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ハマの街から 

日々の暮らしや自然、民俗、世相などを見つめています。

VHS『マイ・フレンド・フォーエバー』を観て

2006年09月10日 | 映画・テレビ・ラジオ
 簡単にこの作品を説明しようとすれば、、「HIV感染者の少年と、その彼を自分なりの友情と知識で精一杯に助けようとして奔走する、もうひとりの少年との短い夏の出会いと別離、交流」を描いた"人間ドラマ"だ。
 そこに彼らの母親とのそれぞれの暮らしぶりや交流などが描かれていく。
 
 かつて、山田洋次監督の『遥かな山の呼び声』を観たときのことを思い出した。
名作はラスト3分前のクライマックスで決まる。私は『遥かな・・・』でも、本作でも、"ボロ泣き"した。きてぃさんの「私の泣ける映画5」は嘘ではなかった〔笑〕

良い映画というものは、ひとつひとつのシーンと共に、セリフも忘れがたいものである。特に私がこの作品で印象深かったセリフは次の箇所だ。
 
 絶えず死との恐怖に怯えている主人公の少年デクスター〔ジョセフ・マゼロ〕とエリック〔ブラッド・レンフロ〕とのテントでの会話。
 「時々、夜中に目が覚めて怖くなるんだ。僕は宇宙にいて、もう、戻れないような気がして」
それに対して、エリックは自分のスニーカーをデクスターに渡してこう言う。
 「これはエリックの靴。僕はこんな臭いスニーカーを抱いている。"宇宙であるはずがない。ここは地球でエリックがそばにいる"」
 「いい考えだ」とデクスター。
 この"臭い話"は笑いたくなるところもあるが、妙に説得力がある。
 そして、この「スニーカー」のエピソードはこのときの単なる思い付きではなく、永遠の別れをしなければならなくなった時に、デクスターが入ったひつぎに自分のスニーカーの片割れを抱かせてやることで、本物の友情だったことが判る。

 こうした感情や行為は先に取り上げたDVD『マイ・ガール』でも同様のシーンがある。ひつぎの少年がそれまでしていた眼鏡をかけていなかったことに気が付いた少女が「せめて眼鏡をかけさせてやって・・・」と。

 私がもうひとつ感動したシーン。デクスターが亡くなって一旦、病院から自宅に車で戻るデクスターの母親リンダ〔アナベラ・シオラ〕とエリックとの会話。
 「あなたは精一杯やってくれたわ。病気と暮らしていたあの子・・・。独りぽっちでつらい日々をあなたが変えてくれた。いい友達が出来て幸せだったわ。幸せだったのよ」とやさしくエリックはリンダに抱きしめながら言われる。

 そして、畳み掛けるように続くリンダとエリックの母親ゲイル〔ダイアナ・スカーウイッド〕とのやり取り。私は特にここが一番好きだ。脚本家・監督・製作者は恐らくこのシーンをクライマックスとして描きたかったのではと思う。
 「エリックの親友が今日死んだの。お葬式に来させて。もうひとつ。今度、あの子に手を上げたらあなたを殺すわよ」
 
 ラストでエリックがデクスターの片割れの靴を川に流すシーンはわが国の「精霊流し」とダブり、あたたかい余韻として残った。
 
  
 


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1 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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こんばんは (きてぃ)
2006-09-13 17:03:11
 いつもブログに遊びに来ていただいてありがとうございます。「お店の話」、更新したのでまた来てくださいね。
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