政府は4日、持ち回りで開いた新型コロナウイルス感染症対策本部会合で、まん延防止等重点措置の期限を6日に迎える31都道府県のうち、東京、大阪など18都道府県で21日まで延長し、福岡など13県では期限通り解除すると正式に決定した。全国的に新規感染者数は減少傾向だが、18都道府県では病床使用率が依然高水準にあり、措置の継続が必要と判断した。
措置を延長するのは北海道、青森、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、石川、岐阜、静岡、愛知、京都、大阪、兵庫、香川、熊本。いずれも1月から適用され、期限延長は2回目。6日で解除するのは福島、新潟、長野、三重、和歌山、岡山、広島、高知、福岡、佐賀、長崎、宮崎、鹿児島。
政府は対策本部開催に先立ち、専門家による基本的対処方針分科会を開き、措置の延長・解除などを諮問し、了承された。
国立国際医療研究センター・大曲貴夫医師:「(1日あたり)1万人規模の新規陽性者が発生する、危機的な感染状況のさらなる長期化が懸念されます。そして、オミクロン株『BA.2』の影響で、もし増加比が上昇すれば、感染が再拡大する恐れがあると致しました」
東京都のモニタリング会議は3日、感染者数が減少傾向にあるものの、依然として極めて高い数値を示していることから、春休みを前に「BA.2」による感染の再拡大に警戒感を示しました。
感染状況と医療提供体制の警戒レベルは、いずれも4段階のうち、“最も深刻なレベル”のままです。
3日、東京都で確認された新型コロナウイルスの新たな感染者は先週の木曜日から2082人増え、1万2251人でした。
政府は、6日に期限を迎える「まん延防止等重点措置」について、首都圏の1都3県を含む、18都道府県で延長することを表明しました。
期間は、21日までのおよそ2週間です。
新型コロナの「オミクロン株」の亜種で感染力が強いとされる「BA.2」について、来月の上旬には、東京の感染者のうち7割以上を占める可能性があるとの試算が報告されました。
厚生労働省で開かれた専門家組織の会合では、オミクロン株の亜種「BA.2」について、国内ですでに感染が広がっている「BA.1」と比べ、1人の感染者が何人にうつすかを示す「実効再生産数」が、26%高いとの試算が報告されました。また、感染してから別の人に感染させるまでの「世代時間」は、「BA.1」と比べて15%短く、このまま感染が広がった場合、4/1には東京の感染者のうち74%を占める可能性があるとしています。専門家組織の脇田座長は、全国的に感染者の数は減少傾向が続いているものの、「BA.2」の感染が広がることで「再び急速な感染が起きてもおかしくない」との考えを示しました。
岡山県の伊原木隆太知事は1日、県に適用されている新型コロナウイルス対応の「まん延防止等重点措置」について、期限の6日で解除するよう政府に求めた。知事は要請前に臨時会見を開き、新規感染者や病床使用率の減少傾向をふまえ、「社会経済活動の維持へ、歩みを開始するべきだと考えた」と述べた。
県には1月27日、期間を約3週間とする重点措置が適用され、2月21日から2週間延長されていた。重点措置に伴い、県は県内全域の飲食店に午後8時までの営業時間短縮などを要請している。
知事は重点措置が解除されれば、県内全域の飲食店に対する営業時間の短縮要請を終了すると明言。一方、「気を緩めてほしくはない。時短要請以外は積極的に緩和する状況にない」と述べ、県独自の感染対策を続ける方針を示した。
県内では2月5日に新規感染者が過去最多の1458人となって以降は減少傾向に転じ、28日までの1週間は300~700人台で推移している。病床使用率は最新の22日時点で49・1%と、約3週間ぶりに50%を切っていた。
知事は重点措置が解除されれば、県内全域の飲食店に対する営業時間の短縮要請を終了すると明言。一方、「気を緩めてほしくはない。時短要請以外は積極的に緩和する状況にない」と述べ、県独自の感染対策を続ける方針を示した。
県内では2月5日に新規感染者が過去最多の1458人となって以降は減少傾向に転じ、28日までの1週間は300~700人台で推移している。病床使用率は最新の22日時点で49・1%と、約3週間ぶりに50%を切っていた。
岸田首相は28日の自民党役員会で「3月6日に31都道府県で重点措置の期限を迎える。延長するか今週判断する」と語った。
延長の対象に挙がっているのは東京、大阪のほか、埼玉、千葉、神奈川、岐阜、愛知、三重、京都、兵庫。確保病床使用率は岐阜と三重を除いて2月27日時点で50%を超え、神奈川、京都、大阪は70%以上で高止まりしている。
これ以外にも医療提供体制の逼迫が続いている地域があり、政府関係者は「延長の対象は増える可能性がある」と語った。大阪は延長幅を3週間とするよう求めているが、政府は重点措置の長期化は望ましくないとの立場から、2週間程度にとどめたい考えだ。