蓼食う虫ブログ

ギイを病院に例えると?

 「タクミくんシリーズ」(ごとうしのぶ・著 角川ルビー文庫)で、主人公の葉山託生は、高校二年生の初頭まで、「人間接触嫌悪症」の患者であった。二年生になり、ギイと生活を共にし、恋人同士となることで、病気の症状(というか条件反射)が治まるようになった。(「そして春風にささやいて」)三年生の初め、ギイと別室になっただけでなく、別れを突きつけられたような気持ちになったとき、再発の危機が託生君を襲ったが、何とか難を逃れた。(「美貌のディテイル」)それ以降は(夏休み等を除き)人目を忍んでの交際を楽しんでいる。
 ここで、託生の、ギイは「殆ど精神安定剤」(「June Pride -6月の自尊心-」)という発言から連想して、ギイを託生君にとっての病院に例えてみると、託生君はその病院に二年生では入院、三年生では通院しているようなものだといえる。以前(3月9日)、ボーイズ・ラブ作品の結末の一般的な倫理から考えて、シリーズの結末を二人の幸福な別れであると予想した(あるいは願望を書いた)が、託生君の自立という観点から考えても二人は一旦離れ離れになることが望ましいのだと思う。要するに退院するということだ。
欲を言えば自立を達成した後、再会したエピソードも読んではみたいのだがいつになることやら。
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