
お彼岸の仏拝みに行くひとを、同じ地に住み驚き見やる
我が家でもかつて昔はお彼岸に、仏拝みの親戚まわり
車なき時代にやりし仏拝み、ゆっくりとした社会いまいずこ
免許すら持たぬ時代の仏拝み、父よあなたはげに偉かったね
一年に一度行う仏拝み、相手の「皺」はあわせ鏡よ
お彼岸のウミネコの声変化して、春の到来耳でも知るや
お彼岸に訪ねし寺の「バスツアー」、客死の母は浄土の国に
中日は冬と春とが交錯し、青い空より突風吹きぬ
「ゴーゴー」と明るき空は啼いており、今日は「中日」春はそこまで
お彼岸のわずかな日差し受けながら、我が家の庭で福寿草咲く
彼岸来て磯の香りがなつかしく、母想いつつ蕪島に行く
昆布取り母に連れられし幼き日、磯の香浸みるわれは海の子
初めての院外発表せし息子、話の花の夕食時よ
雪降りの利益ありやと尋ねれば、 片手に余ると雪国の人
転校のいじめを避けしやり方は、「予習・復習」とその人は言う
雪融けてほこり舞う時期、これもまた春本番の「通過儀礼」よ

