 」

脚長い人は向かないレスリング  蝉坊
あの星を君にあげると何人め  蝉坊
★★ 雨あがり銀河のような蜘蛛の糸  流美ん
一番の敵は鏡の中にいた  蚤助
いらぬことあらを見つけて得意顔  猫じゃ猫じゃ
魚河岸に票を見つけた都知事殿  猫じゃ猫じゃ
失せ物がたんと出てきた大掃除  蚤助
旨い酒見つけるたびに大宴会  篤子
雨量計国の県のと耳障り  蝉坊
エリートのダークスーツの肩のフケ  蝉坊
遠藤に勝った力士は縁遠く  蝉坊
お互いに良い所見つけ老いの道  篤子
★ おひねりの方に倒れた斬られ役  蚤助
織りむらが見つかる様では半人前  織妃女
★★ 拡大鏡見て二寸半織り戻す  織妃女
額縁に諭吉みつけた妻の声  小心居士
かくれんぼ鬼が隠れて一人の子  良弘
肩車する仲なのに恋未満  蝉坊
角々に五輪を護るコンバット  蝉坊
漢字だと骨粗鬆症骨っぽい  蚤助
期限切れ発掘された冷蔵庫  蚤助
切れ端にためらい傷のあるメロン  蚤助
屑籠に握り潰した殴り書き  流美ん
極小の秘密見つけてノーベル賞  蚤助
17時(ごじ)が過ぎ娘迷子になりたがる  良弘
誤字脱字見つけてニヤリ上司面  純一
子の目線親の寛容追い求め  流美ん
探し物なんで探すか忘れてる  小心居士
探し物用が済んだら顔を出す  ちどり
散歩道コスモス見つけ秋となる  霜降
十両に愛着が湧く大相撲  蝉坊
親近感目方が同じアスリート  蝉坊
捨てた恋心の闇に潜んでる  芳男
台風が落として行った栗見つけ  篤子
台風じゃなくても孤立してる人  蝉坊
多忙でも寸暇を見つけ酒の席  篤子
断捨離が忘れた趣味を脱皮させ  蝉坊
★ 妻を看る娘に若き妻を観る  蝉坊
手にシミを見つけて母を思う歳  篤子
都会人言葉の端に国訛り  芳男
時にぼけキカジも上手く老いの道  篤子
(※キカジとは耳が遠い事の津軽弁です)
流れ星全部祈れず次を待つ  純一
なぜなんだ妻のへそくり桁違い  駄作
何の鍵引き出しの奥記憶なし  芳男
日本酒は強すぎますと病み上がり  蝉坊
暖簾越し部下の声聞き素通りし  小心居士
腹ゆるみコンビニ見るも走れない  純一
★ 針に糸通せず穴がかくれんぼ  織妃女
被写体の粗さが映える高画質  蚤助
人柄も一緒に出したゴミ出し日  蚤助
人混みにいても見つける自信ある  良弘
日の光梅雨の介護を支援する  蝉坊
美容外科また漫画家と砂かぶり  蝉坊
ポケモンと鬼ごっこして一万歩  ちどり
舛添のおかげで見えた伏魔殿  純一
窓際で夢を見つける夢を見る  良弘
満月をマジマジ見れどノーメモリー  霜降
見つめられドキドキしたらお弁当  純一
実をつけず剪定したら新芽出る  芳男
メガネどこ頭にかけて探してる  小心居士
目覚めた手指が見つけた婆の指  篤子
もったいないデイサービスの雨の日は  蝉坊
良いところ一つぐらいは誰にでも  小心居士
林檎の実転がることを見つけてる  篤子
レントゲン反骨心も写ってる  蚤助


10月のお題/毎月25日締切り
1.「 ばいばい 」 2.「 かぶる 」
出題・芳男さん


五十音順 / 会員による互選
★★★=天,★★=地,★=人
互選結果は翌月公表



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川柳と音楽、映画フリークの独り言。
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2016年 8月号 お題;「 雷 」,「 呼ぶ 」 出題・ちどりさん

2016年09月24日 | 川柳

■「 雷 」

★★★ 朝帰り稲妻走る仁王立ち  蝉坊
雨男雷お伴に老いの旅  裕雅
稲妻が光り始める妻の乱  蚤助
稲妻を花火とはしゃぐ孫もいる  ちどり
稲光赤提灯にしがみつく  裕雅
稲光怯える女房の顔怖い  小心居士
今の世は雷落とすお母さん  久美子
遠雷に雨傘店に並びだす  蚤助
遠雷に洗濯物が消える街  蝉坊
遠雷は極楽の師の咳払い  蝉坊
★ かくれんぼ雷さまにめっけられ  流美ん
雷が落ちず我が家にない父権  蚤助
雷が落ちた映像うちの屋根  蝉坊
カミナリが雷おやじの墓に落ち  小心居士
★ 雷が君との距離を縮めてる  久美子
雷が出番間違えゲリラ戦  芳男
雷が鳴って父ちゃんモテている  篤子
カミナリがパワハラとなる難しさ  駄作
雷の距離の暗算もう無理だ  純一
雷の予報外れていつもの日  蝉坊
雷も蝉も聴こえぬ副作用  蝉坊
カミナリを落とした親父雲の上  霜降
★ 雷を落として部長落ち着かず  篤子
雷を蓄めて原発なくしたい  蝉坊
恐妻家うちに欲しいよ避雷針  純一
禁じ手に懸賞金のひけらかし  蝉坊
ご近所の雷筒抜けウサギ小屋  ちどり
怖いもの地震雷ツイッター  霜降
思春期の娘の俺は避雷針  良弘
白い肌隠し雷やり過ごす  良弘
調子者付和雷同の特技あり  純一
停電でお経が微妙にずれていく  小心居士
停電は昔ローソク今LED  小心居士
東京で雷起こしここはアメ  芳男
東京の土産がおこし孫が泣く  蝉坊
特養でジュリーと呼ばれモテてます  霜降
爆音の幾多を越えた交響楽(シンフォニー)  蝉坊
初デートタイミングよく稲光  小心居士
母譲り娘の雷孫竦む  裕雅
万雷の拍手に嫉妬混じってる  蚤助
万雷の拍手の指揮は関係者  純一
避雷針見とれてしまう朝帰り  蝉坊
昼寝の子雷鳴って臍かくす  篤子
雷雨後に虹が出番を待っている  蚤助
雷神をにらんでうなる津軽凧  蝉坊
雷鳥に足環(あしわ)をつけてする謝罪  蝉坊
雷電の手形合わせて肝つぶす  純一
雷鳴も爺の耳には遠花火  ちどり
落雷がよくある邸を仰ぎ見る  蝉坊
落雷で風格が出た御神木  蚤助
落雷にポッカリ空いた屋根と口  流美ん
落雷をまともにくらう避雷針  蚤助
老害は自身神なり家事おやじ  芳男
我が家では雷鳴って低気圧  芳男


■「 呼ぶ 」

開いてます呼びかけられて席探す  芳男
アオムシを撮りに戻って虫さされ  蝉坊
雨を呼ぶ神に銘柄尋ねてる  篤子
★ 家と外俺呼ぶ妻の使い分け  小心居士
餌ないと呼んでもこないマイペット  駄作
遠藤へ今日も叫びに来たわたし  蝉坊
おもちゃ屋でジジを連呼のグッドジョブ  ちどり
お呼ばれが絆の証風見鶏  裕雅
お呼びでない母の日父の咳払い  蚤助
オレオレの注意呼びかけ疑われ  小心居士
片言で散歩散歩と孫の靴  ちどり
★ 考えを問われ大臣部下を呼び  蚤助
客引きは人に触ると法に触れ  蝉坊
恐妻家機嫌の善し悪し声で知る  霜降
恋人を呼ぶかのように猫を呼ぶ  蚤助
高校へ母を呼び出す娘の遅刻  蝉坊
★★ 子が生まれ名前で呼ばぬ仲となる  純一
この世でもあの世でも呼ぶ気配なし  久美子
これからは名前を呼ばずマイナンバー  芳男
コンパニオン要らぬチームにゃ要らぬ旅  蝉坊
さえずりに託されている種の未来  蝉坊
死ぬ日まで妻と呼ばずに「おかーさん」  良弘
知り合いに呼び止められぬサングラス  芳男
★ 神仏が呼んでいるのに逝かぬ人  蝉坊
★ スイーツと呼ばれ照れている団子  蚤助
大抵はタナベワタナベ呼び名ナベ  蚤助
チャルメラの節で親爺と味が呼ぶ  蝉坊
妻いつも口笛で呼ぶポチとボク  蚤助
妻の名を間違えまいとまず小声  霜降
遠い耳内容次第で返事あり  純一
名を呼ばれ子がいないのに気付く親  純一
名を呼ばれ振り向きゃ俺の前の人  小心居士
★★★ ねえ貴方呼ばれた日々はもう彼方  小心居士
軒下のチュンチュク雀たれを呼ぶ  流美ん
飲み会は呼ばれなくても参加する  裕雅
飲むときに便利なゲコの聞き上手  良弘
母の呼ぶ声に答えるおやつ何  篤子
番号を呼ばれず名前出して聞く  純一
パン焼けたコーヒーまだかと妻の声  小心居士
ピカピカに洗った風呂が呼んでいる  蝉坊
昼寝して呼ばれて返事ここはどこ  芳男
ファミレスで呼び鈴競う孫の指  純一
不働議員待機胎児が走らせる  蝉坊
フリガナをつけぬと好きに呼ばれる名  蚤助
振り袖で辻で歌って歩み出し  蝉坊
ボールパーソンラフなテニスをさわやかに  蝉坊
破れそう!去年のシャツがみな叫び  蝉坊
夢でいいダーリン起きてと呼ばれたい  霜降
呼び声の若さに騙され財布空  裕雅
呼び出しの背な見てつまみ買いにゆき  蝉坊
呼鈴は子等の楽しみ付き合うか  篤子
忘れ物妻に呼ばれてゴミ袋  小心居士


9月のお題/毎月25日締切り
1.「 麺 」 2.「 みつける 」
出題・蝉坊さん


五十音順 / 会員による互選
★★★=天,★★=地,★=人
互選結果は翌月公表



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2016年 7月号 お題;「 祭り 」,「 渇く(乾く) 」 出題・裕雅さん

