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KAWORUの山日記~今日も雲の上!

百名山や日本アルプスの旅の記録

木星とガリレオ衛星

2000-04-01 00:00:00 | 星空の案内

太陽系最大のガス惑星「木星」。この木星には16個の衛星がありますが、中でも特に大きな4個の衛星は大きめの双眼鏡で簡単に見つけることができます。これらはガリレオが最初に発見したのでガリレオ衛星とも呼ばれています。当時は、太陽さえも地球を中心に回っていると考えられていた「天動説」の時代でしたから、地球以外の星を回る天体があるというのは大発見でした。ガリレオは木星の衛星を観察することで、惑星が太陽のまわりを回る太陽系の姿をイメージし、「地動説」を確信したといわれています。


人工衛星はなぜ飛ぶ?

2000-04-01 00:00:00 | 星空の案内

◆あなたの投げたボールが太平洋をこえて、アメリカまで飛んで行ったとしたらどうでしょうか。実際にはとても無理な話ですが、さらに速く投げるとボールは地球を一周してあなたの所に戻ってきます。さらにもっと速く投げると、そのボールは地上に落ちることなく永久に地球のまわり(軌道)を回り続けることになります。これであなたのボールは人工衛星になりました。その時、あなたの投げたボールの速度は、空気抵抗を無視すると秒速約8㎞(時速約2万8千㎞)にもなります。これを第1宇宙速度と呼びます。

◆衛星がさらに速度を上げて秒速約11㎞をこえると、地球の引力をふりきって太陽のまわりを回るようになりますが、この速度が第2宇宙速度(地球脱出速度)です。火星探査機のように惑星に行くには、これ以上の速度が必要です。第1宇宙速度と第2宇宙速度の間で打ち上げると衛星は楕円軌道を回ります。アポロ宇宙船は地球の楕円軌道に乗って月まで行ったので、これも人工衛星の一つといえそうです。

◆衛星が地球のまわりを回り続ける速度は、地上からの高さによって違います。速ければ遠心力で宇宙の彼方に飛んで行ってしまうし、遅ければ地球の引力に引っぱられて落ちてしまいます。ですから上空では宇宙に飛ばされないように遅く、低空では落ちないように速く飛ぶことが必要です。地上38万㎞では衛星の周期は27日と非常にゆっくりになりますが、実は地球の衛星「月」がこの高さにあります。また、地球の自転と同じ周期の円軌道で飛ぶと地上からは静止して見えます。これは静止衛星といって私たちにおなじみの気象衛星ひまわり、BS放送衛星ゆり、CS通信衛星スーパーバードなどがあります。

◆衛星が「静止」して見える速度も、地上からの高さによって違います。上空の衛星は遅いと地球の自転に追いつかないし、低空の衛星は速いと自転を追いこしてしまいます。赤道上空3万6千㎞に打ち上げられた衛星は「衛星として地球を回り続ける速度」と「地上から静止して見える速度」の両方が秒速約3㎞で一致するので「静止衛星」となります。この赤道上空3万6千㎞の円軌道を静止軌道といいます。この軌道の衛星は全体の1割程度(日本の衛星では半分)しかありません。故障したり使い終わった衛星は宇宙のゴミになって地球のまわりを回りつづけ、やがて大気圏に突入して燃えつきてしまいます。


全天一の輝星「シリウス」

2000-04-01 00:00:00 | 星空の案内

皆さんが目にするシリウスの光は、この星を出発してから9年間も宇宙を旅して、ようやく私たちの目に届いたものです。この光がシリウスを出発した9年前、あなたは何をしていましたか?夜空を見上げると、何千年、何万年前にその星を旅立ち、長い道のりを歩んできた光もとらえることができます。宇宙に浮かぶハッブル宇宙望遠鏡は宇宙が誕生した直後、つまり100億光年以上も彼方の光をとらえることができます。


彗星を見よう!

