角灯と砂時計 

その手に持つのは、角灯(ランタン)か、砂時計か。
第9番アルカナ「隠者」の、その俗世を生きる知恵を、私にも。

#109 少子化対策・育児支援の嘘と誠

2015-12-26 07:00:23 | 少子化対策アレコレ
話題のお二人。

女性(金子恵美=新潟4区)の産休は、まあ良いとして、
男性(宮崎謙介=京都3区)が育休を検討しているっていうんで・・・
(朝日新聞デジタル:国会議員カップル「育休とりたい」 制度ないけど計画
 →http://digital.asahi.com/articles/ASHDQ5DCRHDQUTFK00T.html?rm=635

私自身は、当初、
「別にいいんじゃない?」
程度の反応でした。
今も、その感覚自体は変わりません。

何であれ、賛否両論は世の常、
別段、目くじら立てるほどのことではない、
と思っていたのだけれど、

「多くの方からみて違和感のある話ではないか」
(岡田克也民主党代表)
「この2人の考えを私は全く理解できない」
(蓮舫同代表代行)

という発言を知り、
あらら、な気分に陥りました。
(Web産経ニュース:議員の育休取得に民主反発 岡田代表「違和感のある話」、蓮舫代表代行「全く理解できない」
 →http://www.sankei.com/politics/news/151224/plt1512240043-n1.html

なので、一応、
思うところを言っておこうかなと。

まず、野党およびそのシンパの人々へ、

仮に、言い出しっぺが民主党議員であっても、
やっぱり「全く理解できない」んでしょうか?

相手が自民党の「イケメン&美女議員」なだけに、
党派意識が働いているんじゃないですか?

「民間と比べ、特権的環境の恩恵を行使するのでなく、普通に保育施設を利用しながら両立をすることこそが、本人の言う地に足のついた政策を立案できるのではないか。または、特権優遇ではない国会議員の育休を制度化する法案を提案するほうが現実的だ」

なんていう蓮舫さんの呟き、
(JCASTニュース:蓮舫氏、国会議員夫婦の育休に「全く理解できない」 ネットは賛否真っ二つの大論争に
 →http://www.j-cast.com/2015/12/25254323.html

〈国民から負託を受け、議員として活動することが当然の前提となっています。だから、高額な議員歳費は議員活動のための費用であって、単純な生活費ではありません〉

とかいう猪野亨さんのブログ、
(BLOGOS 記事:宮崎謙介衆院議員の育児休暇について疑問に思うところ
 →http://blogos.com/article/151566/

なんだか、一所懸命ダメな理由を探してる感じです。
じゃ、歳費月割で返上します、って言えばOKなんですか?
会社員だって他の社員が働いてるお金を貰うじゃないですか。

殊に猪野さんのブログは、まあ、ひどいなあと思います。

〈世間一般では、男性でも育児休暇を取ることは男女を問わず奨励されています。
 将来的にもワークライフバランスが1つの課題にはなるのでしょう。極論すれば、男性従業員が仕事より育児の方が楽しそうだからという理由だけで職場から離れることを許容する社会がいつ訪れるのかということなのですが、現状では残った人たちにしわ寄せがいくためにまだまだ社会全体で許容するようなところまでは行っていないように思います。社会の受け皿が必要です〉

〈また、このような育児休暇取得は、与党自民党だからできることです。こう言っては何ですが、自民党議員は、先の衆議院選挙で大勝しましたが、そのための駒をそろえる必要もありました。いわば数合わせです。どうせいなくても採決の際の数合わせに過ぎませんから、休暇を取ろうが取るまいが、それだけでは与党自民党にとっては何の支障もないことになります〉

〈現状の政治は、その動きがあまりに早く、静観しているような状況ではなく、またその対立も激しいときですから、やはり会社勤めの会社員が育児休暇を取るということとは違うように思えるわけです。会社は利潤獲得という目的に向かって社員を配置しているだけなので、代替社員をいくらでも当てることができるのとはやはり根本的に違うからです〉


支離滅裂。弁護士ってコワイ。

思うに、

この手のモノは、周囲を気にせず、
取れる人から取っていかないと、動いていきません。

存分に羨ましがらせ、自分にも取らせろと思わせりゃイイんです。
そこから、いわゆる社会やら会社やらが変っていくんですから。

そのキッカケになろうかという動きを、
応援するどころか、ナンジャカンジャ言って妨害する人々。

今後、民主党とそのなかまたちが、
少子化対策・子育て支援をアピールしても、
もう信用しません。

一方、
党派抜きに(感覚的に?)反対だという人へ、

「余人をもって代え難い仕事がある」?
そんなもん、そうそう在るもんじゃないですよ。

あ、いやまあ、
そこは殿方を立てて認めるにしても、
(自分も男なので、この言い方は変ですが)

