骨董の道はどこまで行っても、安全ではありません、しかしそこに独自のスリルがあるから止められない。ある程度やると骨董が分かり始めた気分になり、大失敗。その失敗で学んで、もう大丈夫だと緩んでいると、更に悲劇は続くとなります。でもくじけないことです。
骨董をする人は根本的には楽観論者が多いようで、「オレだけは大丈夫だ」なーんて根拠のない自信で一杯でございます。お互いに気を付けて危ない道をゆきましょう。
それでは古伊万里の色絵の徳利をみてください。正面にヒビがあるように見えますが、これは表面の透明のガラス性の釉薬の熱が上がらなかった証明です。これは貫入と申しますが、キズの内にははいりません、しかしない方がベターでございます。
もともとはこれくらいの大きさの色絵の古伊万里の徳利は数が少ないので高価でしたが、いまや時代は変わりました。激安くなりましたので、今の内にお求めください。
この手の徳利のひねくれた見どころは後絵の問題があります。これは白磁の大きな徳利(本物)が大量に残っておりますので、白磁の徳利に色絵の釉薬を塗って窯に再度入れて焼けば、あら名品の誕生ということです。でも古伊万里の絵には独特の”言い回し”と言いますか、絵柄の論理というものがありますので珍しい色絵の絵柄を見たらまず疑いましょう。