2000-04-01 00:00:00 | 星空の案内

彗星の正体
彗星は太陽系の彼方から太陽に近づき、そしてまた太陽系の彼方へ帰っていく星で、その正体は数十キロの大きさの「汚れた氷のかたまり」です。そのかたまりが太陽に近づくと表面がとけはじめ蒸発したガス(イオンテール)やチリ(ダストテール)が吹き飛ばされて尾ができるのです。

彗星の故郷
再び同じ彗星を見るには数十年から数万年かかるといわれていますが、ハレー彗星(周期76年)など周期の短いものを短周期彗星、周期が200年以上のものを長周期彗星と呼びます。ヘール・ボップ彗星は長周期彗星の仲間で、太陽から約560億㎞(太陽~冥王星の10倍の距離)のところからやってきました。このような彗星の故郷は「オールトの雲」と呼ばれ、太陽系をぐるっと取り囲んでいると考えられています。約46億年前、太陽系が誕生したころに惑星になれずに取り残された物質が太陽系の果てにたくさん散在していますが、それらのうち何かのはずみで太陽の引力に引き寄せられて太陽の周りを回るようになったものが彗星です。

ヘール・ボップ彗星の発見からの歩み
95年7月23日、アメリカ人のアラン・ヘールとトーマス・ボップによって発見。絶対等級では人類の目撃史上1~2位の大型彗星。発見時の地球からの距離が約7天文単位(約10.5億km、木星軌道の外)と遠いのに見かけの明るさが11等級もあり、これはハレー彗星の百倍の明るさになる。直径は20~40㎞。速さは発見時で秒速16㎞、地球や太陽に接近した時で秒速44㎞。地球との距離は最接近の97年3月22日に1億9700万㎞、太陽との距離は4月1日に1億3700億㎞まで近づきました。


双眼鏡で星を見る

2000-04-01 00:00:00 | 星空の案内

◆星を見るというと思いつくのは望遠鏡です。ところが望遠鏡は上下逆さまの倒立像で、しかも数十倍~数百倍という高倍率なので月でさえ視野に入れるのが大変です。そのうえ地球の自転による日周運動のために、数分で視野から外れてしまいます。高価な望遠鏡を買っても操作が面倒なので見る気をなくし、物置にしまいこんでしまう人が多いのはこのためです。一方、双眼鏡は倍率こそ低いものの、小さくて軽い、安価、操作が簡単、正立像で見える、両眼が使える、架台がいらないなどの利点があります。

◆では双眼鏡でどんな天体を見ることができるのでしょう。月のクレーター、金星の満ち欠け、木星と四大衛星、明るい銀河(アンドロメダ銀河など)、明るい星雲星団(オリオン大星雲、すばるなど)、彗星、流星、二重星、人工衛星・・・。残念ながら土星のリングを見るには力不足ですが、意外とたくさんの天体が見えることがわかります。百武彗星の発見者、百武さんをはじめ多くの彗星観測者は大型の双眼鏡で夜空を探索しているそうですから、双眼鏡も使い方しだいでは望遠鏡以上の性能を発揮できます。

◆双眼鏡には「7×50」とか「10×42」と表示されています。例えば7×50の意味はレンズの口径が50㎜、倍率が7倍ということで、一般に「5センチ7倍の双眼鏡」と呼ばれます。また、「7°」というのは、この双眼鏡でのぞいて見える範囲(実視界)が角度にして7度ということです。見かけ視界というのは双眼鏡をのぞいて見える角度です。これは実視界に倍率をかけたもので、実視界7度、倍率7倍なら49度となります。標準的な見かけ視界は50度前後で、65度以上を広角タイプと呼びます。

◆口径が大きくなるにつれ集光力が増してかすかな微光星を見えはじめ、そのうえ分解能(接近した2点を見分ける能力)もあがります。肉眼では6等星までしか見えませんが、口径50㎜の双眼鏡なら10等星まで見え、肉眼のなんと50倍もの数の星を見ることができます。つまり双眼鏡の能力は、倍率ではなくレンズの口径だけで決まります。20倍とか30倍といったぐあいに倍率を高くしても、見える像は暗くなり、しかも倍率が高いほど手ブレが増幅されるので使いづらいだけです。