2016年08月08日 | 川柳

■「 祭り 」

青森をアモーレ県にするねぶた  蝉坊
紫陽花を花火みたいと笑む娘  霜降
編笠の見えぬ顔にも祈りあり  弧衾若衆
宴終え人去り寂し祭りあと  純一
縁日をお騒がせした救急車  蚤助
お囃子も老老老の盆踊り  ちどり
お囃子を遠くに聞いてビールのむ  霜降
お祭りの後でやっぱり元の過疎  蚤助
お祭りの金魚と帰る肩車  蚤助
お祭りの度に増えてく金魚かな  小心居士
お祭りへ欲求不満捨ててくる  蚤助
お神輿の担ぎ手借りる過疎の町  ちどり
カーニバル翌年増える出生数  弧衾若衆
ガガシコの酒でハネ過ぎ腰立たず  純一
過疎の村人溢れてる祭りの日  篤子
★★ 肩車はしゃいだ君はもう二十歳  久美子
担ぎ手が卒寿の神輿徘徊し  小心居士
担ぎ手が飲みすぎ神輿担げない  小心居士
着慣れない浴衣で歩く夏祭り  蚤助
競技より集中させるリオ治安  純一
軽トラが神輿を担ぐ村祭り  蚤助
★★ 高齢化軽い神輿が売れ始め  弧衾若衆
★ 越してきた子を笑わせる夏祭り  良弘
さぶちゃんは競馬場でまつりづけ  猫じゃ猫じゃ
座布団が飛ぶ打ち出しを呑む暖簾  蝉坊
惨敗さ「日本死ね」も奪われて  蝉坊
シャラシャラと鈴の音聞こえ血が騒ぐ  篤子
人生の祭りあとは葬式か  霜降
新調の慣れぬ浴衣で盆踊り  裕雅
そう言えば祭りで会った人だった  篤子
単身で独り覚えたまつり縫い  純一
チャカシだのジャワメグ血潮としなんぼ  流美ん
継ぐ人がいない伝統笛太鼓  駄作
強いヒキ巻いたら隣が苦笑い  純一
出戻りの噂で神輿甦り  蝉坊
点滴に病気平癒の笹飾り  ちどり
★ 点滴を連れて窓から見る神輿  蚤助
寅がいた長閑な祭り今はなく  裕雅
夏が来て朝顔の鉢またひとつ  良弘
夏空へタナボタさまと祈る夜  蝉坊
夏祭り終わり一日が長い  蚤助
夏祭り学校帰りの二人連れ  猫じゃ猫じゃ
夏祭り浴衣の似合う娘(こ)に育ち  蚤助
何の日か分からないけど朝寝坊  久美子
賑わいをニュースで知る祭りあと  芳男
★★★ 逃げ切って次の祭りに発つ金魚  蚤助
女人禁制祭りは嫁に支えられ  蝉坊
女人禁制嫁にいわれる祭り中  蝉坊
★★ 姐さんが扇ぐ浴衣の脇の下  蝉坊
ねぶた去り見納めかもと古希祝う  弧衾若衆
人ごみを祭りと誤解田舎者  芳男
日の丸へふんぞり返る人の礼  蝉坊
笛太鼓聞こえて浴衣鈴つける  篤子
笛太鼓聞いてねぶたを見たつもり  久美子
仏像はヒューマニズムの形です  蝉坊
ポケモンも子供もいない村祭り  蝉坊
祭りあと帰りを急ぐ鈴の音  猫じゃ猫じゃ
祭りばやし西瓜とラムネ冷えて待つ  蚤助
祭りばやし誰も騒音とは言わず  蚤助
祭り日はナビに載らない道探し  芳男
祭り往く流れるねぶた観る花火  流美ん
見惚けてもみじ手探すねぶたの夜  流美ん
木曜に週の祭りはしまい出す  蝉坊
もめるならそれなら私出ますぞえ  蝉坊
夕暮れのうなじが白く夏終わる  弧衾若衆
浴衣着ただけで楽しい祭りの子  蚤助
よさこいで南国土佐の夏はじく  裕雅
世に祭り数々あれどオラホが一番  篤子
離脱派に後の祭りと残留派  小心居士
老健の神輿発泡スチロール  弧衾若衆
六魂祭絆が集う恐山  蝉坊
若者が減って神輿がよく落ちる  弧衾若衆


■「 渇く(乾く)」

朝一番バリウムうまい胃検診  弧衾若衆
朝帰り問い詰められて口渇く  裕雅
汗も出ず喉も渇かぬ老いの夏  裕雅
あの辺にまとめて降って欲しいんだ  蝉坊
雨の日もベランダの鉢水不足  ちどり
★★ 洗い別干されたシャツはくっついて  久美子
あれも干せこれも乾かせ口渇き  芳男
梅干しが増えるばかりの棚の奥  蝉坊
思い出は乾きもせずにひたひたと  霜降
かさぶたが剥けて細った向こう脛  蝉坊
加湿器を入れて和らぐ老夫婦  蝉坊
勝って飲む水がおいしい好ゲーム  蚤助
渇望と言ってはみたが余してる  弧衾若衆
ガラス窓磨いて楽し曇りの日  蝉坊
乾いた世弱者ばかりを食って生き  蚤助
乾きなく暑さ覚えず熱中症  純一
渇くのは喉か心か懐か  霜降
乾燥機熱気あふれる四畳半  猫じゃ猫じゃ
乾杯が済むとあいさつそっちのけ  蚤助
乾麺の小分けを探す爺ぐらし  蝉坊
草の香に近所の芝のファンタジー  流美ん
口呼吸渇きといびき妻逃げる  純一
★ 公約が水を欲しがる演説会  蝉坊
この色を速く描きたい水彩画  蝉坊
このごろはちょい漏れくらい乾くまで  芳男
この頃は指なめ捲る新聞紙  小心居士
★★ シャツ畳む妻にビールをついでやる  良弘
三味の音に乾いた心揺さぶられ  流美ん
小心の辞表のインク乾かない  蚤助
水源に誘導したい低気圧  ちどり
水兵がジョッキで観てる大リーグ  蝉坊
スカイツリーの向こうに夏の空が見え  蝉坊
成長で渇いた心充たされぬ  裕雅
世代間ギャップ乾燥注意報  蚤助
大家族悲鳴上げてる乾燥機  蚤助
唾液出ず汗も涙も出なくなり  久美子
知と涼を求めシニアは図書館へ  純一
釣果あり甘干しくばる日焼けの手  流美ん
梅雨空をにらんで回る洗濯機  霜降
定年後晩酌の友渇きもの  小心居士
東海の小島を知らぬ大砂漠  蝉坊
糖尿の疑いありか喉渇く  猫じゃ猫じゃ
ドライヤー要らなくなってはや五年  久美子
「とりあえず」いわれてビール泡を吹き  蝉坊
夏山の喉にゴクリと石清水  蚤助
★ なま渇き妻の衣服の陰になり  小心居士
何度でも洗濯したい五月晴れ  蝉坊
ニュー水着プール開けと雨を乞う  純一
塗りたてと座ってわかるなまかわき  猫じゃ猫じゃ
濡れたまま走って乾かす遊園地  弧衾若衆
のど渇きビールがぶがぶのど渇く  弧衾若衆
呑む君はいつも渇水注意報  ちどり
洟かんだガーゼの硬さ思い出し  芳男
歯の浮いた祝辞へビール走らされ  蝉坊
晴れるらしい…アリエールのつめかえ用!  蝉坊
干からびたダムだけ避けるゲリラ豪雨  篤子
品格は乾杯まではあったけど  蚤助
布巾にもリタイアが来て雑巾に  蝉坊
冬物を取り込む空に白鳥座  蝉坊
部屋干しにやたらと香るファブリーズ  純一
部屋干しの洗濯物に孫背伸び  ちどり
部屋干しのパンツ速乾扇風機  弧衾若衆
変化技心に決める力水  蝉坊
豊饒の海を煮干しに想いやり  蝉坊
干し餅の会話も風に凍る夜  蝉坊
水くれる人が居なくて皺だらけ  篤子
水虫がジュクジュクしてる乾物屋  蝉坊
物干しにエスエムエルが揺れ並ぶ  良弘
焼き肉へポンプ車を出す唾液腺  蝉坊
優しさは渇く心にゃ解るまい  蝉坊
世の中を甘く見過ぎてドライアイ  蚤助
涙腺が乾いて人は強くなる  蚤助
我が家にはつねに乾燥注意報  駄作


8月のお題/毎月25日締切り
1.「 雷 」 2.「 呼ぶ 」
出題・ちどりさん


五十音順 / 会員による互選
★★★=天,★★=地,★=人
互選結果は翌月公表



《 関連ブログ 》
● ただの蚤助「けやぐの広場」
川柳と音楽、映画フリークの独り言。
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2016年 6月号 お題;「 恋 」,「 働く 」 出題・良弘さん

2016年07月11日 | 川柳

■「 恋 」

「愛」と「恋」違いを永久に問い続け  伊閣蝶
諦めと割り切りの結果が今の妻  裕雅
★★★ あの山の冬に恋して還らない  蝉坊
アモーレも年相応に妻の老い  弧衾若衆
糸しいと糸しいと言うわが心  伊閣蝶
落ちるとはよくぞいったり恋と肥  蝉坊
鎹(かすがい)が巣立ち夫婦で恋始め  純一
可愛いね何年経っても君が君  純一
★★ 還暦がハモってみせるラブソング  蝉坊
気がつけばいつも心に君がいて  駄作
ゲートルにモンペの恋もかつてあり  助
結婚とともに消え去る恋心  伊閣蝶
ゲレンデで出会ったあの子に一目惚れ  篤子
恋唄か十八番曲かな「夢芝居」  流美ん
恋かしらアバタモエクボなのかしら  流美ん
恋い焦がれ結婚したら熱が冷め  久美子
恋心素敵な響きいつのこと  猫じゃ猫じゃ
恋に落ち錆も肥やしと浮き名あげ  流美ん
★★★ 恋人が出来た娘の厚化粧  久美子
恋人よ寒い時だけそばにいて  猫じゃ猫じゃ
恋をしておけば良かったこの人生  篤子
このお題手に負えません私には  篤子
★★★ ご迷惑かも知れませんが片想い  蚤助
★ 財産を聞いて芽生える恋心  小心居士
失恋をしても食欲衰えず  久美子
失恋を落丁にする一ページ  蚤助
★★ 失恋を忘れぬ男切る女  純一
紫葉漬けと深川丼に恋してる  蝉坊
女医さんに手首触られ不整脈  小心居士
好きな人いるか尋ねるにぶい奴  良弘
すり寄ってタマに煮干しを渡すトラ  小心居士
施術師の解しに憩う恋心  伊閣蝶
そういえばあった気もする我が「モテ期」  伊閣蝶
そう言えば恋をしたよな気もするが  篤子
耐え忍び恋愛だったと再確認  芳男
たらればと妄想してる恋心  ちどり
帝国を恋して離脱悔いばかり  純一
ドキドキは恋かもしれぬ不整脈  ちどり
富はなく地位もないけど君といる  良弘
★★ 夏の海恋の欠片があちこちに  篤子
懐メロを聞いて初恋思い出す  裕雅
何もかも素敵に見えて今破滅  篤子
抜け落ちる一本の毛にも恋心  芳男
初恋がどれだったのか足りぬ指  蝉坊
初恋の思い出壊す同窓会  小心居士
晴れた日は恋しい人に微笑もう  霜降
Beatles 今もほのかに甘い恋  蝉坊
引き金を引く瞬間が恋にある  蚤助
久しぶりすぎて恋などわからない  蚤助
陽だまりがときめいているガン病棟  蝉坊
百年の恋に醒めます大いびき  猫じゃ猫じゃ
ブスだって誰にも負けぬ恋は恋  良弘
振ったことないのに恋が続かない  蚤助
ポッチャリが好きな貴方に恋やつれ  流美ん
結び目の口がほどけぬ片想い  蚤助
娘さん恋も知らずに恋の歌  蚤助
胸詰まる花占いに揺れる恋  霜降
燃え尽きてだらりだらりの残りカス  弧衾若衆
山恋でまた山に行く山男  伊閣蝶
夢に出る去った女と捨てた人  弧衾若衆
恋愛が至上の星の未婚率  蝉坊
恋愛はドラマの世界と凡夫言い  裕雅
老犬は春過ぎても恋に落ち  芳男
分かれ道玉の輿だけ離れてく  弧衾若衆


■「 働く 」

飴と鞭うまく使えずオレ残業  流美ん
蟻蜂を見つめてしまう定年後  蝉坊
ある意味でくつろいでいる仕事中  蚤助
生き甲斐は仕事でしたと今言えぬ  弧衾若衆
育休も介護休暇も紙の上  ちどり
一日の仕事の後の発泡酒  伊閣蝶
エセ学者辞めますぞえとやっといい  蝉坊
エンブレム決まると知事が崩れだし  蝉坊
夫定年妻は働き続けます  篤子
★★ 会社でも家でも顎で使われる  裕雅
夏期休暇とれたら仕事2倍速  流美ん
家族的経営ブラックの異名  蚤助
気働き他人(ひと)にはしても期待せず  純一
休日に早起きの癖サラリーマン  芳男
キューピッドもっと働け子が足りん  純一
給料日自分で自分褒めてやり  久美子
強権も揺るぎがないと上がる株  蝉坊
緊張が無ければ無いでガタが来る  弧衾若衆
ご機嫌で働く晴れの洗濯機  蚤助
子の笑顔思い上司を奉る  良弘
ジェンダーのおかげで増える主夫の友  純一
じっと見る暇があるなら働けば  猫じゃ猫じゃ
職安で希望入力該当なし  小心居士
職終えて専業主婦に頭が下がる  流美ん
職探しまずは職安場所探し  小心居士
職探し娘バイトに妻パート  芳男
白Tが無心に動く焼鳥屋  蝉坊
人口が減って仕事は余ってる  弧衾若衆
親族の罪もクールにアナウンサー  蝉坊
すし詰めの電車で向かう我が弊社  伊閣蝶
太鼓持ち本音隠して気張ってる  流美ん
団塊の世代の膿(うみ)臭う都政  蝉坊
ちゃんと働けと観ている女子ゴルフ  蝉坊
★ 通帳の給与の印字懐かしい  純一
妻も子も企業戦士に養われ  篤子
★★ 定年後急に労働意欲湧く  霜降
定年は再就職の一里塚  駄作
定年を過ぎて薄れる世間体  純一
適材なアナがいっぱいNHK  蝉坊
★ 転職を重ね経営評論家  蚤助
何故に自由な時間手にできぬ  伊閣蝶
★★ なんとなく家事手伝えば疑われ  小心居士
荷物見ず佐川男子に一目惚れ  久美子
寝る前の就活決意朝忘れ  小心居士
年金は働いた分減る仕組み  小心居士
年金を総活躍で先送り  裕雅
★ パートに出妻が覚えた誉め殺し  良弘
働いておくれ可愛い孫のため  篤子
働く気衰え食い気衰えず  小心居士
働らけど稼ぎにならぬ女たち  篤子
働けと叱咤激励逆効果  霜降
働けと妻の圧力朝昼晩  小心居士
洟垂れが夜も働き鼾かき  芳男
★★★ 引き出しにみんなが使う部長印  蚤助
病院と遊びの合間仕事する  蚤助
部下の前昔の話ばかり出す  良弘
復帰なの?あまりあんたがいい人だから?  蝉坊
別荘を売るとちゃっかりPR  蝉坊
ペットよりヒトが助かる動物医  蝉坊
★ 本物のビールが飲める給料日  ちどり
やめてから思う自堕落公務員  弧衾若衆
やりがいを感ずる職場夢にみる  伊閣蝶
理屈では働き口はあまるはず  猫じゃ猫じゃ
リタイアし働けること羨まし  猫じゃ猫じゃ
履歴書が達筆すぎて書類落ち  小心居士
連休に仕事運だけ良くてもなあ  蚤助
連休の後有給をとる勇気  蚤助
老親の介護介護で解雇され  ちどり
労働は不労所得に追い付かず  裕雅


