ハッピーバースディー

♪ハッピーバースディー　♪また、あのメロディが・・・

「え？うそ、またTさんとこで・・」と思ったお母さん。

あの忌まわしいハッピバースディのメロディが、流れてきた。

過去、何回か”ハッピーバースディ”が流れた部屋の人は、

みんな亡くなっているそうだ。

今日、お母さんがいたTさんの部屋では3回目みたい。

みんな、持っているお誕生カードだけど、

かなり前のものだし、押さないとメロディが流れない。

ハッピーバ-スディが流れるのは、特定の部屋の人だけみたい。

確か、4階でも誰かの部屋から聞こえてくるとか。

明るいメロディのはずなんだけど、

お誕生日カードから流れるメロディは不気味なかんじがするみたい。

なんか不思議な話だね。ぼく・ミッキーなら謎を解けるかな？

雪の浅間山

夜が明ける。

空が白々と明るくなってくる。

お天気のいい時には、周りの山々がよーく見える。

お泊りの仕事の時のお母さんの楽しみの1つが、

朝陽をあびた浅間を見ること。

この日の浅間は、ピンクに染まった美しいものだったみたい。

少し、右の方角に男体山も見えている。

男体山は、冬でも白く見えないと、お母さんが言っていた。

スジのように白い物が見える、まるでミカンの房みたいだって。

食いしん坊のお母さんは、お山を見ても食べ物が浮かんでくる。

お腹が空いている朝方などは、

浅間山が、生クリームたっぷりのケーキに見える。

この日の浅間山は、ピンク色のあまーいケーキかしら？

あたし・ミニーのことを食いしん坊だって言うけど、

お母さんもかなりのものだね。

台湾式マッサージ

「どこが一番気になりますか」と聞かれて、

「腕と肩と腰、お願いします」と言ったお母さん。

それじゃ、全部じゃないの？

昨日のこと、台湾式マッサージのお店でのお話だよ。

マッサージしてくれたお姉さんも大変だってと思うよ。

普通のお客さんならば、「腰が痛くてね」とか

「肩が痛いの」ぐらいだと、ぼく・ミッキーは思う。

それが、お母さんときたら腕と肩と腰だものね。

マッサージが終わって、背中が軽くなったお母さん。

「かなり、お疲れでした」とお姉さんに言われて、

「そうなんですよ」と嬉しそうだったみたい。

でも、それって変な話だね。

きつねの嫁入り

お日さまがうっすらと出ている。

時折、雲の間から陽がさしてくる。

そんな不思議な雨降りの日のこと。

お出かけしていたお母さんは、雨が降っているのに、

お日さまの光がこぼれてくるのに気がついた。

「変なの？」

「これが、きつねの嫁入りかしら？」

ぼく・ミッキーは知らないけど、そういうのがあるらしい。

昔からあるみたいだね。

お母さんもおばあちゃんから聞いたそうだから。

雨がふると、ぼくはつまらないんだ。

お外に面白そうなことがあっても、

見に行っちゃダメって、おばあちゃんに言われるから。

お花さんたちは、雨が降るとうれしそう。

ニコニコして、お空を見上げてるものね。

だけど、妹のミニーも雨が好きじゃないみたいだよ。

あたし、かわいい？

いいお天気だね。

風が少し冷たいけど、いい匂いがする。

どこかで咲いている花の香りかしら？

こんな日は、お外で日向ぼっこが一番。

お兄ちゃんも珍しくお外で日向ぼっこしている。

そう、そう、あたし・ミニーは美容室に行ってきたの。

髪の毛をカットしてもらって、身体も洗ってもらった。

一人で行かなくちゃならないのが、少し淋しいけどね。

お兄ちゃんと一緒ならいいな、っていつも思うの。

でも、カットしてくれるお姉さんは好きだから、

一人でもガマンできる。

かわいいリボンもお耳に付けてもらえるし、

みんなに”かわいいね”って言ってもらえて嬉しいな。

え？リボンがかわいいって？

あたしもリボンもかわいいでしょ？

いわなの骨酒

あるサービスエリアで、珍しいものを見つけたお母さん。

それには、”お父さんへのプレゼント”と書いてある。

なんと、いわなの骨酒用の魚の真空パックなの。

今度、お友達のところに行く時に持っていってあげようと、

2つも買ってしまったお母さん。

あたし・ミニーも思うけど、お母さんってアルチュウハイマーなんだから、

お酒のこととなると、見境がつかないんだから困ったものだね。

前に、上高地に行った時に岩魚の骨酒を飲んだことがあって、

その時の強烈な感覚が忘れられないのかもしれないね。

