明幸園に渋柿の木を買いに出た水曜日、昼食を神出のカレー屋さんでとりました。窓の外は広場で、目の高さのところに小馬がいます。毛が長く、おとなしくて、どこか淋しげな雰囲気をまとっています。お店の若い女性が、問わず語りに小馬のことを話してくれました。
元は阪神間のあるお家の庭で飼われていました。でも飼い主が「もっと広いところに住ませよう」とこのカレー屋さんの庭に託しました。年齢は14歳。飼い主は週に一度会いに来るそうです。
飼い主が来るとこの小馬はうれしそうに尻尾を振り、すり寄ります。「犬みたい」とお店の方は話していました。ぼくは外に出て写真を撮り、しばらく小馬をそばで見ていました。
家に帰って調べてみると、この毛の長い小馬は「シェトランド・ポニー」という種で、イギリスの北の亜寒帯の島に住んでいます。ポニーの中でも体は小さいほうで、力持ちで、大人しい性格です。寿命は30年くらい。人間になじみやすく、アメリカでは盲導犬のように「盲導馬」として訓練しているシェトランド・ポニーもいるとか。
動物園に行くといろんな動物がいて、その場その場で人間のこころを通り過ぎていきます。でもあんな表情で一頭だけポツンといると、なんかなあ。思いが残ります。