幼なじみハマちゃんも母になり
会える機会が減りましたが
先日
赤ちゃんを家族にたくして
久々に2人で飲みに行くことができました。
貴重な機会です。
さて、何を飲んで食べて語ろうか！
子育てに仕事に家事に
忙しいハマちゃんは
なかなか好きなものを食べに行けないでしょ。
ハマちゃんが行きたいお店にしようね。
そこで
ハマちゃんが選んだのは
路地裏の小さい中華屋さん。
お店の全ての窓には
白い模造紙が貼ってあり
中を伺うことができないけど
明らかに素敵ではない中華屋さん。
ホントにいいのか？
ハマちゃん・・・。
で、入ってみると
大方の予想通り
お客さんが一人もいない店内に
たたずむ初老のご主人。
かつて白衣だったであろう上着の
胸元は大きく露出していて
目を奪われるものの
いちばん気になるのは
なんといっても
右手親指にはめられた
赤い指サック。
注文をとったご主人が
カウンターの向こうで
調理を始めるや否や
誰もいない静まりかえった
フロアに鳴り響く異様な包丁裁き
そして
よく味のしみ込んだ
何のどこの部位だか
全く検討がつかない
小皿のつまみが出てきて
その後
こだまするレンジの電子音。
毎度、思うのだけど
料理屋さんのレンジは
音を消せれば良いのになぁ。
そして出てくるのは
頼んでいた熱々のスープ。
もちろん
スープに指が入ってるけど
指サックしてるから熱くないし大丈夫。
久々に会うのに
目の前を行き来する
指サックに気を取られ
会計で
おつりを頂く時に
ついに
赤い指サックが私の手のひらに触れ
生温かくペタッとしていて
ちょっと予想外に人間味溢れる感触だったのでした。
そして
お店を出てから
ハマちゃんに
指サックの中に
指、ちゃんとあったよ、と報告しました。
