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眠れない童貞VS眠る中学生 第6話(Lovers Again - EXILE )

2015-10-17 23:30:50 | 心に伝わるback Music
先週はお休みしてすいません。

引き続きDさん の話です。
第6話を送ります。
出来るだけ毎週土曜日のこの時間(PM23:30)に配信します。

心に伝わるback Musicとして
記事を書いてます。

78作目は、
EXILEの「Lovers Again」です。

(パソコンの方はCtrlキーを押しながら下記画像をクリックして下さい。)
♪ Lovers Again  ♪

それでは、掲示板でのDさんの話です。

長文につき、時間が有る時に続き(MORE)に進んで下さい。

222:1 ◆ZddkhKhHhU :2011/12/12(月) 22:10:27.65 ID:TRFQfa9r0



お待たせいたしました

再開します。





223:1 ◆ZddkhKhHhU :2011/12/12(月) 22:16:12.93 ID:TRFQfa9r0



リハビリを日本で開始した俺は、無心でリハビリメニューをこなしていた。

半年してようやく普通の生活ができるかもという、なんとも微妙な回復まで漕ぎ着けた。

一旦、渡米し諸手続きや引越しを済ませ日本に帰国した。



そのスポーツではもう飯を食うことはできない。食わせることもできない。

未来が見えなくなった俺。

ママの言葉「生きろ」が毎日のように頭に響いていました。

ですがここから数年何もできなかった。今でいうニートです。何もできなかった。

目標もなにもない。悲観も高揚もない。本当に何もなかった。



細かく書こうにもこの時期の記憶が曖昧です。

俺の20代は震災後なにもなかったのです。





224:1 ◆ZddkhKhHhU :2011/12/12(月) 22:21:36.27 ID:TRFQfa9r0



30代に入り親も定年を迎えた。

仕事は期間工を数ヶ月やっては数ヶ月休むというのを繰り返していた。

スポーツ関連の人達とは音信不通で、一切連絡は絶っていた。

人の活躍等を目にしたりすると嫌な自分が出てきてしまいそうで、情報を断っていた。



あるとき偶然、以前お世話になっていたスポンサーの人Aと街中で会ってしまい、

猛烈に怒られた。



連絡しても出ない

スポンサーとか契約とかの以前に俺とお前は友人じゃないのか

俺がどんな気持ちだったのか考えたことあるのか



大声で怒られた。本気で怒ってくれていた。

身体を押され尻餅ついてしゃがみ込んでた俺をAさんは引き起こし連れて行った。





225:1 ◆ZddkhKhHhU :2011/12/12(月) 22:23:17.94 ID:TRFQfa9r0



事務所らしきところに着くと、当時しのぎを削っていた知った顔がいくつか見えた。

個室へ連行されソファに座らされた。

Aさん「で何やってんだ」

俺「何もしてないです」

Aさん「仕事は」

俺「していないです」

Aさん「ずっとか」

俺「今はしていないです」

Aさん「身体は」

俺「動きます」

Aさん「できんのか」

俺「辞めました」

Aさん「わかった」



個室から出て行ったAさん

部屋を見回すとコルクボードに張られた写真の中に俺とAさんと恵子が並んで写る写真があった。

初めてスポンサーについてくれた会社の担当者がAさんでした。

彼は独立して子会社の社長になっていた。

このスポーツの黎明期から携わっているAさんは俺と恵子を年の離れた友達といつも呼んでくれていた。



Aさんが部屋に戻ってくると後ろに当時のライバルがスポーツ用具を持って続いて入ってきた。

Aさん「これ持って帰れ。ウチで扱っている商品のサンプルだ」

俺「…」正直見たくもない物だった。目線を外す。

Aさん「見たくないか?楽しむスポーツに切り替えろ。技術云々じゃなく楽しめ」

俺「もうできないと思います」

Aさん「いいからやれ」静かに部屋に声が響いた

用具を机に置くライバルの身体の動きがおかしい

ライバル「俺もやっちゃったけどまだやってるよ」

俺「え?」

ライバル「たぶんお前と一緒の箇所やってるはず」

Aさん「しつこいよなお前は」

ライバル「楽しいんすもん」

俺「できるの?」

ライバル「できないことが大半。でも楽しいよ」退室する後姿がかっこよかった

俺「そっか…」



ライバルは引退後Aさんに拾われて働き始めたそうだ。

Aさん「お前も働くか?」

俺「俺はこの業界はもう…」

Aさん「そうかぁ恵ちゃんは残念だったけど、どう思うかな今のお前を見たら」

俺「」

Aさん「こんど一緒に行くからお前も来い」

俺「いや俺は」

Aさん「来い」すごく…怖いです…





226:1 ◆ZddkhKhHhU :2011/12/12(月) 22:25:45.08 ID:TRFQfa9r0



Aさんのお供で一緒にスポーツをしに行くことになった俺

怪我をしてから7年していない。怖かった。

いざやってみると下手糞でかっこわるくてどうしようもなかった



Aさんは煽ってくるが身体が動かない。でも同じく下手糞なAさんが

俺へったくそー!でもたのしー!とはしゃいでいる。

おまえ恵ちゃんより下手なのねw そんな煽りに乗せられたのでしょう。

なにくそ!恵子はこんなんより上手かった!



