
桃井先生とツーショットを撮ったのは、千葉県立幕張総合高校。生徒数が全国の公立高校の中でも規模の大きい学校の一つです。1996年に千葉県立幕張西高校、幕張北高校、幕張東高校の3校が、8年後に千葉県立若葉看護高等学校が統合して誕生した全国有数のマンモス公立高校です。この日の午前中には千葉県立千葉中学校・高等学校を訪問していました。千葉高校は3年後に創立150周年を迎える伝統校で、一貫の千葉中学校は3年後に創立20周年を迎えます。学校の校門には、両校のプレートが掲げられていて、それぞれの対照的な歴史の味わいを感じさせられました。
この日、二人で千葉県の高校回りをしたのは、桃井先生から特徴ある教育内容を見学したいという要望を受けたからです。私が以前、千葉県の公立学校に勤務していたので、当時の縁を頼って両校をお訪ねしました。実際、千葉高校は学びの深さを重んじる、古き良き伝統を大切に守っていることが随所にを感じられます。私が20年ほど前に訪問した時に「千葉校ノーベル賞」という催しを見学したのですが、今も脈々と続いていて、高校生の探究活動がまとめられた立派な冊子をいただきました。こうした活動の成果が、東大の推薦合格に連続でつながったりしているそうです。
その千葉高校の探究活動の一端を支えてきたのが、小林岳人先生。地理の教師であり、競技オリエンテーリングの第一人者でもあります。競技オリエンテーリングといってもピンとこないかもしれませんが、国際大会も開かれているスポーツで、小林先生は今も現役の選手であり、運営側としても活躍してこられました。私は千葉県立松戸国際高校でご一緒したのですが、小林先生は千葉高校に転勤され、7年間を経て今年度から幕張総合高校に移られているのです。この日は授業で「estat」という、政府統計を閲覧・分析処理できるサイトを、生徒が活用している様子を見学させていただきました。これは実に「優れモノ」で、桃井先生とともに感激したのですが、千葉校の生徒たちも様々なデータを駆使して大学受験にも活用したとのこと。社会科が好きな人は、ぜひ覗いてみてください。学校を出た後、幕張の街と東京湾を見下ろす高層ビルでお話をさせていただき、心に残る千葉県訪問となりました。