7月のお題/毎月25日締切り
1.「 祭り 」 2.「 渇く(乾く) 」
出題・裕雅さん


五十音順 / 会員による互選
★★★=天,★★=地,★=人
互選結果は翌月公表




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川柳と音楽、映画フリークの独り言。
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2016年 5月号 お題;「 どきり 」,「 白 」 出題・霜降さん

2016年06月08日 | 川柳

■「 どきり 」

仰ぎ見た人が勝手に堕ちてきた  蚤助
アクセルを踏み間違えて血の気引く  霜降
朝聞いて昼どき理解ボケ始め  芳男
アパートの前に元カノ立っていた  弧衾若衆
安全な場所で危ない指示を出す  蚤助
医者の声良し悪し問わず突き刺さる  純一
一張羅着たら隣の犬が吠え  蚤助
妹が戦死の兄を呼んでいる  弧衾若衆
ウインドショッピング写ったあの人私だぁ  篤子
噂話トイレの中で咳払い  蚤助
閲覧の履歴家内の目にとまり  駄作
エレベーター扉の奥に元カノが  篤子
エロサイト閲覧中の咳払い  伊閣蝶
オールドパー空けてケロッとしてる嫁  蝉坊
お年玉借りてサラ金並みの利子  蚤助
お隣りのドア叩いてる午前様  蚤助
お前もかこんなとこまで似るなんて  流美ん
改札にかざしたものが名刺入れ  小心居士
改札の前で定期を探し出す  小心居士
階段の最後のひとつ踏み外す  伊閣蝶
陰口の話題の主が横にいた  伊閣蝶
髪梳かす櫛に抜け毛がどっさりと  小心居士
観光地男子トイレをババ襲う  純一
記念日の朝から待ってるサプライズ  ちどり
君の瞳に射貫かれハッと息をのむ  流美ん
義理合いで臨んだ講義名指しされ  流美ん
暗闇に座っただけのぼったくり  芳男
ケータイを妻がのぞき見「見せなさい!」  伊閣蝶
試着してくしゃみ出そうで鼻つまむ  篤子
死亡欄似た名見つけて息止まる  霜降
食器洗い泡で滑って落下散  伊閣蝶
想定内だったんですよ破廉恥事  蝉坊
宝くじ1字違いで止まる息  純一
都知事選また早々とある予感  蝉坊
沈黙とすすり泣く声電話口  弧衾若衆
天の句に遂に選ばれ目が覚めた  純一
どきりっと心臓鳴って恋に落ち  篤子
ドキリとす昔の彼が人混みに  猫じゃ猫じゃ
ドキリならきっとあるはずプラカード  猫じゃ猫じゃ
突然にあなたが好きと言われても  蚤助
飛び込んだ飲み屋のメニューすべて時価  小心居士
名前呼ぶ妻の寝言が気にかかる  小心居士
迫真の弔辞さすがに役者だね  蝉坊
白鳥になる夢があるトーシューズ  蚤助
半分の胃でどきりとさせる飲みっぷり  蚤助
★★★ 夫婦にも地下にも断層走る家  蝉坊
風呂上り眉毛の消えた妻の顔  小心居士
歩道行く後ろに迫るチャリの音  伊閣蝶
★★ 真夜中に突然止まる高いびき  小心居士
身構えていてもオレオレどきりとし  小心居士
皆様も覚えがあるでしょ領収書  芳男
ミニスカに度肝抜かれた初上京  霜降
胸疼く恋しい人が宿るとき  霜降
元カレがメールくれると妻笑う  弧衾若衆
元妻が離婚調停相談員  小心居士
門くぐり無知の恐さと恥を知り  流美ん
リモコンをいじる子供にラブシーン  良弘
ワイシャツの胸ポケットのBAR名刺  伊閣蝶
若い手に触れる喜び釣りもらう  純一
ワン切りの深夜の電話眠れない  ちどり

■「 白 」

藍染みた手が創りだす白い葩  流美ん
★ 綽名にも白粉塗ってクラス会  蚤助
後追いの白紙撤回残る恥  芳男
あの岩に刻め黒人大統領  蝉坊
アリバイはホシが三つ子で崩れない  蝉坊
大関よ十勝できてよかったな  蝉坊
親方の黒い指から白い寿司  蝉坊
オヤジギャグ急に舞い出すシラケドリ  純一
俺は白妻娘は茶髪息子青  小心居士
かつ丼の匂いにつられ自白する  小心居士
家庭内裁判白も黒になり  駄作
★ カミさんが黒だといえば白も黒  小心居士
関白も時を重ねて淡白に  純一
北生まれ憎し懐かし雪の白  蝉坊
木の芽和え豆腐に添えて旬を食べ  篤子
毛が一本生えてお日さま白くなり  蝉坊
血税で喰って冤罪知らんぷり  蝉坊
★★★ 広告の余白に記事がある雑誌  蚤助
この頃は白い着物が気になるの  霜降
この肌も子供の頃は白かった  伊閣蝶
★★★ 七難を隠しきれない山ガール  ちどり
染みそばかす手遅れですか美白の湯  ちどり
住職が檀家に薦める白髪染め  小心居士
16の夏に戻れるしらさき会  弧衾若衆
白菊に囲まれて尚観てる父  篤子
白雲に描いた夢を今も追う  霜降
白けても見に行く肥満の修行僧  弧衾若衆
しらふではとても言えないプロポーズ  猫じゃ猫じゃ
白を切るゼロ解答に黒い霧  流美ん
白い目で睨まれゴミの日を覚え  純一
白黒をつけ過ぎ出世灰色に  純一
★ 白黒を付けずグレーが心地よい  ちどり
白すぎる下着でふたり春に酔う  良弘
白ズボン汚さぬように勝負捨て  篤子
白ティーが下着に見える昭和顔  ちどり
白塗りのタレントみんなアホに見え  弧衾若衆
白旗を揚げれば楽になれるのに  蚤助
白星を奪い合っても杯逃す  篤子
白無垢は何度目でさえかまわない  猫じゃ猫じゃ
白飯を食いたい俺は鳥じゃない  篤子
新年を雪の白さがリセットす  弧衾若衆
尋問に記憶にないしらをきる  猫じゃ猫じゃ
新郎が白無垢を着る披露宴  芳男
唯白いだけで天の遣いと崇められ  篤子
旅支度空は白々まだ悩む  芳男
中天にかかると月は白くなる  伊閣蝶
角隠し白無垢の君艶やかに  篤子
手袋の白にかくしている野心  蚤助
白地図で自分探しをするなんて  蚤助
白髪の苦労話がエンドレス  蚤助
肌のシミ漂白無理かハイターじゃ  伊閣蝶
美白の湯長湯でのぼせ蒼白に  小心居士
陽を避けて空の白じら庭いじり  流美ん
夫婦不和愛児の脳に刷り込まれ  蝉坊
無精者汚れが目立つ白いシャツ  伊閣蝶
船出した児のキャンバスに波飛沫  流美ん
ホワイトカラー電球変えが難しい  篤子
本当のことは書けない以下余白  蚤助
真っ白になった脳みそ味がない  弧衾若衆
真白なブラウス着てる君が好き  篤子
眩しくて白いブラウス見ぬふりし  霜降
漫才の語りを超える白目出し  純一
盛塩の後は女将の顔になる  蚤助
山に牛見えて田植えの準備する  篤子
揺れながらヒコーキ雲を眺めてる  蝉坊
横綱が恥って何?と悩んでる  蝉坊
老後賭け詰めの一手で大逆転  篤子

■自由題

孫帰りオムツの山と筋肉痛 篤子


6月のお題/毎月25日締切り
1.「 恋 」 2.「 働く 」
出題・良弘さん


五十音順 / 会員による互選
★★★=天,★★=地,★=人
互選結果は翌月公表




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2016年 4月号 お題;「 サプリ 」,「 ロボット 」 出題・駄作さん

2016年05月08日 | 川柳

■「 サプリ 」

あくまでも個人感想ですサプリ  蝉坊
朝昼晩同じに食べて妻太る  小心居士
ありがとうその一言で気が晴れる  霜降
いいかげんマカはやめてと妻がいい  駄作
おいサプリ効いたかどうか返事しろ  霜降
お試しと言葉巧みに買わされる  小心居士
変わらないのにまた妻はサプリ買う  良弘
飢餓の児の瞳サプリじゃ救えない  蝉坊
★ ぎゅう詰めじゃサプリケースのなかの愚痴  流美ん
共同で開発したのに俺サプリ  芳男
筋トレとサプリが増して更年期  弧衾若衆
健康の証拠サプリの飲み忘れ  蚤助
降圧剤安心料でやめられず  芳男
効能がひとつのサプリ探してる  良弘
五十音順に並べて飲むサプリ  蚤助
個人差か続ける妻に効果なし  小心居士
個人差はいつも効かない方のオレ  蚤助
★ これ効くの何に効いたのそのカラダ  弧衾若衆
こんなもの気休めですよ知ってるサ  弧衾若衆
★★ 最後までサプリに頼る医者嫌い  芳男
サプリ好きコマーシャルには弱いのよ  猫じゃ猫じゃ
サプリでも誰か教えて飲み合わせ  純一
サプリでもメインとなって太りだす  芳男
サプリには笑顔混ぜるとよく効くぞ  蚤助
サプリにも付けてシニアと家族割  純一
サプリより服薬すれば安かった  弧衾若衆
サプリよりメインおろそかすじちがい  猫じゃ猫じゃ
CMの多さが示す九層倍  純一
試食会いろいろ試し胃を壊す  小心居士
食事足すアプリで太る予感する  良弘
川柳にサプリが欲しい月の末  芳男
卒婚の仲でも話すサプリ仲  純一
ダイエット腹いっぱいのサプリ漬け  ちどり
通販で色とりどりのサプリ買う  ちどり
次々にこれはいいです資本主義  弧衾若衆
DHCだとか入っているサプリ  蚤助
電話番増やして待つというサプリ  蝉坊
とびきりのフォトをサプリに待ち受け画  流美ん
取り敢えず一服サプリ君もどう?  流美ん
配達で未病がわかるヤマト便  純一
初孫にサプリ通販そっちのけ  蝉坊
BSはひねもすサプリサプリかな  蝉坊
一粒にあれもこれもの思いやり  蚤助
暇という隙間サプリが狙ってる  蝉坊
美容食妻が摂ったら肥満食  小心居士
ポックリと逝けるサプリが欲しいなあ  ちどり
★★ 満たされぬ心サプリを追い続け  蝉坊
昔から酢しょうが食べて元気です  霜降
目肩腰効くと信じてサプリ漬け  猫じゃ猫じゃ
痩せようと三度のサプリで目方増え  小心居士
老人会サプリ自慢で険悪に  小心居士


