オトと話す

2021-12-01 22:37:20 | 日記
晩御飯を食べていて普通に他愛も無い会話をしていたはずなのに…

急にいじめの話になりました。


「ママ、ママはどう思う?
学校や職場でいじめをされている人が居て、もしもママがそこに居合わせていたとしたらどうしてる?」

「それは、ママも学校に通っている子どもという仮定かな?」

「うん。学校なら子ども。職場なら大人としての仮定。」



私は、もしも私が子どもだったとして…を考えました。

実際私は、小学校の頃は怖いもの知らずで、正義感でいっぱいの子どもでした。
いじめられている子がいれば、助けたりしたこともあったように思います。

ただ、

今の子どもたちのいじめは、30年前のいじめと違うということを考えると、次のタイムスリップは高校生位になりました。

その頃になると、私は慣れない高校生活、新しい友達とは本当の友達ではない感じ、違和感でいっぱいの頃でした。

表面上は仲良くグループにはなっているけれども、誰として安心して私の友達だと思えていませんでした。

「はい、2人組になってください」と、ひとたび先生が言えば、『誰が私を選んでくれるだろうか。選んでくれなかった時の保険に誰を選んでおこうか。』そんなことばかり考えていました。
そんな不安定な中でいじめられている子の力にはきっとなれない、自分がターゲットになったら大変という気持ちでいっぱいだったと思います。

「例えばさ、その子のありもしない噂を誰かが流すやん。それ信じる?」


信じてしまっていたかもしれません。
噂を話してくれる行為が、『特別感』を与えてくれた時、例えば「ここだけの話…」とか「内緒なんだけど…」とか、『私に話てくれる秘密』のようで同調していたかもしれません。




「この場合、1番の加害者ってママは誰だと思う?」




ずっと、試されている私。
大人の私なら、誰が1番良くないか分かる。

でも高校生の
あの時の私ならきっと…

「ママが子どもだとして、その時1番悪いのは噂を流した子だと思う。
誰かと誰かをもめさせようとして、噂を流す。それがよくないと思ってたと思う。




少し考え込んでからオトは

「私はママと違う考え。
噂に同調した人が1番の加害者やと思う。」




オトの
人が怖い・学校が怖いと言った1番の原因は
ありもしない噂に勝手に同調して自分を無視していく周りの同級生達だったという事を教えてくれました。


誰も信用出来ない。
誰にも頼れない、ひとりぼっちのトラウマ。

「どれだけ辛い思いをしてきたの オト…」
思わず声に出してしまいました。


「そんなに辛いことを今は話せるようになったんだね。
言ってくれてありがとう。

そう伝えると、
「ほんまやな」
と、目をクリっとさせて少し笑ってくれました。


それから、誰にいじめられていたかをまた話してくれて…

同じマンションの子

「あの子 ちょっと変わった。目付きが冷たくなった気がする。」
とオトが言いました。
「最近見かけたの?」と聞くと
「うん。でもさ、あの子の取り巻きは結局噂好きで、新たな噂を入手する為に集まってお互いを利用してるだけ。」
と、分析するオト。

今まで話に上がらなかった子の話もしてくれました。

「〇〇ちゃん。
色んな子の取り巻きになってさ、あっちに付いたりこっちに付いたりで、結局は私のことも誰かに同調していじめてきたわ。

ああいう女子は 悪口で仲間意識をつくることで仲良くなってるねん。
人と仲良くなるきっかけは、誰かの悪口やねんな。
そういうの男子の方がよく見てる。
男子には嫌われるタイプやわ。」

その〇〇ちゃん、私もその子が小さな時からよく知っている子でした。

いつもブランドの服を着せてもらい髪型も凝っていました。
でも、〇〇ちゃんはいつも寂しそうで、寂しさを紛らわすように人のおもちゃを取ったりしていました。


「〇〇ちゃんのママ、子どもを自分のアクセサリーのように扱ってたんかな。
可愛い服を着せて、自分の思うように操作して。」

ドキッとしました。




「…ん、ママのことかな?ママもそんな所あったかもしれない。

ママはさ、オトが小さな頃、幼稚園のお仕事をしてて

集団生活で集団で行動することをさせてたから…

家でもオトを個人の親としてじゃなく、
集団を動かす先生のような関わり方をしてしまっててん。

そうやってオトを操っていたかもしれない。

ごめんね。」


そう伝えました。


私は、先生としてのスキルをオトに使っていたんです。
だから、誰かと競走したり
誰かを褒めて比較したり
そうやってすることは教育現場には溢れていましたから。

「だから、私は優等生みたいにしないといけないってなってしまったんやね。」
と、オトが言いました。



最近思うんです。

オトは本当に辛かったんだと。

わかっていたつもりが、どこかわかっていなくて、

親としてできることは何だろうって必死に考えていた不登校初期。
その時は、オトの気持ちを考えることよりも親としての自分のことを考えてしまっていたのかもしれません。

今はオトの気持ちを考えて、想像すると胸が苦しくなります。

かといって、オトを苦しめてきたような人達はこれからもずっと現れ続けるでしょう。

どうしたらいいのか。


動けない気持ちもわかるような気がします。


今、家でゆっくり過ごすことは
やはりオトにとって必要な選択だったんだな。