◆双眼鏡は種類が多く選択に迷いますが、一般的に星を見るには口径は30㎜~50㎜、倍率は6倍~10倍程度が使いやすいでしょう。さらに、しっかりしたカメラ三脚などに双眼鏡を固定して観察すれば、星を見るのがずいぶん楽になります。倍率のやたら高いもの、倍率がズーム式のもの、実視界の狭いものは避けてください。また、眼鏡をかけている方は「ハイアイポイント仕様」の方が使いやすいでしょう。少々高くても良い双眼鏡なら一生使えます。もし、あなたが星を見るのに飽きても、スポーツ観戦、観劇、バードウオッチング、マリンスポーツなどいくらでも使い道はありますから。


双眼鏡で見る星雲星団

2000-04-01 00:00:00 | 星空の案内

◆双眼鏡を使うと、皆さんになじみのあるほとんどの星雲や星団を見ることができます。「散開星団」はおもに天の川の中にあり、地球から数光年から数十光年の範囲に、数十個から数百個の星がまばらに集まっています。「球状星団」は銀河中心のまわりに球状に広がり、地球から数十光年から数百光年の範囲に、数万個から数百万個の星がぎっしりと密集しており、年齢は百億歳以上と古い。「星雲」はガス状の天体が光輝くもので、星の誕生や死と関連があります。「銀河(小宇宙)」は私たちの銀河系の外にある天体で、銀河系と同じように数千億個の恒星の集まりです。

◆星雲星団のカタログとしてフランスの天文学者メシエがまとめた「メシエカタログ」が有名です。これは彗星探索の際に彗星と間違えやすい天体をリストアップしたものです。このカタログには球状星団が29個、散開星団が27個、散光星雲が7個、惑星状星雲が4個、系外銀河が35個など合計110個がリストアップされています。このカタログに記載された天体はメシエ天体と呼ばれ、アンドロメダ銀河はM31、オリオン大星雲はM42というように表されます。このほかにハーシェルやドライヤーのまとめたNGCカタログやICカタログというのもあります。


誰でも撮れる星座の記念写真(固定撮影法)

2000-04-01 00:00:00 | 星空の案内

子供の頃に始めて見つけたオリオン座、南半球の国で見つけた憧れの南十字星、キャンプの夜みんなでさがした夏の大三角・・・。人それぞれ心に残る星座の1つや2つはあるでしょう。夜空にきらめく無数の星々、その美しさに感動した人なら誰でもその姿を写真に残しておきたいと思うものです。しかし、写真を撮り慣れた人でも、自分の持っているカメラで星の写真など撮れるはずがないと思ってしまうものです。写真集で見るような本格的な天体写真は無理ですが、星座の写真なら意外と簡単に撮れます。

1、星を写す

まず、星の動き方を簡単に説明しておきましょう。地球が北極と南極を結んだ地軸を中心に自転していることは皆さんご存じですね。私たちが地球上から見ると、夜空の星は北の空の北極星付近を中心に1日で1回、東から西へとぐるっとまわって見えます。ですから北極星の近くの星は何時間見ていてもあまり大きく動きませんが、北極星から90度離れた位置の星は大きく動きます。星は昼間の風景と違って大変暗くて小さいものですから、写真に写すには長い時間シャッターを開けっぱなしにする必要があります。しかし、あまりにその時間が長いと、星の動きが線(軌跡)になって写ってしまいます。星を点として写せる時間は、その星が空のどこにあるかによってずいぶんと違ってきます。北極星に近い北斗七星やカシオペア座などは1分近くもシャッターを開けておけますが、南の空のオリオン座などは10秒~20秒という短い時間しかシャッターを開けておけません。

2、フィルムとレンズは?

では、この短い時間でどうしたら星を写せるでしょうか。まず、感度の高いのフィルムを使うことです。カラーネガフィルムで一番感度の高いものはISO3200(コニカ)ですが、オリオン座のような明るい星座はISO800でも十分です。次に、レンズはできるだけ明るいものを使います。50㎜の標準レンズはF1.4からF1.8の明るさがありますし、かなりの星座は標準レンズにおさまります。ズームレンズや暗いレンズは星がきれいに写りませんので、できるだけ避けて下さい。

3、カメラは?

カメラには一眼レフカメラ、コンパクトカメラ、使い捨てカメラ、中判カメラなど色々ありますが、天体写真で使いやすいのは一眼レフカメラです。そして一番大切なのはバルブ機能(シャッターを開けっ放しにする機能)の付いていることです。
※バルブ機能がなくてもシャッタースピードが30秒まで設定できるなら写せます。

4、どこで写す?

