全身症状(脳卒中,半身不随）

全身症状

脳卒中（半身不随）

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　脳の血管がつまったり、または破れたりして発症する麻痺状態で、からだの左右のどちらかに脳卒中による半身不随がおこります。発症すると手足がだらりとした状態になり、数週間たった後はひきつった状態となります。

　脳血行障害で脳細胞の一部が喪失し、意識がなく運動麻痺をおこしたものすべて脳卒中といいます。脳充血、脳出血、くも膜下出血、脳軟化、脳血栓などであり、患者を安静にして医師の処置を待ちます。落ち着いて看護を受けれる場所に移すことがよいでしょう。

　脳に過激な刺激の及ぶことをさけるため、医師や看護する人の了解を受けて、その範囲内で手足の指から静かに施術していくことがよろしいでしょう。血行が調整され神経の興奮もおさまり回復を早めます。

　手足の末端には１２経絡全ての要穴が集中し、その施術は全身機能の回復につながり、腹部切診は経絡診断と積極的改善となります。

　しびれは、三焦経、握力の弱りは小腸経であり、肝経、胆経は運動機能回復とも関係する経絡です。２、３週間後は運動法もくわえてゆけば、麻痺回復と再発予防にもなるでしょう。

プログラムの実際

１，あおむけ（手先、足先から）

　手のひらからの拇指圧、あるいは足裏からの施術からはじめる。順に、掌圧をもちいることで、腕の心包経、足部、大腿と大きな筋肉の緊張を和らげていく。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

２、手の関節を動かす運動法

　手首をもって腕を伸ばす。痛がらない程度にゆっくりと力を加えていく。前腕、上腕を９０度に保ち、肩関節のストレッチ。そしてちぢこまった指を把握することで、緊張にはたらきかける。

３、腹部施術

　経絡的な歪みを観察すると同時に、問題ある経絡を持続圧する。

４、下肢伸展法

　通常の運動法より心がけなければならないことは、受けての表情をしっかりと確認しながら、痛がらない程度にゆっくりと運動をくわえていく。あせらずに少しづつが基本。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

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女性にあらわれる症状(つわり）

女性にあらわれる症状

つわり

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　妊娠２～４ヶ月頃に生理的な反応として起こる症状です。吐き気、嘔吐、食欲不振や気分がすぐれないなどのケースがほとんどです。また、食べ物の好みがちょっとばかり変化した程度ですむ人もいます。

　受胎のホルモン分泌の変化、胎児発育のための毒素の影響で発症します。個人差もあって肝臓の解毒作用の弱りのためにおこる中毒症状で、血液毒による神経刺激もあり、心因性の歪みもあります。胃中に毒素が排泄されると嘔吐、悪心、食欲不振がおこるというわけです。腎臓の不調にもより便秘も発症しやすくなります。

　経絡療法としては健康的な妊娠が実行できるよう、全身機能の調整を最大の目的とします。症状のでやすい、肝経、胆経、胃経、腎経、大腸経の重点施術はもちろん、妊娠期停滞しがちな諸臓器を積極的に調整していきます。もちろん、注意点として、胎児直上からの強圧は避けなければなりません。

プログラムの実際

１、座位（あぐら及び正座）

　首から肩への把握圧が中心である。特に首の硬結をゆるめることは妊娠期にみられるだるさや気分の不快を解消する。

　その後、背中を掌圧することで経絡的な歪みを確認する。

２，横臥位（よこむき）

　妊娠期はこの横向きの体位が一番負担の少ない体勢である。枕をうまくりようすることで肩への負担を軽減する。首の緊張を拇指圧によってほぐした後、背中、臀部（仙骨周辺）、下肢（足）へ移行していく。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　背中は、肩甲骨下の胃経や、腰部の経絡を重点的にすることで、緊張が直接ほぐれ胃の痛みと重苦しさをやわらげる。

　臀部、仙骨周辺は骨盤矯正でもあり、腎経、大腸経のゆがみがゆるむことによって、次第に骨格も正されていく。自然調整。

　運動不足からの硬結もある下肢（足部）は下肢伸展法によって血行をよくする。

３、あおむけ

　腹部は強圧はさけ、食欲不振があるようならば、みぞおち心経と悸肋下の胃経を調整しておく。足の緊張があるようならば、さらに下肢伸展法をくわえる。

　腕へのアプローチは、経絡のセンにそって圧していく。足と同様に、緊張が強い傾向がある。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　産褥体操、分娩予行の練習プラス施術をくわえることは、相乗効果によって身体機能を整える。よって無痛分娩の一助となるし、陣痛緩和には仙骨周辺が効果的である。

