田んぼをつかった花畑

桜田温泉は、その名のとおり桜田という地名のところにある。実は松崎町には知る人ぞ知る桜並木の名所があり、桜田はその川沿いに広がる田園地帯でもある。

　

　今では伊豆の桜というと河津桜が有名だが、松崎は普通の桜で、しかも観光地としては西伊豆でもあるため、もうひとつメジャーにはなっていない。

　だが、伊豆の人間ならば、河津桜に匹敵する、いやもしかしたらそれ以上の規模の桜並木があることを知っている人は少なくない。そこで、桜とともに開催されているのがこのイベントだ。

　

　桜田温泉に初めて来たときに、たまたま出くわしたのが、この農閑期を活用したお花畑イベント。ちょうど桜の時期に合わせてお花畑と人形で構成されている。

　場所はまさに桜田温泉の前の広い田んぼ。温泉に入ったのち、ふらりと散歩してみた。風も気持ちよく、さわやかであった。

 

　このイベント2018年を最後に中止という話があったが、盛り上がりの火を消すなとばかりに有志が立ち上がり、クラウドファンディングなどを活用して存続しているという。

　今回のメインの人形は東京五輪の聖火ランナーだったが・・・それでもなお、走り続けるとの追加書き込みの看板も立っていた。

 

　その他、神社があったり、牛やヤギなどがいたり・・・なかなか凝った意匠で、遠目に見ると、本当の人間や動物に見えたりした。

　東京ではすでに桜も盛りを過ぎ、葉桜になってしまっているが、こちらではまだ花もしっかり残っていて、花畑とのコントラストも美しい。

 

　お宿の女将さんによれば、行ったときはちょうどライトアップもやっているとのことで、　夜部屋から見たが・・・

　光が弱く、遠くにぼんやりと灯がともっているのが見えた程度だった。

 

　だが、昼はご覧の通りで写真以上に素晴らしく、また東京の花見どころと異なり、スカスカで、接触や密集などとはほど遠く・・・

　ひとときの癒しを感じられた。

 

　今年も引き続き町おこしで存続を求める部隊が頑張っている様子。来年もすっきりと見に行けるといいなあ・・・と。

　あ、いや来年こそ、みんなで安心して見に行けると・・・と。