残念ながら市内、特に沿岸部からバイパスあたりまでは街明かりが夜空を照らしているので、明るい空の中に星が埋没してしまいます。ちょっと足を延ばして市北部まで行くと驚くほどきれいな写真が撮れます。そして、できるだけ街灯やネオンサイン、電光の看板などが眼に入らない場所をさがしてください。街明かりと同様に月明かりも撮影の大敵です。新聞の文字が読めるような場合はあきらめて下さい。一般に夕方よりも夜半から朝方にかけてのほうが空気が澄んで、街の明かりも少ないので条件は良くなります。しかし、どうしても街明かりが避けられないときはCCフィルターや、少し高価ですが光害カットフィルター(ケンコーHFなど)があります。


星座撮影の実際

2000-04-01 00:00:00 | 星空の案内

1、用意するもの

一眼レフカメラ、レンズ、三脚、高感度フィルム、ケーブルレリーズ、懐中電灯、時計、レンズフード、星座早見盤(または星図)

2、事前の準備

星座早見盤などで、写したい星座の見える時間と方位を調べておきます。地上風景を前景に入れる場合は、明るいうちに撮影場所の下見が必要です。

3、撮影の手順

  (1)三脚にカメラを固定して、ケーブルレリーズを取りつける。
  (2) カメラのファインダーに目標の星座をとらえる。
       目標の星座が暗いときは、周囲の明るい星の位置を目安にする。
  (3) 絞り値とシャッタースピードを設定する。シャッタースピードはバルブを選択。
        レンズは絞りを1段しぼると画質が良くなる。
  (4) オートフォーカスの場合はマニュアルフオーカスに切り換える。
       距離を無限遠にあわせる。
  (5) ケーブルレリーズで所定の時間だけシャッターをあける。

4、本格的に写すならガイド撮影、ソフト系フィルター

本格的に星座の写真を写すのなら、望遠鏡を据えつける赤道儀を使います。これを使うと星の動きに合わせて自動的にカメラが動くので、かなり長時間シャッターを開けておいても星は線になりません。天体写真専用のポータブル赤道儀も販売されています。また、天体雑誌などの星座写真ではソフト系フィルターがよく使われています。これを使うと明るい星がにじんで星座の形がハッキリしますし、星本来の色が美しく出ます。

5、写し終わったら

フィルムはよく「なまもの」だといわれます。写し終わったらフィルムは1日も早く現像に出してください。フィルムを現像に出すときには、念のため天体写真であることを告げて下さい。天体写真は大変暗いので、何も写っていないものと勘違いしてプリントされないことがあります。また、撮影データは必ず記録しておいてください。

6、おすすめ星見スポット

市内では、権現池周辺の自転車道や駐車場が安全で条件が良いでしょう。市北部の田んぼなども適当ですが、所有者の承諾をとって下さい。加西市まで足を延ばせば古法華キャンプ場周辺など、空の条件の良い場所が見つかるかと思います。市外では西はりま天文台公園(佐用町)、峰山高原(大河内町)、生野高原などが空の条件が良いでしょう。特に西はりま天文台公園は市内からは車で1時間あまり、中国道を下りて15分ほどの距離にある標高400mの山上にあり、日曜日の夜間は観望会をも行われているのでおすすめです。

県外では、北アルプス西穂高岳(岐阜県)稜線上の「西穂高山荘」と中央アルプス駒ヶ岳の「ホテル千畳敷」の2箇所は標高2千m付近までロープウェーを利用できるので、観光旅行を兼ねて星座を撮るには最適です。バスや車を利用するのなら乗鞍高原(長野県)、立山室堂(富山県)も標高3千m近くまでほとんど歩かずに行けます。

天体写真はできるだけ高い山や高原が理想的です。高い場所ほど微光星まで写りますし、2千m以上の山では夏の天の川はもちろん、秋にも天の川がはっきり見えます。星座の写真は空の明るさや気温、風や月の有無などによって写り方はずいぶん変わってきます。絞りやシャッタースピード、フィルム、場所、時間などいろいろ変えて何度も試し撮りをするうちに最適な条件わかりますので、根気よくチャレンジしてください。

