校長室だより ~ 武蔵野の森で紡ぐ友情『明星学苑・スクールライフ』

民間企業勤務から中学、高校、大学など、教育現場へ転じた『キャリアコンサルタント』の日常をお伝えします。

英語学習の最前線

2015年11月18日 05時18分08秒 | 日記
先日お伝えした英語塾・斎藤淳さんのことについて、英語学習を考える上でとても興味深かったので、少し詳しく紹介します。斎藤さんは『英語を手段にして子どもたちの選択肢を広げたい』として、東京自由が丘と、郷里である山形県酒田市で子どもたちの英語指導を行っています。対象年齢は幼児から高校生。指導する児童・生徒は600人を超えるとのことでした。斎藤さんのお話を聞いていて驚いたのが、その目標設定の高さ。たとえば中1で初めて英語に触れた生徒が、1年後には英検準2級を取得。さらに高1の終了時には、英検準1級に到達するレベル向上に照準を合わせて、カリキュラムを組んでいるのです。塾での指導は週1回・3時間が基本とのことですから「家庭での日々の学習なくして達成はあり得ない」と言われるのはもっともですね。その家庭学習においては課題を提供するだけではなく、科学的に研究された最新の教材を使って、学習を支援しているとのことでした。実際には設定した目標に対して、上ぶれする生徒もいれば途中で脱落する生徒もいるようです。
こうした高いハードルを設定している理由は、その先に海外の名門大学への進学を視野に入れているからです。「そうした大学で授業についていくためには、日本人は圧倒的に語彙が不足しています」というのが斉藤さんの見解。たとえば東大入試では7000語が必要と言われていますが、アメリカの一流大学で文献を深く読むには、10000語の語彙を習得しておく必要があるでしょう」ということで、単語を合理的に習得するアプリなども開発したり、学習自体を楽しくさせる工夫にも力を入れているそうです。
今年も何名か、晴れてアメリカの名門大学に進学した高校生がいるそうですが、斎藤さんが強調されたのは「英語習得自体を自己目的にしない」こと。英語はあくまで手段であり、大切なのは物事を深く考え、言葉に表していく力。とりわけご自身が教えていたイエール大学では『知的貢献ができる人材』が求められているということで、新しいものの見方を示したり、錯綜する意見を上手にまとめたりする力が必要なのでしょう。『10のものを100にする学生だけでなく、ゼロから1を生みだす学生』という表現もありましたが、オリジナルなものへの価値をたいへん尊重していたのが心に残っています。その斉藤さんの著書について、明日ご紹介いたします。

※斉藤さんにお断りして、スライドの写真を撮影しました。海外留学などに興味がある人は、気軽に声をかけてください。写真を差し上げます。
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