■「 ロボット 」

顎で指示妻の仕草にすぐ反応  小心居士
あったらな家事万端の詩才ロボ  流美ん
★ 家ロボの癒しに焦るペットたち  純一
生きている苦悩を知るかロボットめ  弧衾若衆
唄えるかい慈愛に満ちた背なの歌  流美ん
AIに負けても僕がチャンピオン  純一
エキサイトするロボやがて出てきそう  蚤助
★★ おかえりと電子の声にねぎらわれ  蚤助
俺よりもルンバ大事にするワイフ  小心居士
ガタきたら酒注入で動き出す  芳男
★ 肩を揉むロボットの手に情が湧き  霜降
ぎこちなく踊る姿が流行りだし  芳男
★★★ 虐待も温もりもない介護ロボ  ちどり
空気読み知らないふりができるロボ  蚤助
くまモンに探索機能チップ付加  弧衾若衆
少子化で遺産相続ロボットに  霜降
少子化でロボットだけが友となる  弧衾若衆
川柳を捻るロボット涼しげに  蝉坊
★★★ 掃除ロボ上司の名つけこき使う  蚤助
土の中感知ロボット出来ました  弧衾若衆
答弁が官製ロボット新採用  芳男
特養のニューフレンドはペッパー君  霜降
★ 泣き笑いロボット同士酒を汲む  良弘
廃炉ではヤバイ仕事をロボットに  猫じゃ猫じゃ
分身のロボット欲しい老介護  猫じゃ猫じゃ
ペッパー君何カ国語もトライ中  純一
密造の油差されて酔ったロボ  蚤助
もしルンバ買ったら名前つけてやる  良弘
柔らかい肌を持てたら許したる  弧衾若衆
楽自分苦はロボットに夢くらし  猫じゃ猫じゃ
ロボコップどんなコップと孫が聞く  小心居士
ロボコンで出逢い今では伝書鳩  蝉坊
ロボットが匠を継いで寿司を出す  芳男
ロボットが造る車で往く未開  蝉坊
ロボットが人間になる縄のれん  蚤助
ロボットが増えて消えるは技と情  純一
ロボットにされロボットに一目惚れ  蝉坊
★★★ ロボットに仕事教えて今無職  小心居士
ロボットに自由が戻る退社ベル  蚤助
ロボットに成って慣れないコンシェルジュ  流美ん
ロボットになれずセカンドライフ入り  蝉坊
ロボットの代わりになって子と遊ぶ  良弘
ロボットの上司に嫌味届くかな  ちどり
ロボットの男女に悩む人権家  純一
ロボットのはずが採決日を休み  蝉坊
ロボットの扶養家族にしてほしい  駄作
ロボットも放射能にはあきれ果て  蝉坊


5月のお題/毎月25日締切り
1.「 どきり 」 2.「 白 」
出題・霜降さん


五十音順 / 会員による互選
★★★=天,★★=地,★=人
互選結果は翌月公表




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2016年 3月号 お題;「 餞別 」,「 涙 」 出題・弧衾若衆さん 

2016年04月23日 | 川柳

■「 餞別 」

戴いた分だけ入れる律儀者  篤子
★ お餞別お局さまは出すばかり  篤子
お餞別集金時にはいつも留守  純一
お餞別割り勘ねだるえらい人  純一
お別れともらった翌月再任用  小心居士
義理チョコに義理餞別で大赤字  猫じゃ猫じゃ
合格も祝いと言えず餞別に  芳男
後輩にあげられませんハケンだし  弧衾若衆
言葉さえ選別される退職時  芳男
左遷だと言われぬように札増やし  弧衾若衆
★ 塩を撒く手は餞別を捧げた手  蝉坊
出世して返すと息子超気楽  流美ん
上京の車窓に春の八甲田  蝉坊
寸志だと渡され中身ワンコイン  小心居士
餞別と言って愛情置いてくる  蚤助
餞別と夢を抱いて乗る夜汽車  蚤助
餞別に紛れて渡す請求書  小心居士
餞別の返しがチョコで文句言い  猫じゃ猫じゃ
餞別の品は何故だか使えない  ちどり
餞別の品々君の旅を抱く  流美ん
餞別の分だけかかる土産代  霜降
餞別はお気をつけての言葉だけ  蚤助
餞別はとびきりの笑み安いもの  霜降
餞別は流す涙が物語り  芳男
餞別を母に渡して父見舞う  良弘
餞別をまた取りに来た旅行好き  良弘
餞別を貰ったけれど行き場なし  久美子
卒業のはなむけ古い文庫本  蚤助
弔電は無用餞別受付中  蝉坊
定年日離婚届をわたされる  駄作
できるなら換金できる品にして  純一
出戻りで又も餞別そっと取り  猫じゃ猫じゃ
年下の異動が無くて死語となる  弧衾若衆
★ なごり雪冬から春にお餞別  篤子
人気の差転勤のとき品変わる  純一
熨斗袋見つけた妻は即マルサ  純一
餞がお金に変わる御銭別  芳男
はなむけの宴(うたげ)爽やか色でしめ  流美ん
はなむけの寄せ書きの文字あの人の  霜降
羽ばたけとドルとユーロでお餞別  ちどり
春先にもらい異動で夏戻る  小心居士
一筋にそんなものとは縁も無し  弧衾若衆
冬が往く布団に春の陽を残し  蝉坊
不用品餞別にしてグッドバイ  蚤助
文化庁陛下を置いて行っちゃうの?  蝉坊
名産を送れとばかりのお餞別  篤子
文字通り心ばかりのお餞別  蚤助
★★★ 寄せ書きの大事な人は隅の隅  ちどり
寄せ書きのはなむけの文字暖かい  蚤助
リストラで選別されて餞別を  小心居士
臨時でしょ餞別はナシ会もナシ  弧衾若衆


■「 涙 」

アイライン・マスカラにじむ黒い汗  篤子
朝帰り入れてくれろとうそ涙  猫じゃ猫じゃ
アニメ見て孫にかくれて涙拭く  小心居士
あの涙ほれた弱みでつい信じ  霜降
幾度もタオルを濡らす名シーン  流美ん
今に見ろ大河に流るこの涙  弧衾若衆
★★ 嘘泣きの涙が磨く処世術  純一
可笑しくて可笑しくて泣く我可笑し  篤子
お小遣いベア効果なく血の涙  純一
幼子の頬に涙とご飯つぶ  ちどり
俺の時送別会に涙無し  久美子
カーリング勝って氷を溶かしたい  蝉坊
哀しみは涙に酒に混ぜてやり  篤子
花粉症ドラマをみても出るらしい  良弘
神仏うれし涙に浸らせて  霜降
韓流でストレス解消もらい泣き  ちどり
感涙を悟られまいと洟をかみ  芳男
鬼籍への別れの握手母涙  弧衾若衆
健診後妻の涙が気にかかる  小心居士
号泣し化粧崩れて福笑い  駄作
古希の妻いまだにねだるとき涙  小心居士
最近は朝ドラ見ても涙出る  篤子
謝罪より涙を先に記者会見  芳男
杉の戸をあけたあたりで涙目に  猫じゃ猫じゃ
★★★ 巣立つ子の弱気が見せる別れ際  ちどり
卒園で順番待てずに涙出し  芳男
頼むから涙よりまず鼻を拭け  蚤助
綱遠くまたも稽古が泣いている  蝉坊
友の通夜涙で交わす吟醸酒  蚤助
★ 泣かれたら嫁にするしかないだろう  弧衾若衆
泣き凅れることはないのね涙くん  流美ん
泣きたくて泣けず埠頭で海を見る  蚤助
泣き笑い重ね重ねて鴛鴦に  純一
泣く女(ひと)が被害者だとは限らない  蚤助
泣くんじゃねえパーに負けてもチョキに勝つ  蚤助
涙でも真珠に見えた若い君  久美子
涙眼のようなマグロのかぶと焼き  蝉坊
ノーサイド涙と汗と泥混じる  蚤助
呑み込んだ涙五感を目覚めさせ  蝉坊
初めてのおつかいを見ていつも泣く  純一
母親の涙を見つけ子も泣いて  弧衾若衆
被告人涙ながらに大うそを  猫じゃ猫じゃ
披露宴涙の演出不要です  ちどり
福神は涙袋も立派です  蝉坊
無事出産なんだか涙出たっけな  篤子
孫の声仕掛けわかるもついほろり  純一
孫の目にプリッと生まれてきた涙  蚤助
見せぬ父孫への涙憚らず  流美ん
命日に一年分の涙出す  良弘
目薬を場面場面で注す女優  小心居士
容赦ない年金カット目に涙  小心居士
涙腺はゆるい天下の大詐欺師  蚤助
分かるまい涙の中の毒の色  弧衾若衆
笑わせる苦労の涙楽屋裏  蚤助


4月のお題/毎月25日締切り
1.「 サプリ 」 2.「 ロボット 」
出題・駄作さん


五十音順 / 会員による互選
★★★=天,★★=地,★=人
互選結果は翌月公表




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2016年 2月号  お題;「 豆 」 ,「 きげん 」 出題・猫じゃ猫じゃさん

2016年03月03日 | 川柳

■「 豆 」

★ 愛妻の背中にそっと鬼は外  修
言い訳はだいずなんだとおから出し  芳男
いざというときに役立つ豆知識  蚤助
威勢よく神輿を担ぐ豆絞り  蚤助
★★★ 家に居る鬼が豆まく福は内  ちどり
枝豆もブランド化して嫁に行く  篤子
枝豆を大豆と知らぬ人が増え  伊閣蝶
おいけやぐまめしくてらがまだ飲むべ  猫じゃ猫じゃ
おたふくが介護疲れでいんげんに  猫じゃ猫じゃ
お手玉の女王になれる昼休み  蝉坊
★★★ 鬼の役妻の本音の豆痛い  久美子
鬼は外妻の背中に豆そっと  小心居士
鬼役の祖父亡きあとは豆まかず  駄作
鬼嫁と鬼姑が豆合戦  小心居士
雲の上豆の木想う読み語り  純一
口臭が気になるくせに朝納豆  純一
交渉は机の下で手には豆  芳男
今夜こそまめに作る鬼は外  芳男
サヤエンドウもぎ取る君の手を眺め  霜降
塩足りぬ枝豆に似て頼りない  蚤助
食糧難アズキ5粒のありがたさ  弧衾若衆
スマホ出て身を縮めてる豆辞典  純一
節分に歳の数食べ腹壊す  小心居士
節分に豆まく鬼が出る我が家  良弘
大事故は僕のせいですNゲージ  蝉坊
頼まれた豆買い忘れ投げられた  小心居士
暖冬で寒風を待つ凍み豆腐  純一
★★ つまむってあたしを箸で野暮な方  弧衾若衆
妻病んでマメな亭主と目尻下げ  蝉坊
てのひらを見せてはしゃべるマメ自慢  蚤助
手の豆が勲章だった部活動  霜降
歳の数豆拾ったが食べきれず  篤子
どの顔も引き締めてやる豆絞り  蚤助
泣き出すと止まらなくなり豆力士  蝉坊
納豆が好きとは意外パリジェンヌ  蚤助
★ 納豆の糸引きずった迷い箸  芳男
婆っちゃ言うマミシクテラガほっとする  弧衾若衆
※マミシの語源は「まめ」= 実直・健康 → 元気かいの意
初デートまめも我慢のハイヒール  久美子
腹減らすノラが喜ぶ鬼は外  伊閣蝶
久しぶり山靴履いてできた肉刺(まめ)  伊閣蝶
まいた豆鬼も拾った節分会  蚤助
マメ夫(おっと)なあんにもしない妻がいる  霜降
豆薫る檸檬の記憶珈琲や  流美ん
豆絞り巻いて深まるハゲの皺  純一
豆助の機嫌とりとりプチ家出  流美ん
豆摘みテレビ見ながら呑むビール  篤子
豆電球でも映えていた過去の妻  良弘
豆のよな指並んでる愛ごの足  篤子
★ 豆博士みんなスマホに蹴散らされ  蝉坊
まめひろい年の数など食べきれず  猫じゃ猫じゃ
マンションの模型も杭を改める  蝉坊
★ 輸入した豆で日本の鬼は外  蚤助
嫁姑鬼は外だけ息が合う  ちどり
老夫婦豆まきの声静かです  篤子