何を写そうか迷っている人は、オリオン座や北斗七星、カシオペア座など誰が見てもわかる星座をねらってはどうでしょうか。自分の誕生日の星座など写してみると、ちょっとした感動ものです。星占いに登場する星座を全部写して「四季の星座アルバム」を作るのも面白いでしょう。夏休みに高原や山にでかけた時は、ぜひ星座の写真を写してください。市内とは比較にならないほど美しい星座写真が簡単に撮れます。


双眼鏡や写真でわかる星の色と温度

2000-04-01 00:00:00 | 星空の案内

星をよく見ると、赤い星、青い星、黄色い星などがあることに気がつきます。これは、その星の表面の温度の違いによって、星の色が変わるからです。実は、光の色とその温度には密接な関係があります。温度の低いときは波長の長い光(赤い光)が強く出て、温度の高いときは波長の短い光(青白い光)が強く出ます。ですから、星の色からその星の表面の温度を推測することができるのです。

青白い星:リゲル(オリオン座)、スピカ(おとめ座):表面温度25000度
白い星:シリウス(おおいぬ座)、ベガ(こと座の織り姫星):表面温度11000度
薄黄色の星:プロキオン(こいぬ座):表面温度7600度
黄色い星:太陽、カペラ(ぎょしゃ座):表面温度6000度
赤黄色の星:アークトゥルス(うしかい座)、アルデバラン(おうし座):表面温度5100度
赤い星:ベテルギウス(オリオン座)、アンタレス(さそり座):表面温度3000度


春の星座ガイド

2000-04-01 00:00:00 | 星空の案内

◆春の星座さがしには、頭上に描く「春の大曲線」が役に立ちます。まず北の空高くのぼる北斗七星を見つけてください。7つの星がひしゃくの形に並んでいるので、すぐにわかります。そのひしゃくの柄のカーブをそのまま伸ばしていくと、オレンジ色の一等星が見つかります。うしかい座のアルクトゥルス(熊の番人)です。さらに、そのカーブを伸ばしていくと白く輝く一等星、おとめ座のスピカ(麦の穂)があります。この北斗七星からアルクトゥルスをへて、スピカまでの大きな曲線が「春の大曲線」です。さらにその曲線を伸ばすと、からす座の4つの星に行きあたります。

◆アルクトゥルス、スピカ、しし座の二等星デネボラ(ししの尾)の3つの星を結ぶと大きな三角形ができます。これが「春の大三角」です。そして、デネボラの右(西)に輝く一等星がしし座のレグルス(小さな王)で、レグルスから上方に並ぶ7つの星が、しし座の頭を形づくります。

◆アルクトゥルスとスピカは、夫婦の星とも見られており「春の夫婦星」と呼ばれています。アルクトゥルスは昔から季節や方角を知るための重要な星とされていました。日本では麦の刈り入れが始まる頃の夕方に頭上に見えるので「麦星」と呼ばれていました。この一等星の光度は-0.1等で、普通の一等星の2倍以上も明るい星です。直径が太陽の24倍もある巨星で、1秒間に125キロという猛スピードで動いています。一方のスピカは光度1.0等。白く輝く女性的なイメージから「真珠星」とも呼ばれています。しかし実際は表面温度が2万度以上もあり、その明るさは太陽の7百倍という強烈な星です。


夏の星座ガイド

2000-04-01 00:00:00 | 星空の案内

◆南の地平線上にとても明るい星が光っています。これが夏の代表的な星座さそり座の一等星アンタレスです。さそり座はこのアンタレスを中心に大きなS字形をつくっているので、すぐにわかります。この星はあまりにも赤いので日本では赤星、中国では大火と呼ばれています。赤く見えるのは星の表面の温度が低いからです。さそり座の東(左)に6つの星がひしゃくの形になんでいるのが、いて座の南斗六星です。神話では、馬人ケイロンが弓でさそりをねらっている姿だそうです。私たちの銀河系の中心は、いて座のあたりにあるといわれています。