確か、その時は疲れていたのだけど、

骨酒飲んで元気になったお母さんは、3時間もご機嫌に歩いていたよう。

のん兵衛って、困ったものね。

あたしは、小さいときにお母さんのお酒を飲んで以来、

お酒は飲んでないけど。その時、眠くなって寝ちゃった。

あたしには、お酒があわないみたい。

あ～、血が・・・・

ドスンという音。

「誰か、助けて～」と弱弱しい声。

お母さんが、トイレから出た時に何か異変が起きた。

その音と声は、トイレの斜向かいから聞こえるようだ。

お母さんは、あわててお部屋に飛び込む。

そのお部屋でお母さんが見たものは、倒れている人だった。

よく見ると、血が出ている。

「早く、起こして」「早く、起こして」と

血を流しながら言っている。

お母さんは、一人ではどうにも出来ないと判断し、

看護士さんを電話で呼んだ。

みんなが来てくれて、ようやくベットに移すことが出来たとか。

頭とか打っていると、動かすのは良くないから、

お母さんも慎重になっていたみたい。

よく見てみると、目の横の所が切れている。

倒れていた所が、血の水溜り？みたいだったから、

お母さんは大慌て。

「血が出ています。鼻血です」と言ってしまった。

救急車の人は来てくれた時には、ほっとしたお母さん。

入園者の行動には注意しなくちゃ、と改めて思ったとか。

救急車の人の手際の良さにも関心したようだ。

さすが、プロは違うととね。

お母さんも一応プロなんだから、しっかりしなくちゃね。

ぼく・ミッキーも頼りにしてるよ。

竹炭作り体験

みんな、竹炭って知ってる？

普通の炭は、木で作るけど、竹炭は竹で作る。

ぼく・ミッキーだけど、詳しいでしょ？

お母さんから聞いた話だけど、竹炭も作るのは大変らしい。

お父さんと一緒に、農業が体験できる会に出かけたお母さん。

今回は竹炭つくりとナメコの菌打ち。

そこで、お母さんはえらい目にあったらしい。

竹炭を作るには、竹を割って、内側の節のところを削る。

きれいにした竹を窯の中に入れる。

竹を割るのも、節を削るのも大変な作業だったみたい。

お母さんは主に、節を削っていたのだけど、

手が痛くなってしまったみたい。

重いものを移動するのは、ある程度できるお母さんだけど、

鉈で節を削るのは神経使うし、すごーく疲れたようだ。

お昼に五平餅を食べてから、お母さん復活。

みんなで焼いた五平餅は思いのほか、美味しかったみたい。

あまごの塩焼きもあったんだって。シーズの子が来ていて、

その子はお魚をもらって食べていたとか。

ぼくもお魚を食べたかったな。

おウチに帰れない・・・

朝、お母さんが目覚めた時には、もう始まっていた。

外で、なにやら人の話し声と重機が動くような音がする。

その時には、お母さんもそれほど気にしなかった。

パソコン教室に行く為に、外に出たお母さんが見たもの、

それは、道を占領している大きなクルマ。

何かを吊り上げる機械が乗っているみたい。

仕方なく、お母さんは逆方向から行くことにしたみたい。

大きな道に出るまでに、また通せんぼ。

まあ、ここは係員の人がいて道を開けてくれる。

行きはよいよい、帰りは怖いって感じだね。

帰りは、すご＾く大変だったみたいだよ。

おウチの側の重機みたいなのは、まだ居るから大回り。

水道工事で封鎖の道を避けて、川沿いに道を通る。

この季節は、あちこち工事だらけだね。

工事中のために、あたしミニーはおクルマに乗れないし・・・

お買い物に行こうと、お母さんを待ってたのにね。

大好物なの

あちこちお店を回って、ようやく見つけた。

ほっと安心なお母さん。

話がよく見えないって？そうか、言ってなかったね。

ぼく・ミッキーだけど、お母さんはチョコレートを探していた。

お母さんが食べるのじゃなくて、おばあちゃんへのお土産みたい。

おばあちゃんが好きなのは、チョコの中にウィスキーが入ったもの。

そう、ウィスキーボンボンなの。

バレンタインだったので、普通のチョコが売ってなくて、

15日にチョコ売り場めぐりをしていたお母さん。

モロゾフになくて、メリーで箱入りを発見。とりあえず、お買い上げ。

ついに、ゴンチャロフのお店で袋入りのウィスキーボンボンが・・・・

足を棒のようにして、探し回った甲斐があったというもの。

すご＾く嬉しかったお母さんでした。

え？ぼく？チョコは身体に良くないみたいだよ。