若き眸

2005年度学級通信

「一歩ずつ」(18)

2004-12-04 00:36:37 | Weblog
■ 「一歩ずつ」(18)

                   岩堀 美雪(福井県 服間小学校)
                    minmin@sky.hokuriku.ne.jp  


今回は、子供たちに1本取られた話です。福井豪雨の後、インターネットで
「心のケア」について検索していたとき、たまたまストレスマネジメントと
いう言葉を見つけました。更に色々調べていくと、「アサーション」という
言葉が。

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、「アサーション」を簡単に説明す
ると、「自分も相手も大事にするコミュニケーションの方法」です。その方
法を色々な視点から学習するのが、「アサーショングループワークトレーニ
ング」です。

実は、今のクラスで友達に対して攻撃的な言葉を使ったり、上から見下した
ように言ったりする子のことが気になっていました。今年の研究テーマに
「コミュニケーション能力を磨く」が取り上げられていたこともあって、校
内研究授業で挑戦してみました。全6時間。道徳と、学活と、総合の時間を
使いました。

どんな感じかというと・・・。例えば、友達に本を貸して返ってきた時にあ
るページが汚れていたとします。それに気づいて 

(1)相手だけを大事にして無理に黙って我慢する子(もじもじさんと名付
   けました)

(2)一方的に、「あなたが汚したのね、もう絶対に貸さないから。弁償し
   て。」などと自分ばかりを大事にする子(いばりっ子さんと名付けま
   した)

(3)相手に汚れたわけを尋ね、「知らない。疑ってるの?」と言われると、
   「いや、そうじゃないよ。どうしてこうなったのか知りたかっただけ。
   他の人にも貸してあげたから聞いてみるね。」と、自分も相手も大事
   にする子(さわやかさんと名付けました)

「友達編」「家族編」「先生編」と、それぞれ日常よくありそうな場面を設
定して、この3つのタイプの言い方について考えることもしました。

そして、ある日・・・。その授業中におしゃべりしている子がいました。2
回やんわりと注意した後の3回目。ついに、「静かにっ。」と大きい声を出
しました。しんとなったその瞬間「えっ、もしかしてこれっていばりっこさ
ん?」と思い、「あ、今の先生ちょっといばりっこさんだったかな。」って
口に出てしまいました。すると、すかさず口の達者なY子さんが、「先生、
まだまだ修行が足りませんよ。」「ホントだ。先生ももっとこれから勉強し
ないと。よーし、がんばるぞーっ。」Y子さんに見事に一本取られました。

この後、授業中の私語は周りの人にも、話している人にも迷惑をかけること
を話しました。でも、これまたよく考えれば、私語が出ないくらい集中させ
られないのはまだまだ私の腕が未熟なんですよね。

ああ、2004年もこうして過ぎようとしています。よーし!2005年は、
さわやかさんを目指そう!それから、子供達が「気がついたらしゃべる暇も
なかった。」っていう授業を少しでも増やそう!と、まだまだ課題が多い私
です。