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SHRSの二級建築士受験講座「建築法規」2024年度 ⑫

2024-02-27 16:16:13 | ビジネス・教育学習

◇今回は、避難施設の規定について整理していきます。

◇避難施設の規定①:第2節「廊下・避難階段・出入口」の規定の適用範囲(令117条)
 ・法別表第1(い)欄(1)項から(4)項までに掲げる用途に供する特殊建築物に適用
 ・階数が3以上である建築物に適用
 ・令116条の2第1項一号に該当する無窓居室を有する階(採光無窓の居室)に適用
   ⇒令116条の2第一号:面積の合計が、当該居室の床面積の1/20以上のもの
    (令20条の規定より計算した採光に有効な部分の面積に限る。)
 ・延べ面積が1,000㎡をこえる建築物に適用

◇避難施設の規定②:上記の適用範囲の建築物への廊下幅の規定(令119条の表)
 ・両側に居室がある場合と、片側廊下の場合とに分けて適用する。
 ・廊下の用途は、4つ分類して適用し、それうがいのものへの適用はない(例えば事務所)。
  (1)学校における児童用又は生徒用のもの
  (2)病院における患者用のもの
  (3)共同住宅の住戸若しくは住室の床面積の合計が100㎡を超える階における共用のもの
  (4)3室以下の専用のものを除き居室の床面積の合計が200㎡を超える階におけるもの
   ⇒地階にあっては、100㎡を超えるもの

◇避難施設の規定③:適用範囲の建築物への避難階以外の場合の階段までの歩行距離の規定(令120条)
 ・表では、主要構造部が準耐火構造又は不燃材料で造られている場合と、それ以外とに区分けしている。
 ・主要構造部と居室の種類の区分けに基づき、避難する階段までの歩行距離を規定している。
  (1)無窓居室、又は別表第1(い)欄(4)項に掲げる特殊建築物
  (2)別表第1(い)欄(2)項に掲げる特殊建築物
  (3)上記以外の居室
 ・主要構造部が準耐火構造又は不燃材料で造られている場合において、階段・通路を不燃材料で仕上げた場合、表の数値に「10」を加えてもよい。(令120条2項)

◇避難施設の規定④:避難をするための直通階段は「2以上設ける」という(2方向避難)規定(令121条)
 ・2方向避難を必要とする特殊建築物は、令121条1項一号から五号に規定しています。
 ・それ以外の一般建築物は六号に規定し、6階以上の階がイ、5階以下の階をロ、に規定しています。
 ・四号、五号の特殊建築物、六号の5階以下は、対象床面積を超えるものを規制しています(条文参照)。
 ・主要構造部が準耐火構造であるか、又は不燃材料で造られている建築物については、緩和適用がある。
 ・それぞれの規制する床面積を2倍にすることができます。
 ・2方向避難は、毎年のように正答で出題される、重要事項であることにも注意する必要があります。
 ・なお同3項において、歩行経路の重複区間があるときは、歩行距離の数値を1/2に規制している。
 ・余計な話ですが、一級建築士受験を見据えている人は、下記事項にも注意です!出題事例有り!
  ⇒令121条1項三号に該当するものは、原則、同2項の緩和条項の適用がありませんが・・・
   同かっこ書きにおいて、緩和条項があり、居室の床面積の記述があり、緩和条項の適用がある!
   (1)5階以下の階で、該当居室の床面積の合計が100㎡を超えないもので、避難上有効なバルコニー、屋外避難階段(令123条2項)、特別避難階段(同3項)があるもの
   (2)並びに、避難階の直上階・直下階である5階以下の階で100㎡を超えないもの

◇避難施設の規定⓹:2方向避難の小規模建築物への緩和条項(令121条4項)
 ・法27条で適用除外した3階建て以下、延べ面積200㎡未満のものについては、緩和の規定がある。
 ・令112条19項の小規模建築物への緩和と同様の条件において、2方向避難を適用除外としている。

◇避難施設の規定⑥:排煙設備の設置に関する規定(令126条の2)
 ・排煙設備を必要とする建築物は原則4つ(令126条の2第1項)
  (1)別表第1(い)欄(1)項から(4)項の特殊建築物で500㎡超えるもの
  (2)3階建て以上、延べ面積500㎡を超える建築物(高さ31m以下で100㎡毎に防煙壁区画ものを除く)
  (3)無窓居室(令116条の2第1項二号に規定する排煙無窓)
  (4)延べ面積1,000㎡をこえる建築物で、居室の床面積が200㎡を超えるもの
   (高さ31m以下で、100㎡毎に防煙壁で区画されたものを除く)
 ・令116条の2第1項ただし書きで、排煙設備を必要としない建築物の居室を定義している。
  一号:別表第一(い)欄(2)項の特殊建築物のうち、準耐火構造の床若しくは壁又は防火設備で区画された部分で、その床面積が100㎡以内のもの
     (共同住宅の住戸にあっては、200㎡以内のもの)
  二号:学校(認定こども園を除く)、体育館、ボーリング場等、(「学校等」という。)
  三号:階段の部分、昇降機の昇降路の部分(昇降機の乗降ロビー部分を含む。)

◇避難施設の規定⑦:非常用の照明装置の設置に関する規定(令126条の4)
 ・非常用の照明装置を必要とする建築物は原則5つ(令126条の4)
  (1)別表第1(い)欄(1)項から(4)項の特殊建築物の居室
  (2)階数が3以上で、延べ面積が500㎡を超える建築物の居室
  (3)無窓居室(令116条の2第1項一号に該当する採光無窓)
  (4)延べ面積が1,000㎡をこえる建築物の居室
  (5)これらの居室から地上に通ずる階段、廊下等の通路(採光上有効に直接外気に開放された通路を除く)
 ・令116条の4ただし書きで、非常用の照明装置を必要としない建築物を定義している。
  一号:一戸建の住宅又は長屋若しくは共同住宅の住戸。
  二号:病院の病室、下宿の宿泊室又は寄宿舎の寝室、その他これらに類する居室。
  三号:学校等(学校等の定義は、令126条の2第1項二号を参照。)
  四号:避難階又は避難階の直上階若しくは直下階の居室で避難上支障がないもの。 

◇避難施設の規定⑧:安全検証法で確かめられた場合に適用除外される条項がある
 ・階避難安全検証法⇒令129条参照・・・例えば令120条の歩行距離の規定
 ・全館避難安全検証法⇒令129条の2参照・・・例えば令12条の2の排煙設備の設置に関する規定

◇避難施設の規定⑨:非常用の進入口の設置基準と構造(令126条の6、令126条の7)
 ・法令集記載の基準となる数値を確認できるようにする。
 ・過去問からの留意点は、高さ31m以下の3階以上の部分に設置義務が課せられている。

2024年2月27日 by SHRS(シュルズ) 一級建築士、建築基準適合判定資格者

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