■「 きげん 」

足取りが軽い良いことあったかな  蚤助
偉人伝そんなある日と丸め込み  蝉坊
飲食の賞味期限が捨てられる  蚤助
永遠が壊れて高い離婚率  純一
大雪で買いだめしすぎ期限切れ  小心居士
お世辞など言いませんというお世辞  蚤助
お祓いもなしで始める再稼働  蝉坊
おみくじに有効期限は書いてない  蚤助
頑張ってポイントためて期限切れ  伊閣蝶
★ 期限切れ夫の皿にそっと乗せ  久美子
期限切れ熟成肉と名を変える  ちどり
期限切れタイヒがカツに化けるとは  猫じゃ猫じゃ
期限切ればかり詰まった冷凍庫  蚤助
起源さえ不明なものに長い列  猫じゃ猫じゃ
休日のありがたみのみ紀元節  伊閣蝶
今日もまた肩もみゴミ捨て機嫌取り  小心居士
義理人情昔あったド今ねんだド  蝉坊
★ 口だけは調子戻った病み上がり  蚤助
減塩をして血圧の機嫌とる  蚤助
口角をちょとあげてみる機嫌良し  猫じゃ猫じゃ
ご機嫌で買いこんだカツ期限切れ  篤子
ご機嫌でカード出したら期限切れ  伊閣蝶
ご機嫌で働く晴れの洗濯機  蚤助
ご機嫌はすぐに治まるケセラセラ  蚤助
ご機嫌ようで閉める高女の同窓会  蝉坊
ご機嫌を取りに土日はトイザラス  篤子
五代とて起源は同じアミノ酸  霜降
5年生バレンタインに初調理  良弘
狛犬が恐そうなのでまた今度  蝉坊
婚活の修正写真に期限なし  芳男
★ 婚活を賞味期限が熱くする  蝉坊
★★ 皿洗う音で機嫌を推し量り  駄作
ジカ熱も開期も迫るリオ五輪  純一
仕事では期限厳守も朝帰り  純一
渋い奴機嫌のころあい分からない  霜降
締切についつい遅れるけやぐ会  篤子
締め切りの間際の応募当たるらし  ちどり
終活にまずは自分史ルーツ旅  流美ん
出社した上司の顔見てまず確認  小心居士
種の起源遺影を前に禿ばかり  芳男
賞味期限過ぎるジュースを父は飲む  良弘
人生は期限があるぞもう一丁  霜降
創作の料理は賞味期限切れ  芳男
卒業の歌がねぎらうランドセル  純一
タイムリミットベルに消えゆく一夜漬け  流美ん
宝くじ抽選までの夢に酔う  ちどり
年重ね賞味期限も無頓着  久美子
人間にあると思うな賞味期限  弧衾若衆
始まりはあの合コンで酔ったこと  小心居士
初孫に笑顔振りまきネジ切れる  篤子
母方の曾祖母髪が多かった  篤子
腹に来る賞味期限の勘違い  伊閣蝶
プレゼント笑顔の期限開けるまで  芳男
文明と元号にあり名前負け  弧衾若衆
満期でも千から銭へ低金利  純一
★★ 酔わせるとお金もらえる孫覚え  弧衾若衆
リボ払い危うい期限先送り  伊閣蝶
老妻に旅プレゼントして機嫌取り  篤子


3月のお題/毎月25日締切り
1.「 餞別 」 2.「 涙 」
出題・弧衾若衆さん



五十音順 / 会員による互選
★★★=天,★★=地,★=人
互選結果は翌月公表




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2016年 1月号  お題;「 えにし 」 ,「 するり 」 出題・流美んさん

2016年02月08日 | 川柳

■「 えにし 」

愛犬が縁結びする散歩道  ちどり
あいつとの人生語る妻不敵  弧衾若衆
赤い糸強く引いたり緩めたり  蚤助
悪代官懲りずに結ぶ腐れ縁  小心居士
縁だと思えばすべて許される  猫じゃ猫じゃ
縁(えん)という居酒屋(みせ)で危ない客ばかり  蝉坊
★★★ 縁結び神の宮司に離婚歴  蚤助
縁結びここの神主まだ独身  小心居士
★★ お墓にはあなたではなくこの猫と  駄作
画家たちは好んで裸婦を絵にしたの  芳男
過去世にも会えていただろ夢仲間  流美ん
花粉症不思議なえにし父と娘に  芳男
からみあう前世の縁赤い糸  猫じゃ猫じゃ
虐待の脳裏で父母が鬼になる  蝉坊
★★ 切れかけた縁を繋いだ葬儀場  ちどり
偶然をえにしと思う恋心  霜降
くじ引きは残念賞に縁がある  蚤助
ゲス極みゲスな行いファン哀れ  純一
子が生まれ泣いて笑って老いてゆき  霜降
孤児院とあって親とはない縁(えにし)  蝉坊
ご先祖の顔見え隠れする孫の顔  篤子
ことすべてえんだ縁だ運命だ  猫じゃ猫じゃ
この景色あのとき夢で見たような  伊閣蝶
子ら受験ネコらは恋に落ちる春  蝉坊
婚活はLINEという名の赤い糸  ちどり
再雇用えにし頼りに賀状出し  芳男
自己批判こんな相手を選ぶ俺  伊閣蝶
借金と雁字搦めで切れぬ縁  小心居士
16の春に出会って100年目  篤子
神仏を仲人にして縁探る  霜降
人類は皆兄弟って嘘おっしゃい  弧衾若衆
「捨てる神」それとも「拾う神」なのか  伊閣蝶
宝くじ大金が切るお付き合い  純一
茶柱が立って一日何もない  蚤助
町会長すれ違っても分からない  弧衾若衆
勤め人「えにし」「きずな」に縛られる  伊閣蝶
妻だけが良縁だったと思ってる  小心居士
馴れ初めは高二の夏の隣り席  蚤助
似た気性そっと受け継ぐ取説書?  流美ん
ヌレオチバ祓って来世の夢を見る  篤子
恥を知り出世とまるで縁がない  蚤助
初恋に縁あったらと亭主見る  純一
初参り縁より円をお願いし  小心居士
初詣で吉揃うまで買い直す  純一
パワハラにこれも「えにし」か泣きっ面  伊閣蝶
夫婦とは選択できる「えにし」かな  伊閣蝶
惚れ合った二人の神籤吉と凶  蚤助
本年も期待されない年男  蚤助
町でよく見かける君が気にかかる  久美子
見えぬ糸なんて強くて神神しい  流美ん
見た目には切れそで切れぬ縁もある  小心居士
酔っ払う度に親子の縁切られ  蚤助
★★★ 来世では私に声をかけないで  久美子
良縁と言われ古希過ぎ腐れ縁  小心居士
良縁といわれ専業主婦でいる  蝉坊
類似点さがしてご縁感じてる  篤子
悪い子も俺の身を引くよくわかる  純一


■「 するり 」

編み針を糸行き来して着るセーター  篤子
洗い物手から逃げ出す皿茶碗  ちどり
潔い辞任なんだか拍子抜け  蝉坊
★ いつの間に手櫛するりと無抵抗  芳男
お互いの連れを値踏みしすれ違う  蚤助
お通しが溜飲下げる衣(きぬ)かつぎ  蝉坊
★ 聞いてない逃げる上司の常套句  純一
行列の終わりはいつも目の前で  純一
櫛の間が広く感じる後退期  純一
幸運はするりするりと避けていく  芳男
この腹も梯子くぐりができたのに  純一
婚活でごめんなさいが上手くなり  純一
財布からするりと抜け出る諭吉どの  猫じゃ猫じゃ
故郷(さと)の道ナビを寝かせてするするり  流美ん
幸せをするりと放す臆病モン  霜降
棄てた過去ポトンポトンと滑り落ち  弧衾若衆
スムージー野菜ぐらしの娘に学び  蝉坊
すり抜けた掴んだはずの赤い糸  ちどり
するするり人混み抜けて福男  篤子
するりとはことが運ばぬ人生は  猫じゃ猫じゃ
すんなりときゃりーぱみゅぱみゅ言えるかい  蚤助
政治家の資金使途はするり抜け  芳男
大安にするりと別れ話出る  蚤助
抱きしめたつもりの貴女夢だった  久美子
タレントの延命策がゴマする利  芳男
ついた嘘すんなり通り拍子抜け  蚤助
出迎えと思ったポチが外に逃げ  小心居士
転入生スカートのまま逆上がり  弧衾若衆
棟梁の年季をしめすカンナ屑  蚤助
十日ぶり出たぞスルリとサスペンス!?  蝉坊
特売日気が付きゃ妻は最前線  小心居士
どしゃ降りの雨にうたれて片す恋  流美ん
とろろ飯(まま)カポいで並ぶ駅トイレ  蝉坊
何事もするりとぬけるずるい人  猫じゃ猫じゃ
ニアミスの社長を避けて身を隠す  伊閣蝶
のど飴の力うぐいす嬢の声  蚤助
喉越しの良さでうどんの品定め  伊閣蝶
★ 飲み込みは早いが仕事遅い部下  駄作
福沢を崩せば財布だだ漏れに  伊閣蝶
ホイッスル長く響いて準優勝  篤子
本当は噛んで食べたい手打ち蕎麦  伊閣蝶
前髪がつかめず落ちるアリジゴク  篤子
前が皆転んでボクに金メダル  弧衾若衆
前の人当たり出たのに俺ハズレ  久美子
またしてもチャンスの背中お見送り  ちどり
満員の電車にするり入る技  伊閣蝶
約束をどちらも忘れつつがなし  蚤助
安くても喉越し同じ発泡酒  伊閣蝶
病み上がりぺろりと食えたとろろ汁  蚤助
雪煙あげてターンの背が素敵  流美ん
湯豆腐が喉をするりと落ちていく  蚤助
世の中を羽生みたいに滑りたい  小心居士


2月のお題/毎月25日締切り
1.「 豆 」 2.「 きげん 」
出題・猫じゃ猫じゃさん



五十音順 / 会員による互選
★★★=天,★★=地,★=人
互選結果は翌月公表


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2015年 12月号  お題;「 線 」 ,「 お風呂 」 出題・篤子さん

2016年01月23日 | 川柳

■「 線 」

★★ あなたとは線路だったと諦める  久美子
雨あがり滴(しずく)煌めく蜘蛛の糸  流美ん
雨上がり空に七つの光る帯  伊閣蝶
★★★ 居酒屋へ引込み線のあるような  蝉坊
一線を越えたあと待つ蟻地獄  伊閣蝶
一線を越えたい想い胸焦がす  伊閣蝶
犬吠えて電線の上猿(ましら)飛ぶ  篤子
★ 運不運境目見える眼鏡くれ  霜降
蝦夷地まで新幹線は足のばす  猫じゃ猫じゃ
落葉掃くお隣さんとの境界線  篤子
親不孝線香手向け詫びる過去  純一
俺の家なのに妻娘が線を引く  純一
海峡を抜けて凛々しい津軽線  蝉坊
家庭内別居で見えぬ線ができ  小心居士
華奢だけどなかなか線の太いヒト  蚤助
境界線キレイに積まれた雪我家の?  篤子
行商のざわめき残る廃止線  弧衾若衆
★★ 靴脱ぐとドア閉める音子供部屋  良弘
腰と胸境界線がわからない  蚤助
★ 五線譜にのらない音符味を出す  ちどり
こんなとこ赤線引いた若いボク  蚤助
歳末も年明けもまた線の上  伊閣蝶
撓らせるコツにホネおる籐細工  流美ん
芝も毛も激闘の跡ライン際  芳男
三味線を弾けぬ隠居が言う豪語  小心居士
就活へ横一線の自己主張  蚤助
線香はあの世この世の糸電話  霜降
線引きでいつももめてる支那の海  猫じゃ猫じゃ
線引きも知らぬしあわせ認知症  猫じゃ猫じゃ
空を裁つ飛行機雲の後に雨  伊閣蝶
体形が父に似てくる反抗期  蝉坊
茶をこぼし直ぐに張られる非常線  純一
中間線決して越えぬ嫁姑  弧衾若衆
手が震え前より眉毛太くなる  久美子
電線が垂れ下がるほど雀達  篤子
電線に雀停まらずカラスなり  芳男
電線の地中化進み泣く雀  純一
点つなぎ陣地広げて大地主  篤子
突然の息子帰郷に予防線  小心居士
寝たふりで視線合わせぬ優先席  小心居士
野山越えノーベルの里一直線  芳男
墓参り線香忘れてタバコに火  小心居士
腹の皺昔三本今一本  伊閣蝶
人と人線を引いてはけなし合う  弧衾若衆
ひんぱんに車線を変える彼がイヤ  蚤助
★ 無礼講言われて一線越え左遷  小心居士
★★★ ベルトした妻とよく似た笹団子  蚤助
放射線風呂の鏡を凝視させ  蝉坊
ほうれい線そっと伸ばして美容液  ちどり
マーカーを引いても言葉忘れてる  久美子
孫が言う線がいっぱいババの顔  久美子
見えぬ線引かれておとなり隣組 篤子
見たかった超えてはならぬ一線を 純一
嫁姑停戦ラインを書き換える  弧衾若衆
LINEとは線じゃないのか若い衆  伊閣蝶
若者がおらず老兵前線に  駄作


