
昨日、私が学んだ作文術の「カン・カラ・コ・モ・デ・ケ・ア」について書きました。毎日新聞の名物記者だった山崎宗次氏が、作文に大切な要素として挙げた7つの項目。この並び順には意味があるのでしょうか? あるいは語呂がいいからこの順番になったのでしょうか? 残念ながら私は生前、そのことを伺う機会がありませんでした。とにかく、この7つの要素を盛り込むのに精いっぱいだったのですが、今思えば「カン」が一番最初に出てくるところには、深い意味があるような気がします。
感動が動機になっていない志願理由書は、とても平板で画一的な印象を与えるでしょう。これまで、私はかなりの数の志願理由書を見てきましたが、「子どもが好きだから保育士になった」「身内の世話をする医療従事者に心を打たれて、看護師になりたいと思った」「立派なビルや橋を作りたいから、建築の道に進みたい」…といった作文に、数多く触れてきました。もちろん例のような単純な文章ばかりではありませんが、その人が受けた感動的な体験が書かれている作文は、意外と少ないものです。その人なりに必ず心の奥底に、感動を受けた出来事があるに違いありません。その深層部分を掘り下げて、言葉に表すことができると、進路を選ぶ理由としての説得力につながります。だからこそ、山崎氏は作文において重要な要素の筆頭に「感動」を置いたのだと感じました。
個々の感動体験は、あなたにしか書けない、 オリジナリティある作文を書くための原点です。人の心を打つ作文は、書かなければならないから書いたのではなく、人に伝えたい感動があるから、文章で表現されたものでしょう。志願理由書はもちろん、大学生や社会人になってからのビジネス文書においても、感動の表現力向上は必ず役に立ちます。今まで気づいていなかった、自分自身の動機の根っこにある「感動」を探り当ててみてください。文学はもちろん美術や音楽など、優れた芸術作品は感動から生まれたものがたくさんあります。アーティスト気分になって書いてみるのも、一つの手かもしれませんね。
※写真の下2つは近年の私の感動体験。昨年まで住んでいた千葉では、車載したロードバイクや大型バイクで、自然の風を感じながらのツーリングは最高でした。島根へ来るとき相棒を手放しましたが、海の美しさと魚の豊富さという自然の醍醐味を味わっています。ちなみにクロダイを釣り上げた写真は、最初に釣った時に拍手で讃えてくれた親子連れ(横で釣っていた)に、次の1枚を進呈。するともっと大きいのが釣れたところ、お母さんが撮ってくれたので、感動体験が写真で記録されました。こっちは釣ーりんぐ?
身体にメスこそ入れましたが、頭と内臓は至って元気です。加藤先生のお言葉通り、早く復帰できるよう、養生いたします。加藤先生もお元気でお過ごしください。