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胸と呼吸器の症状(ぜんそく)

胸と呼吸器の症状

ぜんそく

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

ぜいぜいとあえいでしまうような呼吸状態をぜん息といいます。循環不全、心臓ぜん息は循環障害であり、呼吸器の疾患はアレルギー性であり気管支ぜん息です。発作時はしばらくの間、ぜいぜいとかひゅうひゅうなどと苦しい呼吸のため呼吸困難となり、咳も激しくなりますが、粘りのある痰が吐き出されたあとは楽になったりもします。発作がなければと、発作をしずめる薬を使用しがちですが、やはり根本解決ではないのでその副作用が問題です。

　小児ぜん息はアレルギー体質の他に、心因性のストレスもその要因といえます。親の過保護や愛情不足、そのために学校へあがって集団生活になれだすと自ずと良くなったという報告も聞きます。また、肉や卵、チョコレートなどのアレルギーを助長する食品もあるでしょう。

　成人のぜん息は、美食家に多いようですし、性格的にもなりやすい傾向があります。几帳面であり、他人まかせにできない頑固さであったり、気の使いすぎのようなタイプです。虚弱体質の場合などにも多くみられるようです。

　ぜんそくの発作がおさまっている時は、からだの保温を実施しからだの経穴を刺激することで体質改善をにつとめていきましょう。

プログラムの実際

１，腹部の緊張を和らげる。

　掌圧でお腹の緊張をゆるめたなら、ぜん息の証として出やすい、肺経、膀胱経（自律神経）を集中的に調整する。

２、下肢伸展法（足の運動法）

　緊張は足にも発症しているのが普通である。小腸経や大腸経を拇指圧あるいは、膝圧によってその深部の凝りに働きかける。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

３，首、のど周辺、胸部

　首は、横頚部を把握し、小腸経、予防と体質改善のための肝経、胆経をセンにそって圧していく。のど周辺の経穴は、人迎、天突、中府等を力の入れすぎに注意して圧していく。全身のほぐれた後の患部施術は効果的であり、首、のど、胸部の呼吸器に近い部位は、緊張や息苦しさをやわらげる。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

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腹と消化器系の症状（胸焼け）

腹と消化器系の症状

胸やけ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　症状としては、みぞおちから胸にかけて胃がもたれ不快感のあることです。俗に胃弱といわれる人に多く普段から胃の調子が悪いようです。

　具体的には里芋、ふかし芋、餅のような澱粉をたくさん含んだもの、こってりしたものや、あくの強い油分の多いものを食べすぎると逆流した胃酸が食道下端を刺激して、焼けるような感覚を発症させます。胃壁は胃酸に強い性質にありますが、食道は他の組織と同じで、酸性には弱くなっているのです。

　予防方法は、ものをよく噛んでたべること。こうすることでアルカリ性の唾液が食物と良く混じり、胃酸過多を中和します。また、カルシウムも酸を中和するのでそれをたくさん含む食品をとることもいいでしょう。偏った食事ではなく、いろいろな食品をとることも好ましく、日本食は正しくとるならばそのような取り合わせになるはずです。適度な運動ももちろん必要不可欠でしょう。

プログラムの実際

１，腹部施術

　炎症を起こし、高度の緊張状態にある腹部を掌によって撫でたり、圧をくわえることでゆるめる。左右の季肋下やお臍周辺の脾経、そして下腹部、大腸経や小腸経を重点的に圧していく。消化不良に作用し、食べたものが上手くからだに吸収されるようになる。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

２、背中全般

　背中の緊張を和らげるために、背骨傍線を肘圧していく。膀胱経を整えることは、自律神経を正常化し、肩甲骨下角の胆経や胃経を正すことは、胃腸の働きをよくする。

３、あおむけ

　再び、腹部を施術して経絡的なゆがみを取り去った後、足部と腕部の施術へと移行する。

　足は、下肢伸展法を実施し、特に外側の胃経をセンにそって圧していく。胃のもたれと重苦しさを緩和してくれる。

　上腕、前腕は、心包経を肘圧によって充分にゆるめた後、親指側の脾経、肺経、大腸経を丹念に圧していく。胃の不快な症状をやわらげる。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

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