「労働(働くこと)」は、生理的、心理的、社会的、経済的、政治的の
5つの次元から見なければならない。
生理的側面から見ると、次のとおりであった。
人は同一作業により心理的にも生理的にも疲労するもの。
また、あらゆる人に共通のスピード、リズムはなく、
指紋の様に個人ごとで異なる。
人のこのような特性を理解しないと、仕事にとってベストな設計でも、
人にとっては最悪の設計になる。
ドラッカーは「仕事は均一に設計しなければならないが、
労働には多様性を持たさなければならない。」とした。
●心理的側面
「人にとって、働くことは重荷であるとともに本性である。
呪いであるとともに祝福である。
それは人格の延長である。自己実現である。」
~P.F.ドラッカー「マネジメント」
労働は、生活の糧として、また社会の一員として否応なく
課せられるものとして見ると重荷である。
しかしドラッカーは、働くことは、人が自分自身を定義し、
価値を測り、人間性を知ることができる手段であるとする。
さらに、
「ユートピアとしての労働のない社会が達成されるとすると、
そのとき、人は人格の危機に直面する。」と続ける。
人は働くことにより、自らの期待や価値を実現し
その人格を確立していくんですね。
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