軽井沢文化遺産保存

軽井沢文化遺産の保全活用と次世代継承

吉村順三・軽井沢「ハーモニーハウス」とシェアハウス3号室 2015年10月

2015年11月30日 | 歴史文化遺産
 10月24日、シェアハウス3号室に滞在中のIさん(京都の画廊のオーナーさん、女性)を訪問する。前回の訪問9月22日以来、ほぼ1ヶ月ぶりである。Iさんはご夫妻でパリに行かれていたそうである。9月26日から10月20日まで版画の買い付けをし、さら南仏でバカンスを楽しまれたとか。
 Iさんは毎夏、軽井沢で避暑をされるが、これまでは夏場のみで、9月、10月に長期滞在されるのは初めてだそうである。
 吉村順三設計の「ハーモニーハウス」は、昭和58年に建てられた夏用の木造研修施設で、窓は木製枠で、アルミ製ペアガラスなどではない。朝晩は大分冷え込むので、寒さ対策が大変らしい。電気カーペットや共用施設で電気調理具などをいちどきに使うと、たちまちブレーカーが落ちてしまうそうである。ヒートテックの重ね着などで凌いでいるとか。
 このような不便さはあるものの、Iさんは、軽井沢の夏と秋を十分堪能したそうである。
吉村順三設計の建物に住み、音楽ホールの上階で読書、CDで音楽鑑賞、太極拳、お茶などで至福の時を過ごし、広い敷地内を散策、飽きることがなかったという。シェアハウスの住人同士の交流、ハーモニーハウスカフェを訪ねてくる人たちとの交流なども、これまでの軽井沢での避暑では経験できなかったことで、新鮮かつ有益であったそうである。
 ところでハーモニーハウスカフェは、今夏は11月1日まで営業、2日以降、冬季休業に入るので、10月31日、筆者は、ハーモニーハウスへ今夏最終のお茶をしに行った。ブレンドティーをガラスポットで頂く。秋色が映える。
 同時に、シェアハウスを退去する準備で忙しいIさんを再び訪問した。秋色が深まり、Iさんは、その後、夜は十分な暖房対策ができぬシェアハウスには寝泊りせず、友人の別荘にお世話になっていたそうである。3号室は、荷物が運び出され、がらんとしつつあった。
 結局、7月1日から11月1日まで(賃貸契約期間)、Iさんが軽井沢で長期滞在を堪能できたのは、ひとえに吉村順三設計の「ハーモニーハウス」という魅力的な建物とその良好な環境のせいであったようである。
 そして筆者は、3号室で避暑を楽しんでおられるIさんを7月から10月までほぼ1ヶ月おきに5度訪問したことになる。その訪問日とブログはつぎのとおりである。7月19日訪問(7月21日のブログ)、8月18日訪問(8月20日のブログ)、9月22日訪問(9月28日のブログ)、10月24日訪問(11月30日のブログ)、10月31日訪問(11月30日のブログ)


10月24日、シェアハウスまえの紅葉がみごとである。


10月24日、カフェ全景、真ん前にある桂の樹は早めに葉が散ってしまった。厨房棟(右手)背後の黄葉がきれいだ。


10月24日、Iさんの3号室、この日は暖かったので窓は全開、右手に電気ストーブがある。籐椅子はハーモニーハウスのもので、貸与されている。


10月24日、3号室の全開された窓から左手にカフェ棟がみえる。窓辺の半円テーブルはIさんのお気に入りで、軽井沢の家具屋さんで3号室用に購入されたそうである。窓辺の木材(角材)の一本手摺りは経年により汚れていたが、Iさん夫妻が何度も水拭きして綺麗にしたそうである。


10月24日、3号室の全開された窓から右手にメロディハウス(会員制宿泊棟)がみえる。


10月24日、カフェのオープンデッキからの紅葉がきれいだ。


10月31日、冬季休業に入る直前、いつものテーブルでブレンドティーをいただく。


秋色漂う東屋、ここで野外コンサートを聞きたかった。ペイネの版画でよく描かれる「音楽堂」を連想させる。


10月31日、退去の為、荷物の運び出しでガランとした3号室、4本の窓はすべて閉め切られている。


10月31日、シェアハウス前の紅葉は、依然、きれいだ。


10月31日、3号室の閉め切られた窓から左手にカフェ棟デッキがみえる。右前方の窪地には小川があるが、普段は水が流れていない。


10月31日、吉村順三設計の「メロデイハウス」(会員制宿泊棟)、今夜の宿泊者がすでにカフェにみえている。暖炉が使用されるそうで、煙突が妙に印象的である。すでに年末年始は予約済みだそうである。吹き抜けのDKには、イサム・ノグチの和風照明が点灯、中央には黒いグランドピアノがあり、左手には暖炉がある。つきあたりの壁のところにはキッチン設備がある。



















コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする