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2022(R4)年二級建築士試験問題解説④

2022-10-10 09:06:41 | ビジネス・教育学習
〔No. 9 〕 防火区画、防火壁、間仕切壁に関する誤っている記述を選択する問題です。
正答 5
 1.正しい。法36条、令112条11項ただし書き二号:原則、主要構造部を準耐火構造とした3階建ての建築物(3階部分に居室を有するもの)においては、竪穴区画を必
  要とするが、ただし書き二号において、階数が3以下、延べ面積200㎡以内の住宅(共同住宅の住戸を含む)の場合、適用が除外されている。
 2.正しい。法36条、令112条20項:防火区画を貫通する配管等の防火措置の規定(条文参照)。
 3.正しい。法36条、令112条20項、令114条5項:配電管が防火壁を貫通する場合には、令112条20項の規定を準用するとしている(条文参照)。
 4.正しい。法36条、令112条16項:令112条11項に規定する防火区画を構成する床、壁、防火設備に接する外壁の防火規制に関する規定(条文参照)。
 5.誤り。法36条、令114条2項、令112条4項一号:天井の全部を強化天井(令112条4項一号)とした場合には、間仕切り壁を小屋裏又は天井裏に達せしめる必要はない。
  ただし、自動スプリンクラーを設置した場合を除き、間仕切り壁は、準耐火構造としなければならないことへの注意が必要。
講評:正しい記述で、防火区画(令112条)の規定を列記し、誤っている記述で、防火間仕切りの規定(令114条)を持ってきています。内容的には、過去問でもよく出てきま
 すし、法令集参照ですぐに理解できたと思っています。注意点は、令114条の適用に関して、強化天井の場合は、小屋浦天井裏までの措置を要求しておらず、加えて、 
 自動スプリンクラー設置の場合は、間仕切り壁自体に準耐火構造を要求していないことだと思います。本問では、この部分への追及はないですが、今後の注意事項とし
 ていただければと思います。

〔No.10〕 避難施設等に関するに関する、誤っている記述を選択する問題です。
正答 3
 1.正しい。令117条、令118条:別表第1に掲げる特殊建築物であり、第2節の規定は適用され、設問は正しい(条文参照)。
 2.正しい。令117条、令126条の5第一号ハ:別表第1に掲げる特殊建築物であり、非常用の照明設置規定が適用になる(条文参照)。
 3.誤り。令117条、令120条1項表:特殊建築物ではないが、令116条の2第1項第一号の規定に該当する「窓その他の開口部を有しない居室」を有するので、表(1)に記
  載がある、歩行距離の規定が適用になる。
 4.正しい。令117条、令126条1項:特殊建築物ではないが、令116条の2第1項第一号の規定に該当する「窓その他の開口部を有しない居室」を有するので、屋上広場
  等の規定が適用になる(条文参照)。
 5.正しい。令117条、令119条表:特殊建築物ではないが、令116条の2第1項第一号の規定に該当する「窓その他の開口部を有しない居室」を有するので、原則、令
  119条の規定は適用されるが、床面積が200㎡を超える階への適用であり、設問の住宅は、適用範囲外である(条文の表を参照)。
講評:過去、二級建築士試験で、無窓居室が絡む問題は、正答として出題された記憶がありません。特に難しいわけではありませんが、過去問を演習してきて、割と無視 
 しがちな部分だと思いますので、頭を抱えてしまった受験生も、中にはいたのではないかと思います。でも、落ち着いて考えれば特に難しいわけでもなく、無窓居室
 と判断した場合には、法規制の適用の有無について注意する必要があります。

〔No.11〕 内装の制限に関する誤っている記述を選択する問題です。
正答 3
 1.正しい。法35条の2、別表第1(3)項、令128条の4第1項、同第2項、同3項かっこ書き:中学校は、特殊建築物としても、一般建築物としても、いずれの場合にも、
  内装制限の対象建築物ではない。
 2.正しい。法35条の2、令128条の5第6項、同1項二号イ:内装の制限を受ける調理室等には、準不燃材以上の性能を要求している(条文参照)。
 3.誤り。法35条の2、別表第1(6)項、令128条の4第1項二号:自動車車庫は、用途上、別表第1(6)項に規定する特殊建築物として、面積に関係なく、令128条の4第1項
  二号に規定する内装制限の対象である。
 4.正しい。法35条の2、令128条の5第1項かっこ書き:天井の回り縁、窓台等は、内装制限の対象外である(条文参照)。
 5.正しい。法35条の2、令128条の5第1項:内装制限の対象となる居室の部分は、壁、天井であり、床は対象外である(条文参照)。
講評:内装制限と、制限が適用になった場合の適用部分の仕様を問う問題が列記されています。特に、駐車場が、面積に関係なく内装制限対象であるという肢問は、出題
 率の高い問題ですので、ある意味で、易しかったのではないでしょうか?

2022年10月10日 by shrs(シュルズ) 建築適合判定資格者、一級建築士
コメント
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