◆空の高いところを見上げると、3つの一等星が大きな三角形をつくっています。これが「夏の大三角」で、明るい都会の夜空でもすぐそれとわかります。一番北の星がデネブ(尾)です。天の川の中に、デネブから星々が大きな十字の形をつくっているのが白鳥座です。デネブは白鳥の尾に輝いています。白鳥座は南十字星に対して北十字星の別名があります。白鳥座の少し南で4つの星が、こと座をつくっています。明るく白い星がベガ(落ちるワシ)です。天の川をはさんで、その少し東(右下)にある3つの星がわし座、その真ん中の一番明るい星がアルタイル(飛ぶハゲタカ)です。ベガは織り姫星、アルタイルは彦星とも呼ばれ七夕の星として有名です。そして、こと座とさそり座の中ほどにある大きな星座は、へびつかい座です。


秋の星座ガイド

2000-04-01 00:00:00 | 星空の案内

◆秋の夜空は夏の天の川の華々しさもなく、星の数もまばらですっかり寂しくなってきました。天頂付近では夏の大三角に代わって秋の四辺形(ペガスス座)が高くなってきました。暗い星々ですがあたりに明るい星がないのですぐに分かります。この四辺形は天馬ペガススの胴体を形作っていて、秋の星座を探すには大変役立ちます。このペガススは神話によると、勇士ペルセウスが怪物メドゥーサの首を切ったときに、ほとばしり出た血が岩にしみこみ、そこから飛び出た天空をかける馬です。

◆まず南の空に向かって空を見上げて下さい。四辺形の左上の角の星を頂点に横倒しの「A」字形にならぶのがアンドロメダ座。この星座はアンドロメダ銀河M31で有名です。その左上には「人」字形にならぶペルセウス座が見つかります。左の辺をさらに上に伸ばすと「W」字形のカシオペア座、さらに伸ばすと五角形のケフェウス座を通り北極星にぶつかります。

◆四辺形の左の辺を下にのばすと秋の最大の星座くじら座の2等星デネブ・カイトス(くじらの尾)。下の辺を左にのばすと、うお座、さらにその先にはくじら座の頭があります。右の辺を下にのばすと、みずがめ座、その下には秋の星空ではただ一つの1等星みなみのうお座のフォーマルハウト(魚の口)がポツンと輝いています。みずがめからあふれた水がこの魚の口にそそいでいるといわれています。また日本では南の一つ星、中国では北洛師門、西洋ではしし座のレグルス、さそり座のアンタレス、おうし座のアルデバランとともに東西南北の方位を守る四王星と呼ばれていました。


冬の星座ガイド

2000-04-01 00:00:00 | 星空の案内

◆冬は一年を通じて一番星空の美しい季節です。大陸からの冷たい北風が都会の汚れた空気を吹き払ってくれるからです。さらに、冬の夜空には明るい1等星が多いので、街中でのスターウオッチングには最適です。

◆南に向かって空を見上げると青白く輝く星が目につきます。これが星空全体で1番明るい、おおいぬ座のシリウスです。明るさは-1.5等。普通の1等星の約6倍の明るさなので、晴れた夜でこの星が見えない日はありません。シリウスとは「焼きこがすもの」という意味で、中国ではその輝きを狼の目にたとえて「天狼」と呼ばれていました。この星が明るいのは、星自身が明るく輝いているためではなく、地球からわずか8.7光年という近い距離にあるために、ほかの星より明るく見えるからです。

◆このシリウスを頂点に逆三角形をつくってみます。右の赤い星がオリオン座のベテルギウス、左の白っぽい星が、こいぬ座のプロキオンです。シリウス、ベテルギウス、プロキオンの3つの1等星でつくるこの三角形を「冬の大三角」といいます。そして、冬の大三角を北に折り返したところに輝くのが、ふたご座のカストルとポルックスです。日本では「めがね星」「かに目星」などと呼ばれていました。冬の星座の王者オリオン座はベテルギウスを使って大きな四角形をつくります。右下の一等星はリゲル、そしてその間には3つの星が並んでいます。この3つ星の下にはオリオン座大星雲(M42)が肉眼でもわかりますが、高倍率の双眼鏡を向けると鳥がつばさを広げたように見えます。おうし座のプレアデス星団やヒアデス星団も肉眼で見える美しい星々です。


