このところ、総体などわが身の高校時代を思い出すイベント続きですが、だんだんコンサートもその一つ。最終学年の文化祭で、友人たちと”にわかバンド”を作って演奏した時のことです。当時はビートルズ全盛でしたから、ゲットバックやレディ・マドンナなどといったノリのいい曲を選び、私はギターを担当しました。ただ演奏といっても、島根県民会館の立派なステージとは程遠く、使用されていなかった旧校舎棟の、古びた木造校舎の一角だったのですが…。
なぜその場面を思い出したかといえば、つい先日、ベースを弾いていた友人が松江にやってきたのです。安里さんは福岡から、そして高橋さんは京都からやってきて、プチ同窓会。2人とも愛知県の中学・高校時代の同級生でしたので、思い出話に花が咲きました。生徒諸君には半世紀先のことなど想像もつかないと思いますが、当時の仲間や出来事など、不思議なほど鮮明に覚えているものです。私たちには甲子園とか、インターハイなどといった特別な体験はありません。しかし日々、自分たちが変化をしながら互いの成長を認め合う時間は、かけがえのない思い出が刻まれていくものなのでしょう。そして思い出の中でも楽しいのは、何といっても失敗談です。いつまでたっても笑い合える友人と失敗体験は、改めて貴重なものだと思わずにいられません。若いうちは失敗を恐れずと言いますが、実感する次第です。