角灯と砂時計 

その手に持つのは、角灯(ランタン)か、砂時計か。
第9番アルカナ「隠者」の、その俗世を生きる知恵を、私にも。

#124 別の意味で「またか」です。

2016-03-16 06:31:06 | メディア論
「準強姦容疑で沖縄米兵逮捕」

産経新聞3/15(大阪6版)の記事なんですが、
一読「またか」です。

「またか」なんですが、

〈宿泊先のホテルの廊下で寝ていた女性を自室に連れ込み、熟睡して抵抗できないことに乗じて暴行した〉

うん? ホテルの廊下で寝ていた? 

えーと、
連れ込まれ、暴行されても、全く気づかないくらい熟睡してたってこと?
薬でも盛られたというなら別ですが、普通そんなことあるの?

そんな疑問に捕われてしまって、
(正直に言うと、しかもその女性が40代ということで)
自分でも、ちょっと不思議なくらい気になる事件となりました。
(行間読んでね)

で、
沖縄だけに「琉球新報」を見ると、
もう少し詳しくなってます。

〈那覇署は13日、面識のない観光客の女性が寝ているのに乗じて性的暴行を加えたとして、準強姦容疑でキャンプ・シュワブ所属の米海軍1等水兵(24)を逮捕した。14日、同容疑で那覇地検に送検した。捜査関係者によると容疑者は「ずっとバーにいた。そこ(部屋)にはいなかった」などと話し、容疑を否認している〉
(琉球新報:女性を暴行、シュワブ所属米兵逮捕 那覇、観光客が被害
 →http://ryukyushimpo.jp/news/entry-238869.html

13日に「逮捕」
14日の段階で「送検」まで行ってるわけですね。

でも、まだ「容疑者」です。
「冤罪」の可能性も、ないわけじゃない。

試しに「沖縄」とか「米兵」とかを、
一旦脇へ置いて記事を読んでみましょう。

〈女性は共に〇〇を訪れた知人2人と(ホテルの)自室にいたが、途中で飲み物を買いに部屋を出た。戻った際に部屋の中の知人が眠っていたため閉め出された。女性は知人の電話を鳴らすなどしたが、廊下で眠ってしまった〉
(伏字・括弧書き引用者)

〈午前4時ごろ、知人が女性の悲鳴を自室で聞き、容疑者の部屋のドアをたたくと容疑者と女性が室内にいた。知人が女性から話を聞いている間に容疑者はホテルの外に出て、午前5時45分ごろに戻ってきた〉

率直に言って、
随分、間の抜けた話だと思いませんか?

そりゃ「ずっとバーにいた」というのは嘘かもしれないし、
実際「準強姦」しちゃったのかもしれない。

けれど、
男性は、廊下で寝込んでいる女性を、
親切心で自室のベッドに寝かせてあげただけかもしれないし、
(そして、仕方ないので自分はバーへ行った)

女性の方は、
目覚めた時見知らぬ男性がそこにいて驚いただけかもしれない。
(そして、多少服が乱れていたりして取り乱した)

ときに警察は、その場で女性の身体検査などして、
「準強姦」の証拠(いわゆる体液というヤツ)を押さえているのか、
そこからして判らない。

もし、
女性たちの話だけで準強姦になったのなら、
アリバイ以外に容疑を晴らす方法がない。

いずれにせよ、
今はまだ、全て「容疑」に過ぎません。

普通なら、
ニュースとして扱われるかどうかも怪しい「事件」です。

なのに、
ああ、沖縄。ああ、米兵。

まるで確定した事実であるかのように、

〈翁長雄志知事は14日「人権を蹂躙(じゅうりん)する重大な犯罪だ」と強い不快感を示した。安慶田光男副知事は水上正史沖縄担当大使と井上一徳沖縄防衛局長に対して再発防止などを求めた〉

というに至ってる。

〈米軍が実施する飲酒規制措置(リバティー制度)に違反している可能性もある〉

なんて意地悪く注釈入れてますけど、

ちょっと買い出しにいった友人を閉めだして眠ってしまう、
閉めだされあげく助けを呼ぶでもなく廊下で眠ってしまう、

普通に考えれば「泥酔」というものですが、
その辺「大人の女性」としてどうなの? とも思う。

(助けを呼びたくても誰もいなかったと言うなら
 それは、廊下で眠ってしまった女性を見つけた米兵も同じです)

まあ、いいでしょう。
その代わり、

この先々、準強姦罪確定であれば当然ですが、
たとえ無罪であれ、あるいは不起訴であれ、
必ずや最後まで、きっちりと報道していただきましょう。

何しろ、
逮捕ってだけでここまで大々的なんです。

仮に無罪(不起訴含む)だった時、
誰も気づかないような小さな扱いをしたら、
それこそ「人権蹂躙」ですからね。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