夜空に宇宙ステーションを見つけよう

2000-04-01 00:00:00 | 星空の案内

◆地球のまわりには様々な役目を持った人工衛星が回っています。通信衛星、放送衛星、気象衛星、地球観測衛星、科学衛星、軍事衛星、さらにスペースシャトルや宇宙ステーションも人工衛星の仲間です。人工衛星は今まで5千個以上打ち上げられています。ロシア(旧ソ連を含む)が断トツで約3千個、アメリカが約1500個、日本はそれに次いで80個以上を打ち上げました。私たちが夜空で目撃するのはほとんどが数百mの低空を飛ぶ地球観測衛星ですが、なかには数十㎝の大きさを判別できる軍事衛星もあるようです。

◆民間の衛星も次々と打ち上げられていますので、そのうち個人所有の衛星も登場するでしょう。日本が開発中のHIIAロケットは70億円とかなり高価ですが、中国の長征ロケットはもともと軍用ミサイルなのでかなり格安です。欧州宇宙機構のアリアンロケットは世界の商業用衛星の半分を打ち上げている実績があります。少ない予算で自分専用の衛星がほしいなら、大型の衛星を打ち上げるついでにロケットの余った空間に便乗させてもらうという方法もあります。

◆夜空を見上げているとたまに星々の間をスーッと光の点が動いていることがあります。このように肉眼で見つけることができる衛星は全世界で数百もあるので、何気なく見ているだけでも1時間に数個は出現します。カーナビのGPS衛星、携帯電話のイリジウム衛星、HSTハッブル宇宙望遠鏡、ミール宇宙ステーション、ISS国際宇宙ステーションなどは簡単に肉眼で見つかります。人工衛星は夜空の星のように自分で光っているわけではなく太陽の光を反射して光っているのですから、日没後や夜明け前の数時間しか見えません。飛行機と間違うことがありますが、飛行機の明かりは色がついていたり、点滅しているので簡単に区別できます。スターウォッチングのついでに人工衛星ウオッチングにもチャレンジしてはいかがでしょうか。人工衛星や国際宇宙ステーションの飛行予報はホームページで紹介されてます。

※静止衛星は地上から3万6千㎞も離れているので、小型の望遠鏡では見つかりません。


本当の宇宙を見よう

2000-03-01 00:00:00 | 星空の案内

◆最近は宇宙や天文に関する情報があふれ、ちょっとしたブームです。テレビや新聞にはスペースシャトル、火星探査機、国際宇宙ステーション、日本人宇宙飛行士といったニュースがよく登場しますし、書店にはハッブル宇宙望遠鏡やすばる望遠鏡の写真集が並んでいます。ディープインパクト、アルマゲドン、エイリアン、スターウォーズ、スタートレック・・・、宇宙をテーマにしたSF映画も必ずヒットしています。そして、SFアニメで育った今の子供たちの知識は大人顔負けです。

◆しかし、私たちにとって「宇宙」は本当に身近なものになってきたのでしょうか?急速な観測技術の進歩で、宇宙の情報は私たちのまわりにあふれてきました。寒い夜、外で望遠鏡を操作しなくても、茶の間で寝ころがっていて宇宙が見れる。美しい天体写真、迫力ある映像・・・。しかし、それらは画像処理で色づけされた写真だったり、コンピュータが作った映像であって、決して本当の宇宙そのものではありません。このような最新技術がかえって宇宙を私たちから遠いものにしているように感じます。本当の宇宙はスクリーンや写真集やテレビの中にはありません。

◆子供の頃は土星のリングを見ただけで感激したものですが、このような疑似宇宙に慣れてしまっては、望遠鏡をのぞく意欲がなくなるかもしれません。残念ながら、市内の夜は光があふれています。プラネタリウムのような満天の星空を見るのはとても無理です。天の川は高い山にでも登らないととても見つかりません。私たちの環境では確かに見える星の数は少ないですが、自分自身の目で見る宇宙は録画されたり画像処理されたものではなく「今、ここに本当にある宇宙」です。晴れた夜なら空を見上げてください。そこには間違いなく星があります。それは何百光年、何千光年もの彼方から気の遠くなるほどの長い旅をしてあなたのもとに「今」届いた光のメッセージなのです。当センターの「星空セミナー」では、皆さんが本当の宇宙を見るためのお手伝いをいたします。