意外や意外普通にできた。

俺「…」

Aさん「なっ」

俺「うるさいっす。他の人に迷惑ですよ」

Aさん「ちょっとは楽しめ」

俺「うす」



身体的には現役には全く敵わないだろうが

その日、一般レベルからしたらそこそこの腕前までできることが確認できた。



その日の帰り

Aさんは恵子の思い出を語り出し、涙で運転できず俺が代行した。

かわいい人ですAさん。





227:1 ◆ZddkhKhHhU :2011/12/12(月) 22:28:50.40 ID:TRFQfa9r0



その日以降、俺は動き始めた。

斡旋してくれようとしたAさんからの働き口を断り、自分で職探しを始めた。

30歳、職歴:期間工数回。詰んでる。

実に一年かかったが機械メーカーに就職できた。

現職場です。何故か管理職にまで昇進できました。



スポーツは趣味として身体に負担がかからない程度にやり始めました。

ただ、昔の仲間とはレベルも世界も違っているので一人でやっていたのでした。

某SNSで楽しむ程度のサークルを見つけた俺は

何か変わればいいなと参加してみることに。



競技する人達ではなかったので俺の事は知る人もいない

※実際そんな名のある人ではないです。

俺にとっては都合の良い環境だったのです。





228:1 ◆ZddkhKhHhU :2011/12/12(月) 22:36:23.27 ID:TRFQfa9r0



初めて参加して思ったのが「出会い系」

独身者は出会いを皆求めている感じで、新しい人が来ると誰かしらがくっつく。

そしてフェードアウトが常でした。サークルの年齢層は20歳から30歳

俺はおじさん※童貞:魔法が使える



数年後

入れ替わりがたくさんありましたが、

俺は目的がそこじゃなかったので気付けばサークルの古参になっていました。

一般レベルよりかは上手いので俺の評判は悪くはないものだったと思う。

女の子に誘われてもなびかない。ああ童貞だよ。言わせんな恥ずかしい

男の子には技術的な面でのアドバイスが好評でサークルの兄としての立ち位置だった。



告白されても断ってしまう。そういうのがいつしか悪評に変わる。

男の子達は女の子の意見に左右されることなく慕ってくれていたが

居辛くなった為、退会してしまった。



そんな俺を見ていた数人はサークル抜きで一緒にスポーツをやってくれた。

その子達は俺の過去なんか知らない。話してもいないし当然だ。

あるとき飲み会で、どうして誰とも付き合わないのか聞かれた。

童貞だからとある意味正直に答えた。

笑われた。



ふいに

それだけじゃないでしょ?

私はそれだけじゃないと思うんだけど?

女の子が言った。彼女も出会い系に惑わされない人で純粋にスポーツをする人だった。

笑いが場から消え

女の子「ずっと見てるもんわかるよ」

俺はぽかーんとしながら気付いたら涙が流れていた。

みんな女の子のほうを向いていたので気付かれなかったが、

女の子は見ていた。

女の子「でも童貞だもんねぇ」

笑いが起こり、なんとかごまかせた。



恵子のことが好きな気持ちを数年ぶりに再確認したのだった。

やっぱりまだ好きなんだなぁ。

ちゃんと好きって恵子にいっていない。

恵子の感情を無視し続けた後悔。

別の話題になっていて上辺だけ笑いながらそんなことを考えていた。





229:1 ◆ZddkhKhHhU :2011/12/12(月) 22:38:39.26 ID:TRFQfa9r0



飲み会がお開きになり家路についた頃

女の子「俺さーん」

女の子が走って追い掛けてきた。



女の子「ごめんね」

俺「ん?なにが?」

女の子「ううんごめんね」

俺「あーあれコンタクトコンタクト」

女の子「メガネですよ」

俺「」

女の子「なんかあったんですか?」

俺「いやなんにもな…」

俺「時間ある?」

俺はこの子なら聞いてくれるかも知れない。でもこのグループにいられなくなるんじゃないか。でも話してみたい衝動に駆られた。

女の子「あります」「いきましょう」

俺「」あれ?なにこれ?



つづく
To be continued


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