■「 お風呂 」

アイゼンとピッケルがいる山の風呂  伊閣蝶
アソコから洗えと言えぬお年頃  弧衾若衆
泡風呂で匂い混ぜ込む腹具合  芳男
梅干しに渋茶長湯で酔い覚まし  伊閣蝶
おっとりと育ち長風呂長電話  蚤助
お風呂場の音響効果爺長湯  ちどり
お湯溢れ水平線が揺れ動  篤子
女湯の会話の響き世間知る  弧衾若衆
小遣いで孫を釣り上げ湯に入る  小心居士
子等巣立ち広げたお風呂孫を待つ  篤子
ゴルフ場風呂場でばれる紳士ぶり  純一
自動だと信じたままに栓忘れ  弧衾若衆
十八番曲風呂ならプロと自画自賛  純一
銭湯は石けん踏んで転んでた  弧衾若衆
銭湯は昔小銭で今お札  小心居士
★★ 定年後新たな辞令風呂掃除  霜降
泣きじゃくる子を誘い出し風呂に行く  良弘
訛ってる富士を見上げるオラホ(津軽)の湯  流美ん
二段腹浅いバスタブ島になる  純一
初酸ヶ湯老婆出るまで長湯する  純一
★★ 鼻歌が湯上がり告げる「神田川」  流美ん
★ 浜茹での毛蟹が宿をシンとさせ  蝉坊
半身浴効果も後のビールまで  伊閣蝶
番台で買った石鹸取り逃がし  蝉坊
風呂上り鏡の腹を凹ませる  小心居士
風呂上がり秤にそっと足を乗せ  猫じゃ猫じゃ
風呂上がりビールの泡に憂さ忘れ  霜降
風呂上りヘルスメーター明日にしよ  駄作
風呂どうぞ残り湯わずか妻のあと  久美子
風呂どうぞ優しく言われ掃除付き  小心居士
風呂はいりすべて流れよ年の暮れ  猫じゃ猫じゃ
風呂入る息子の手にはスマホあり  久美子
風呂場から鼻唄今日の上機嫌  蚤助
風呂場から廊下濡らしてとる受話器  蚤助
孫入ったお風呂ほのかにミルク臭  篤子
間違えたふりしてあける女風呂  伊閣蝶
★ 眉のない顔にも慣れた風呂上がり  蚤助
水音でやっと目覚めた酔い醒め湯  伊閣蝶
見ちゃならぬ番台の前目が泳ぐ  純一
もの心祖母のへちまの揺れる風呂  蝉坊
山奥の露天に映る冬の月  伊閣蝶
湯あたりが冷めるころには風邪を引き  芳男
湯上りのばばの顔見て孫が泣く  小心居士
湯上りの娘の眉毛消えている  小心居士
湯加減はいかがくしゃみで返事する  蚤助
★★ 湯の花を換えて旅する冬の夜  ちどり
漁終えて浸かるお風呂は極楽湯  篤子
露天風呂毛深い奴が二三匹  猫じゃ猫じゃ
露天風呂猿を仕事が待つじゃなし  蝉坊
露天風呂さざ波聞こえトドになる  ちどり
露天風呂飛ばされた傘追う裸婦  芳男


■「自由題」

二拍手に諍いさるを祈念して  芳男


1月のお題/毎月25日締切り
1.「 えにし 」  2.「 するり 」
出題・流美んさん



五十音順 / 会員による互選
★★★=天,★★=地,★=人
互選結果は翌月公表



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2015年 11月号  お題;「 記憶 」 ,「 爆 」 出題・詠得笑さん

2015年12月27日 | 川柳

■「 記憶 」

挨拶もバカ丁寧な認知症  芳男
ある日ふと恥の軌跡を思い出す  伊閣蝶
★ あれがほれそれがあれしてなんだっけ  蚤助
あんパンと呼ばれにやっと笑ってた  弧衾若衆
家を出て施錠気になり引き返す  小心居士
一夜漬けあくびをしたらもう忘れ  蚤助
今頃に振った彼女の顔浮かぶ  弧衾若衆
美しいモノだけ残って欲しいもの  篤子
落ち込むと頭もたげる負の記憶  ちどり
覚えてろ!認知症です忘れます  詠得笑
思い出す時間待てずに話題変え  芳男
鏡見てどなたさんでとつい尋ね  霜降
核心は記憶にないと言い逃れ  猫じゃ猫じゃ
カミさんを詰めても最後記憶なし  小心居士
記憶さえ写真たよりに手繰り寄せ  猫じゃ猫じゃ
記憶では将棋でも負け受験でも  裕雅
記憶では美人であったおばあさん  猫じゃ猫じゃ
記憶ない夜からそばにいる女房  良弘
記憶なし天の空爆受けた跡  芳男
記憶にも鍵をかけてる認知症  ちどり
記憶にも記録も残る大ちょんぼ  駄作
記憶力ないのにIDまた増やす  良弘
君恋しだけど名前が出てこない  霜降
旧友と別れた後に出る名前  純一
靴ずれの記憶しかない初デート  蚤助
クラス会恩師みんなの名を覚え  蚤助
クラス会同じ話でいつも酔う  良弘
★ 子育ては独りでしたと妻威張る  純一
このごろは記憶の海が深すぎる  霜降
このソフト以前使えたはずなのに  伊閣蝶
このメンツ揃って気持ち17歳  篤子
探し物記憶の底を総ざらい  ちどり
知ってたと過去形にする小賢しさ  弧衾若衆
辛抱を覚え大人になりました  蚤助
葬式の全てのページ飛んでいる  弧衾若衆
そんなことあったかもねと久しぶり  蚤助
大胆な衣装で顔は記憶せず  蚤助
小さな想い出を繋ぎ合わせてクラス会  篤子
手抜きするコツを覚えて古参株  蚤助
同窓会彼は素敵であったはず  篤子
同窓会皆のマドンナ君だっけ?  伊閣蝶
名を忘れその場繕う空笑い  伊閣蝶
女房に恋したこともあったっけ  蚤助
ね母さんこんな塩梅だったよね  流美ん
脳みそが喘ぎ絞り出す記憶  蚤助
飲み過ぎで昨夜も記憶が不連続  いまちゅう
飲むたびに美化した過去に酔いつぶれ  裕雅
パスワード書いたメモの記憶なし  芳男
★ 母の背で周りが広く見えていた  弧衾若衆
★ 久しぶり名前出ぬままじゃあまたね  いまちゅう
膨らんでやがて平らか記憶塚  蝉坊
二日酔い記憶が消えて怖い朝  純一
ヘソクリの札がだんだん減っている  小心居士
ヘソクリを思い出したが場所忘れ  小心居士
ポイントを貯めて忘れるパスワード  良弘
ポナンザに騎士らしさまで記憶させ  流美ん
惚れたのはお前が先さ俺じゃない  久美子
前は何建っていたっけこの空き地  久美子
孫が増え名前呼ぶ前メモを見る  純一
孫娘憎まれ口をまず覚え  蚤助
丸暗記身には付かない論理性  純一
道迷い過去の記憶の曖昧さ  伊閣蝶
見舞う日々出会ったころの写真提げ  蝉坊
メモ用紙書こうとしたら手が止まり  詠得笑
物忘れすると体よく逃げられる  蚤助
病み上がり小石も虫もいとおしい  弧衾若衆
忘れたい記憶がいつも夢にでる  久美子
忘れてるされた親切したイジメ  詠得笑
忘れない永久保存声までも  流美ん


■「 爆 」

朝帰り言い訳したらなお激怒  小心居士
あの頃の爆睡恋し更年期  伊閣蝶
★ 家族には通じぬジョーク部下に受け  良弘
カミさんの予兆は眉毛吊り上る  小心居士
カミさんは油断できない活火山  駄作
還暦を越えても不発弾でした  蚤助
切れかかる堪忍袋通勤時  伊閣蝶
空爆の止む日願って伊勢参り  篤子
★ 愚痴り合い爆発せずに済んでいる  霜降
経験談深入り過ぎて自爆する  芳男
芸術は爆発だよとパリは燃え  芳男
子がやる気出して我が家のビッグバン  蚤助
子が笑うテレビに笑うふりをする  良弘
誤爆でもリセットできるゲームなら  猫じゃ猫じゃ
失敗も爆笑に変える非凡な才  裕雅
神経を逆なでタッチアンドゴー  蚤助
前日に野菜爆食い高脂血  芳男
楽しみは年に一度の福袋  久美子
中国へ販促をする百貨店  蚤助
血を見たら爆笑の渦散り始め  弧衾若衆
徹夜明け目覚めてみれば夜だった  いまちゅう
手早くチン飛び散る具材かかる手間  流美ん
ドライヤー寝癖の髪にギブアップ  伊閣蝶
鳴り止まぬ時計をよそに夢ん中  流美ん
何にでも爆が付いたら気にかかる  久美子
爆買いが羨ましいと妻が言い  裕雅
爆買いで中国製知る中国人  良弘
爆買いのツアーになったハネムーン  蚤助
爆買も昔やってた日本人  猫じゃ猫じゃ
爆買いを冷めてみているバクの夢  弧衾若衆
爆買いを蔑視しつつも揉み手する  純一
爆笑が減った世上の気味悪さ  伊閣蝶
爆笑し差し歯がとれて笑い者  純一
爆笑にテンポ遅れて笑われる  小心居士
爆笑はないが微笑み絶えぬ日々  蝉坊
爆睡のイヤホン♪(音符)まき散らし  蚤助
爆睡をされる身になれ生徒たち  猫じゃ猫じゃ
爆竹がチャイナの叫び消している  弧衾若衆
「(爆)」と「アハハ!」で結びあう老いガラケー  蝉坊
爆発が花火みたいに見える事故  伊閣蝶
爆発も芸術ならば許される  純一
爆風の「ランナー」僕の十八番(おはこ)です  いまちゅう
爆裂か寡黙な上司べらんめえ  流美ん
ハロウィンの仮装のままでクリスマス  弧衾若衆
百均で爆買い気分プチ富豪  ちどり
夫婦仲妬んで舅が起爆剤  小心居士
不運でも考えようで起爆剤  純一
太り過ぎ膝に抱えた不発弾  詠得笑
触れる商品(もの)全部買い物かごに入れ  蚤助
盆帰り爆竹鳴らす墓参り  詠得笑
本物はやはりいいねとチャイニーズ  蚤助
ミサイルが飛ぶ先々の悲惨劇  霜降
ミネソタの卵を売って大爆笑  篤子
ゆでタマゴぐらい爆発させてやる  蚤助
ヨーロッパ流浪の民に揺れ揺られ  霜降
来世では瀑布のミスト浴びる砂  篤子
流行語大賞爆買いで決まり  蚤助
隣席の爆睡嫌で途中下車  純一
笑っている顔に青筋導火線  伊閣蝶


■「 自由題 」

血圧を気にして食べるチョコレート  霜降


12月のお題/毎月25日締切り
1.「 線 」 2.「 お風呂 」
出題・篤子さん


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2015年 10月号  お題;「 運動 」,「 旅 」 出題・小心居士さん