だから育休取っちゃダメ、というものでもないでしょう。
工夫してください。

あらかじめ予定して休むわけだから、
それが可能か否かは、本人および周囲の調整能力の問題。
何しろ「平時」なんですから。

色々と背景が違うので単純比較に意味はないのだけれど、
ブレア、キャメロン首相やウィリアム王子は育休取りました。

〈共働きの家庭が多いイギリスでは、父親だってしっかりと子育てに従事します。そのためのサポート制度として、父親も育児休暇を取得することができます。基本的には2週間、母親が職場復帰する場合に限り、最大26週の有給育児休暇が認められています。2003年から始まったこの育休制度は、キャメロン首相や前ブレア首相が取ったことでも注目され、現在60%程度の男性が取得しているようです〉
(SoDaTsu.com:イギリス ロイヤルベビー誕生を控え出生率も上昇 Episode3 パパの子育て事情
 →http://www.sodatsu.com/article/world_02_03.html

〈ウィリアム王子はキャサリン妃をサポートするため、4月下旬から育児のための休暇を計6週間取得したと報じられている。英王室と一般家庭とではもちろん事情は大きく異なるが、ウィリアム王子はパパも育児休暇を取りましょうというメッセージを発していると筆者は考える。2000年には労働党のブレア首相(当時)も四子誕生の際に公務を減らし、育児のための休暇を取った。社会の旧習を打ち破るためには、世間の注目を集める人や社会的地位の高い人が率先して新制度を利用する必要がある〉
(英国ニュースダイジェスト:「イクメン」ウィリアム王子の「育児休暇」は何週間?
 →http://www.news-digest.co.uk/news/news/uk-news-column/13555-2015-05-07.html)

父親が家にいなくても、
「子供は親の背中を見て育つ」?
ちょっと待ってくださいな。

子育て一般の、ではなく、
今、夫が仕事に出かけてしまったら、
一人きりになってしまう女性の話をしているんでしょ。

乳児は放っといたら確実に死にますよ。
そんな、か弱く儚く危険な生命体と、
ず〜っと一人で向き合えと言うんでしょうか。

「内助の功」?

まあ、それで妻が納得し、
夫婦円満なら結構なことでしょうけれど、

授乳はもちろん、
夜泣きの間中ひたすら抱っことか、
安心させるためにずっと添い寝とか、
何かこぼして着替え、粗相して着替え、
泣くばっかでどうしていいか分からない、
24時間、自分の時間が全くとれない、
上の子がいたら、その世話もしなきゃならない、
相談する人もいない・・・それでも、

「世のため人のため、夫が外で存分に働くためですから私一人で大丈夫です」

そんな神様みたいなカミさん、いるんですか?

「解ってくれている」
なんていうのは大いなる勘違いで、
定年の日に離婚届突き付けられたりしませんか?

おっとっと、
つい暴走してしまいました。

話戻しまして、

今、此処に、
子供を授かり、産み育てようとする女性がいて、
(長い人生との比較で)その僅かな時間を共有したいと望む男性がいる。

ならば、ひとまず応援しようというのが、
何よりの少子化対策であり、子育て支援だと思いますが、如何?

ダメな理由じゃなく、
どうしたら、より気持よく育休取得に賛同できるのか、

皆さん、それを考えましょうよ。

実のところ、
「取れるものなら取りたい(取りたかった)よ」
っていう気分もあるんじゃないですか?

認めたくはないでしょうけど、
「自分は取れない、みんな取らない、だからアイツも取っちゃダメ」
式の心理が紛れ込んでる気もしますよ。

もう少し、冷静に考えてくださいな。

情けは人の為ならず。

半年前には、こんなニュースもあったことですし。

〈首相は「一番大きいのは職場の雰囲気。男性も産休を取ることがだんだん常識化していくことが大切だ」と語った〉


(Web産経ニュース:男性の産休取得 首相「常識化を」
 →http://www.sankei.com/politics/news/150629/plt1506290040-n1.html

・・・ ・・・ ・・・ ・・・

*参考までに

内閣府:さんきゅうプロジェクトについて
http://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/sankyu_papa.html

HUFFINGTONPOST:父親の育児休暇は、アメリカとヨーロッパでこんなに差がある
http://www.huffingtonpost.jp/2015/06/22/8-countries-paternity-leave-_n_7633694.html


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