ナイロビBOPビジネス日記

人生の終盤近くに始めたアフリカ未電化地域での新規事業 アフリカの大地で旋風を巻き起こすため未舗装道路を走り回る毎日

PETボトルの燃料化

2016-06-02 | 日記
使用済みPETボトルは日本では8割以上がリサイクルされているようだが、ケニアではゴミとして捨てられ処分場に投棄される。飲み終わったあとのポイ捨ても多い。これが道端のあちこちにころがっている光景を見るのは寂しいものだ。ナイロビでは排水溝に流れ込んで流路を塞ぐため、大雨のあとは水があふれて道路が水浸しとなることもある。美観を損ねる以上の深刻な被害である。ケニアの大きな町ではどこでも飲料水はPETボトルに入ったものを買うのが普通だし、ソフトドリンクも大量に消費される。このため、PETボトルの消費量は急速に増えているはずだ。廃棄されたPETボトルによる公害はこれからますます深刻化するはずである。

このPETボトルを燃料としてリサイクルすることはケニアにとってゴミ処理費用の削減、新しい代替燃料としての利用などいろいろなメリットがあるだろう。PETの化学的成分は燃料として適しているようだし、燃焼時にダイオキシンなどの有害物質が発生することはなさそうだ。しかし、実際にPETボトルをたき火の中に投げ込んでも簡単には燃えない。特有のにおいを発して縮んで炭化してしまうことが多い。もっと燃えやすくする技術が必要だ。

いろいろ調べた結果、我が国ではプラスチック廃材と古紙、木材などを利用した燃料の生産が行われているようである。(→RPF: Refuse Plastic Fuel) このRPFは廃プラスチックを破砕し、古紙などの破片と混合して加熱しペレット状に成形するというプロセスで生産されていて、製紙工場、製鉄所などで燃料として使われているようだ。ただし、ゴミからプラスチックを回収して原料としているのではなく、工場の生産プロセスで発生するプラスチック廃材など素性の確かな原料しか使わないようである。(下の写真は日本RPF工業会HPから)


このRPFの技術をケニアに導入できないだろうか? 廃棄されたPETボトルを集めてRPFを作り、燃料として利用してくれる工場を確保すればひとつのBOPビジネスとなるだろう。PETボトルを回収してくれた人にわずかだが報酬を支払うこともできそうだ。ナイロビなどの大都会であれば工場も多いからこれでよいのだが、地方部では工場が少ないのでRPFによる家庭用の燃料を作ることができれば需要もあるだろうし、同時に薪の消費量が減る。問題は産業用ボイラなどでは燃焼室の温度が高いのでRPFを投入した場合によく燃えるわけだが、家庭用のコンロではそういった高温状態になるわけではない。チョロチョロと燃える薪の代わりに使えるRPFを作らなければならない。うまく燃やす方法を発見するため、いろいろ試作して実験してみたい。千里の道も一歩から




最新の画像もっと見る

コメントを投稿