2015年11月23日 | 川柳

■「 運動 」

明日から運動するぞと日々誓う  伊閣蝶
案内の太ったトレーナーを見て止める  小心居士
あんなにも首振ったのにフォアボール  蚤助
一万歩運動してる食べ歩き  ちどり
★ 一周は無駄じゃないのかホームラン  蚤助
インタビューまだ童顔の新記録  蚤助
運動会雨止み花火合図待つ  小心居士
運動会過疎地は村の体育祭  小心居士
運動会ビリで走ってかつコケた  伊閣蝶
運動会孫はともかく若いママ  弧衾若衆
運動会要領良さで順位上げ  流美ん
運動がタイギ(億劫)で数値落ちません  篤子
運動が不足していて過労気味  蚤助
運動後三度は計る体重計  小心居士
運動後飲むビール元の木阿弥  伊閣蝶
園児たち走り終えると皆ボルト  小心居士
★ お約束三日遅れの筋肉痛  詠得笑
親よりも祖父母活躍運動会  駄作
カーテンで日々お陽さまと対話する  蝉坊
★ 飼い犬と歩調が合わず犬脚に  芳男
家事さなかダンスの曲にステップON  流美ん
★ 加齢臭漂うジムの更衣室  ちどり
筋トレをやりすぎ悪化五十肩  伊閣蝶
筋肉を鍛えるつもりで骨を折り  芳男
草野球番(つが)いトンボが取るボーク  蝉坊
血圧を下げる体操腰痛め  弧衾若衆
ゲレンデの派手なウェアよく転ぶ  蚤助
健診で食事運動耳にタコ  純一
けん玉は腰だ膝だと文科系  蝉坊
高層の陰にも愉し一戸建て  蝉坊
ゴール後に爺ボルト真似筋伸ばす  小心居士
この足が一等賞を取った足  霜降
御不浄へ通う運動抗がん剤  蝉坊
★ 逆上がり月に笑われやっと出来  霜降
自転車はペダル軽めに変速し  芳男
終業の音聞くとオレアスリート  良弘
週末の掃除洗濯布団干し  伊閣蝶
★★★ スキップもジャンプも出来た足なのに  篤子
スタート時ブチッと音して救急車  弧衾若衆
スタートの隣りの息も深くなり  蚤助
ズック買う去年のズックまだ新品  弧衾若衆
スポーツマンシップ堂々弱み攻め  蚤助
スポーツも山も見るのが君の趣味  ちどり
スポーツをギャンブルにして殺気立ち  蚤助
せっかちは苦手と思う太極拳  蚤助
千鳥足植物学者の酒に酔ひ  詠得笑
中継を脱衣場まで持っていく  蚤助
テニスの娘ダブルフォルトで恋終わる  蚤助
手拍子のリズムが合わず忍手に  純一
徒競走親の顔見え加速する  裕雅
何事も準備運動まずビール  猫じゃ猫じゃ
二世では勝てぬ政治もスポーツも  蚤助
★ 抜いちゃダメその子の家は得意先  小心居士
年会費ジムに納めた日に捻挫  小心居士
徘徊と見られちゃならぬウォーキング  純一
パパがあごあげて駆け出す運動会  蚤助
ビール飲むためのジョギングよく続く  良弘
ファインセーブゴールキーパー仁王立ち  蚤助
フイットネス通いだしたら肥えた妻  小心居士
フィットネスジム入りに乗るエレベーター  伊閣蝶
フイットネス妻は体と口疲れ  小心居士
腹筋は抱腹絶頂大笑い  篤子
ごと競ったリレー懐かしい  猫じゃ猫じゃ
プロ級のウェアいまだにニュウのまま  良弘
プロレスがずっと似合うぞ畠山  蝉坊
ヘルスメータ運動不足でお蔵入り  裕雅
弁護士が金に群がる十!二十!三十!  蝉坊
孫の園五輪音頭の輪に備え  流美ん
マスゲームみんな将軍さまのもの  蚤助
水虫が大活躍のスニーカー  蝉坊
未成年票をシールズ独り占め  蝉坊
簑虫の夢が無風を翔んで揺れ  蝉坊
六十路坂時に息切れまた一歩  霜降
村上さんまたも流産したらしい  蝉坊
行き先はラグビー球に訊いてくれ  蚤助
予定表ジムのない日は医者通い  小心居士
ライザック前と後とが逆じゃない  猫じゃ猫じゃ
雷鳥は星の名すべて知っている  蝉坊
リハビリのエアロバイクで津軽路へ  蝉坊
60代ラジオ体操辛いです  篤子


■「 旅 」

秋の空旅に出ようと呼びかける  霜降
あこがれの行方定めぬ旅がらす  猫じゃ猫じゃ
アレ爺ちゃやっと来たのガ婆ちゃダベ  弧衾若衆
飯田橋青春の日が顔を出す  霜降
入り麻薬入り鉄砲に入り難民  蝉坊
上野行き寝台列車夢を行く  霜降
駅弁を車窓から買う懐かしさ  伊閣蝶
絵葉書を箱で遺した父不在  蝉坊
大声で子に諭される老患者  蝉坊
★★ お得です三途の川もツアーなら  ちどり
お隣は海外うちは妻の里  小心居士
★★ お土産を自分に買って終わる旅  蚤助
「おめでとう」と背を大海へ押してやる  蝉坊
輝いている君を観ていたいだけ  蝉坊
掻き捨てた恥が擽る旅心 詠得笑
かじられたスネを癒しにフルムーン  蚤助
★ 99まで生きると言えぬ嫁にらむ  弧衾若衆
景勝もグルメを前に色褪せる  ちどり
里山の産品までも輸入品  芳男
時刻表蛍光ペンで往って復る  篤子
シニア旅歩数階段まずチェック  純一
スッチーの勤務延長涙出る  弧衾若衆
そのわりに襞(ひだ)に分け入るぶらり旅  蝉坊
旅先が決まっているのに俺に聞く  小心居士
旅先の希望は聞くがいつも無視  小心居士
旅先の住んでみたいはお世辞だろ  蚤助
旅先のように句を詠むデイルーム  蝉坊
旅の荷に喪服景色は目に見えず  蚤助
団体が帰り静寂戻る古寺  蚤助
団体の中で気楽に恥をかく  蚤助
父以外ばかりが写る家族旅行  良弘
★ 通勤が三県またぐ旅気分  小心居士
通勤が旅に等しい遠隔地  伊閣蝶
出かけには決まって最後と祖母は言う  小心居士
出かけよう君の財布の出番です  ちどり
出戻りが小旅行という離婚劇  芳男
添乗員お世辞で客が旗を持ち  純一
トイレまでカバン持ち込む一人旅  猫じゃ猫じゃ
ときめいていることを知る一人旅  蝉坊
どこまでも歩いて行ける秋の空  伊閣蝶
年取ってお迎えの道よく見えぬ  弧衾若衆
トラベルがトラブルになる老夫婦  小心居士
長旅で喧嘩のタネも底を尽き  蚤助
長旅の疲れを癒やす島の猫  猫じゃ猫じゃ
女房を引率気分元教員  弧衾若衆
飲み過ぎたことは触れない旅便り  蚤助
旗の行く方へゾロゾロついて行く  蚤助
早足で山に駆け込む陽の旅路  芳男
ビジネスに乗せたら最後エコ嫌と  純一
ひと駅を歩き職場に旅気分  良弘
一人旅老いて後には徘徊に  裕雅
ひとり旅団体隅で耳ダンボ  流美ん
ひとり旅バスには連れの蠅と乗る  蚤助
暇もありプランもあるが金がない  小心居士
病窓の新幹線は東北へ  蝉坊
貧乏性旅先までもついてくる  蚤助
不祝儀が蹴散らす旅のスケジュール  蝉坊
古女房それがまた良し二人旅  詠得笑
★★ 別人で歩いてみたいひとり旅  流美ん
孫に湯で極楽来たと祖母の声  小心居士
街歩き観て行った気にビンボウニン  篤子
見たいもの旅路の果ての青い空  蝉坊
夫婦旅つい山登り妻怒る  伊閣蝶
紅葉狩り計画ばかりで資金なし  芳男
宿・切符押さえて腰が悲鳴あげ  篤子
ゆとり旅タイムセールで買い逃し  蝉坊
夢まくら紅に染められ紅葉狩り  流美ん
★★ 旅行記を事前に見過ぎ旅デジャブ  純一
旅行の日妻が差し出すペアルック  良弘
レールには繋がるという文字乗せて  弧衾若衆
露天風呂中天の月雲かかる  伊閣蝶
露天風呂まわりはみんな異国人  駄作
ワイキキの浜辺会話はブロークン  蚤助


11月のお題/毎月25日締切り
1.「 記憶 」 2.「 爆 」
出題・詠得笑さん


五十音順 / 会員による互選
★★★=天,★★=地,★=人
互選結果は翌月公表



《 関連ブログ 》
● ただの蚤助「けやぐの広場」
川柳と音楽、映画フリークの独り言。
http://blog.goo.ne.jp/keyagu575
● 蝉坊「けやぐの道草横丁」
身のまわりの自然と工芸、街あるきと川柳への視点。
http://blog.goo.ne.jp/keyagu0110

2015年 9月号  お題;「 ほっこり 」,「 差向い 」 出題・京子さん

2015年10月25日 | 川柳

■「 ほっこり 」

赤ちゃんが運ぶ温もり恵比須顔  伊閣蝶
温かなビールが畜まるベッド下  蝉坊
生き返る天糞降臨5日ぶり  蝉坊
一服に想う茶づくり碗づくり  蝉坊
★ 産声が結び直した赤い糸  蚤助
売れ筋はおでんや鍋のほっこり系  篤子
駅弁の熱日帰りの肩ほぐす  蝉坊
縁側でタマがうたたね大の字に  小心居士
お帰りとおでんの湯気が待つ暖簾  蝉坊
おでん煮て家族でワイワイ突つきあい  篤子
思い出はほっこり限定だけでいい  純一
温室のイチゴ紅葉の手に摘まれ  蚤助
御党にゃ一度も入れたことがない  蝉坊
★★★ 片言の孫がジイジと呼んだ声  蚤助
香に気づき金木犀の花探す  伊閣蝶
甘言でほっこりさせる詐欺話  純一
聴き覚えあるメロディーにハモリあう  流美ん
★★★ 空席を曲がった腰が譲り合う  小心居士
管(くだ)がみなはずれ退院目を覚まし  蝉坊
栗ご飯まるく囲んでいただきます  篤子
小包みの隅にひっそり母の情  流美ん
コンビニのおでんが誘う帰り道  伊閣蝶
残暑なく日干し布団でほっこりと  芳男
山道でキノコ陽を受け茜色  伊閣蝶
凍れる日コタツで熱燗ほっこりと  篤子
しばれる夜響く石焼芋の声  蚤助
受話器からほっこり顔のファルセット  流美ん
たどりつきむすびいただきほっこりと  猫じゃ猫じゃ
だんだんとほっこり焼けていく嫉妬  蚤助
父と娘の喧嘩を孫が行司役  芳男
月見酒映るまぁるい君の顔  流美ん
定刻だ入院膳を配る音  蝉坊
涙ふきあの角曲がれ母が居る  弧衾若衆
猫舌が愛をほっこり食べている  蚤助
速い秋おサツへ秋波集めさせ  蝉坊
久しぶり陽射し温もり心地良し  伊閣蝶
不合格次頑張れと父と母  霜降
ブルマンの薫りとモーニングコール  流美ん
干し芋もほっこり芋がほしいもの  芳男
ほっこりと温だまる膝爪を立て  猫じゃ猫じゃ
ほっこりと温みが残るネコの床  猫じゃ猫じゃ
ほっこりとママの笑顔にいやされて  猫じゃ猫じゃ
ほっこりにぽっちゃりが付く妻の今日  良弘
布袋様眺め自分の腹さする  小心居士
孫が描く似顔絵点と線だけど  久美子
孫からの鏡字躍るラブレター  ちどり
孫の顔仕事の疲れ解きほぐす  裕雅
孫の手にコイン並べて顔を見る  弧衾若衆
マタニティマークに席をゆずる孫  小心居士
待ち受けの画面いっぱい孫の笑み  ちどり
曼珠沙華となりの娘嫁支度  弧衾若衆
民宿の夕餉一家で作る味  蚤助
婿殿の親の肩書見て安堵  小心居士
★★★ 病得て等身大の父となり  蝉坊
夕焼けに駆け寄る子らがなつかしい  霜降
茹で栗をかっと歯で割る爽快感  霜降
冷戦の爺・婆ほっこり孫通信  篤子
露天風呂湯気の向こうに月うかぶ  駄作
若い娘の火照りどうやら恋心  蚤助


■「 差向い 」 出題・京子

愛猫の未完のままの闘病誌  蝉坊
憧れの彼女と談笑夢うつつ  霜降
一葉と諭吉財布で差し向かい  蚤助
嘘がバレ正対出来ずに斜向かい  純一
映画観て茶店で語る二人連れ  伊閣蝶
宴会後知らぬ親爺と差し向かい  芳男
円卓は盆が明けると差し向かい  芳男
オイと呼ぶ女房ハイという亭主  蚤助
おしどりを演じ夫婦で疲れ果て  蚤助
落ち着かぬ妻と外食差し向かい  伊閣蝶
★ お泊まりの子を思いつつ差し向かい  良弘
お見合いは面接よりもドッキドキ  霜降
お粧かしの妻を向かいにチョイト照れ  流美ん
オレオレにだまされないぞ電話口  純一
★ カーテンを閉めると病顔を出す  蝉坊
カウンター一人でも客もう一杯  芳男
壁紙に孫の写真で差し向かい  篤子
画竜点睛アダムとイヴの絵の眼線  蝉坊
還暦の恋だ二人で不整脈  蚤助
気になってハンカチ落ちる膝小僧  弧衾若衆
気まずくて本を読むふり差し向かい  猫じゃ猫じゃ
きみとぼく風邪も欠伸も移る距離  蚤助
吟醸酒少しこぼして様子見る  弧衾若衆
ぐい飲みの大きい方は妻が取る  蚤助
くださいと言われ返事に窮す父  ちどり
激流をひと翔び蝉のラブコール  蝉坊
★★★ 子等巣立ち仕方ないわね差し向かい  篤子
混浴にきたのに妻と二人きり  蚤助
盃を差しわだかまりとけだして  流美ん
差し向かい今日の勘定誰払う  猫じゃ猫じゃ
差し向かいチラと盗み見見合い席  猫じゃ猫じゃ
差し向かい馴れ馴れしいわあんた誰  猫じゃ猫じゃ
差し向かい目くばせ無視しよくしゃべる  蚤助
シェアランチ涙と笑いテンコモリ  流美ん
★★★ じじとばば違う会話で返事する  久美子
じっと見る次はどうでる汗が出る  弧衾若衆
就活で腹探りすぎ刑事顔  純一
証明済みようちの相対性理論  蝉坊
食卓の椅子をずらして食事する  久美子
心電図乱しておいてじゃあまたな  蝉坊
妻と俺顔合わせても目はそらす  小心居士
妻酔わせ結果茶碗を洗うはめ  蚤助
闘病の積み木を崩すサプライズ  蝉坊
飲み会に遅れて席が理事の前  小心居士
バーテンの眼には険しい片想い  蝉坊
初デートコーヒーすすりそっと見て  霜降
日溜まりで湯呑手にして祖父と祖母  小心居士
★ ぴったりと意見があって離婚する  蚤助
100円で売られるまでの泣き笑い  蝉坊
ペアグラス今日は互いに背を向ける  裕雅
まあひとついやこちらこそまあどうぞ  伊閣蝶
向かい合う元部下が指示再任用  小心居士
★ 向き合えば要らぬひと言口をつく  ちどり
向き合った娘の彼氏目はスマホ  小心居士
メニュー見る爺はカロリー婆値段  蚤助
山積みの書類が見てた恋模様  流美ん
ゆきずりの向かいの君が目に眩し  流美ん
世が世なら美女だったのにねえ妻よ  蚤助
よく冷えた妻の視線とぬるいBEER  蚤助
★ 四人掛けみんなスマホとにらめっこ  芳男
隣床の見舞い小声で顔を寄せ  蝉坊
冷酒から熱燗に替えて差向かえ  裕雅
老夫婦目は合わさずに差し向かい  駄作


●自由題

虫の音に背中押されて夏しまう  ちどり


10月のお題/毎月25日締切り
1.「 運動 」 2.「 旅 」
出題・小心居士さん


五十音順 / 会員による互選
★★★=天,★★=地,★=人
互選結果は翌月公表



《 関連ブログ 》
● ただの蚤助「けやぐの広場」
川柳と音楽、映画フリークの独り言。
http://blog.goo.ne.jp/keyagu575
● 蝉坊「けやぐの道草横丁」
身のまわりの自然と工芸、街あるきと川柳への視点。
http://blog.goo.ne.jp/keyagu0110

2015年 8月号  お題;「 音 」,「 絵 」 出題・伊閣蝶さん

2015年09月26日 | 川柳

■「 音 」

朝と夜盆踊り分け蝉カエル  良弘
安眠を妻のいびきに邪魔される  久美子
一直線気配を消してミケが来る  弧衾若衆
イントロにあの日の君の桜色  流美ん
嘘つくと声が上ずるパパの癖  小心居士
英単語レールの音で刻み込む  篤子
大いびき無呼吸言われ不眠症  純一
★ 大いびき昔マドンナだったのに  駄作
音が出て他人になする匂い付き  芳男
音立てて抜かれてゆくよ永久歯  蝉坊
お隣の不幸な音に救われる  蝉坊
音姫に腰を浮かせる外国人  純一
★★ 音愛でる病の床の遠花火  蚤助
音もなく忍び寄るのは老いと皺  小心居士
★ 親離れさせて音信まるで無い  蚤助
音楽が不得手だった演歌歌手  芳男
音痴だと言ってる奴がすぐハモる  小心居士
快音を残してボール外野席  篤子
会議中静寂(しじま)を破る着信音  小心居士
ガソリンを焚いて灯油を売る調べ  蝉坊
★★★ 家電から指示されちょっと口答え  ちどり
金を借り家宝預けて音もなし  猫じゃ猫じゃ
カラオケと微妙にズレるオレの歌  伊閣蝶
帰宅した音で飛び出す仔が可愛い  篤子
強風に涼呼ぶ風鈴終い箱  篤子
行軍の音が消し去る法審議  蝉坊
古民家の伸びた庭木がドア叩き  芳男
★★★ ささやきがネットに乗って叫び出す  弧衾若衆
淋しさにテレビラジオのお守り番  篤子
寒い冬ほど蓄える春の音  蝉坊
幸せの音がまな板から生まれ  蚤助
三味の音に乾いた心揺さぶられ  流美ん
手話踊るピアニッシモからフォルテまで  弧衾若衆
ジョッキ干し団扇であおぐ夏の音  良弘
新品の傘雨音も新しい  蚤助
蝉の声残暑見舞いで蟋蟀に  伊閣蝶
★ 扇風機買い替え時と騒ぎ立て  篤子
対局に見慣れた時計耳ざわり  流美ん
高鼾欄間の埃ビビりだす  流美ん
チャリンという音に突っ張る欲の皮  蚤助
長身の腰を屈めて太鼓打つ  篤子
辛いとき悲しい曲が心地良い  伊閣蝶
電子音隣の風呂も沸きました  ちどり
トボトボと音が聞こえる帰り道  篤子
仲良しが歩いて靴の音ひとつ  蚤助
生演奏音符が肌にこびりつく  弧衾若衆
★★★ 寝ころんで地球のまわる音を聴く  弧衾若衆
脳みそも漏れてきそうなヘッドホン  蚤助
バアチャンは昔の音でおかき食べ  蚤助
母老いてまな板の音弱弱し  霜降
★★ ピンポンに返事する母テレビです  久美子
風鈴に岩手の風を所望する  ちどり
笛太鼓聞こえて足が跳ね上がる  篤子
ぶつかると乾いた音がする都会  蚤助
ベートーヴェンの曲も知らない音大生  伊閣蝶
別々の音が飛び交う謡囃子  伊閣蝶
盆の鉦墓苑四方に鳴り響き  霜降
味噌の香に母の葱切る音がする  流美ん
耳の奥年中無休の蝉時雨  ちどり
虫の音は夏の喧騒忘れさす  猫じゃ猫じゃ
名演も母にとっては雑音か  伊閣蝶
名曲は5分ももたぬ睡眠薬  小心居士
モーツァルト明るい曲という世評  伊閣蝶
モーツァルト流れる店で蕎麦すする  蚤助
宿六が寝坊で響く目覚し音  篤子
洋楽を聴いていた父今演歌  伊閣蝶
弱音吐く締め切り過ぎた投稿者  猫じゃ猫じゃ
老木の容態も診る聴診器  蝉坊


■「 絵 」

秋風をそよがせたくて描くトンボ  流美ん
油絵は具材と縁で評価され  芳男
イケメンの挿絵に惹かれ買う雑誌  篤子
絵が下手と自慢みたいに自己紹介  篤子
絵空事言ってた人が今博士  猫じゃ猫じゃ
絵で描いて説明をする話下手  伊閣蝶
絵手紙のヒマワリ猛暑に負けてない  ちどり
★★★ 絵に描いた詳しい地図が大迷路  芳男
絵に描いた餅だと言って白い紙  芳男
絵日記でパパの普段を垣間見る  ちどり
絵日記にもう好きな子がいるらしい  蚤助
絵にならんだろうアスリートの股間  蝉坊
絵の価値を下がる値札で判断し  伊閣蝶
絵の道具だけなら趣味を越えている  蚤助
絵葉書の方がきれいな景勝地  蚤助
★★ 絵文字でも返事があればよしとする  猫じゃ猫じゃ
幼子に書いてもらった絵の始末  伊閣蝶
顔合わせ済むとタトゥーが隠れない  蝉坊
★ 画家の名を聞いて納得名画なり  蚤助
額に入れ下手な絵なりの格好つき  流美ん
几帳面すぎて千切り絵捗らず  流美ん
忌引です言ってた部下がさじき席  小心居士
キャンバスがお皿に代わる写生会  伊閣蝶
才能の無さを道具のせいにする  駄作
逆さまに貼って楽しむお金持ち  弧衾若衆
自画像が美麗すぎるぞナルシスト  流美ん
下書きの虎が最後は猫になり  小心居士
修復というべきだろう肖像画  蚤助
暑気払いせめてハワイの絵葉書で  霜降
★ 太陽に必ず出会う娘の絵  良弘
誰に似ているかを聞いて描く似顔  小心居士
デッサンに挑みデイケアでも挑み  蝉坊
点描画??(ハテナハテナ)で僕ロダン  流美ん
夏雲が絵にしてみてと湧き上がる  霜降
夏休み母が描いても図画は下手  久美子
似顔絵で省略される目鼻立ち  蚤助
★ 似顔絵は福相なのに手配犯  純一
塗り絵するように顔描く鏡前  猫じゃ猫じゃ
ピカソ展ピカソのような顔で出る  蚤助
広重の景色に遭えぬ途中下車  蝉坊
墨痕が抽象画風書道展  蚤助
ぼろぼろの絵本に眠る蚊のミイラ  蚤助
本当は必要がないお札の絵  蝉坊
孫描いた似顔絵に髪はなし  芳男
孫が描くパパのおでこにいつも傷  小心居士
★ 見たとおり描けないからと抽象画  弧衾若衆
村中の誰もが描いた山がある  良弘
酩酊のママを描いてグランプリ  蝉坊
モナリザも微笑み凍るツアー客  純一
有名な絵だからなんか感動す  弧衾若衆
ラファエロを初めて観て立ちすくむ  伊閣蝶
ルノワール絵よりなじみの喫茶店  霜降
脇役の絵になる芝居客が沸き  蚤助


自由題(ねぶた)

スニーカー履いて浴衣は超短か  篤子
お祭りはワゲモノ(若者)達と跳ねるべし  篤子


9月のお題/毎月25日締切り
1.「 ほっこり 」 2.「 差向い 」
出題・京子さん


五十音順 / 会員による互選 /
★★★=天,★★=地,★=人 /
互選結果は翌月公表



《 関連ブログ 》
● ただの蚤助「けやぐの広場」
川柳と音楽、映画フリークの独り言。
http://blog.goo.ne.jp/keyagu575
● 蝉坊「けやぐの道草横丁」
身のまわりの自然と工芸、街あるきと川柳への視点。
http://blog.goo.ne.jp/keyagu0110