歌うKANOKO

クリスタルボイス
Singer 野村佳乃子のひとりごと

野毛でジャンゴ

2010-11-15 | Weblog

この前

高校時代の友達に、横濱は野毛の楽しいお店に色々連れて行ってもらった

彼女が東京に住んでいようと、ヨーロッパに住んでいたときも

いつでも大切な友達だと感じ続けてきた。

 

自分が歌を歌い続けている理由は一つじゃないけれど

アーティストである彼女の存在自体が

私に「私も頑張ろう!」と常に励ましを与え続けてきてくれた。

だから、

時を超えてこうして親しく会えるのはなんと幸せであるのことよ。

 

横濱は好きで月に何度も行くけれど

友達が連れて行ってくれたのは、初めて行くお店ばかりだった

 

横濱は面白いところ。。何度も言うようだけれど、街自体に不思議なオーラがある・・・

いまどきどんどん作られている再開発の鉄骨とガラスの寒々したビル街とは違い、

長年の風雪のせいだけじゃない、街にしみ込んだ人々の想いがそこかしこにあふれている。

人間が主人公の町って感じがする。

はじめてきたのに懐かしいっていうかあったかいっていうか…緊張感が無くていいねえ。。

 

お店の名前も場所も忘れてしまったが

どこもまた行こうと感じるところばかりだった。

また友達に連れて行ってもらえば行ける。

通りすがりにあったお店

怖いもの見たさで入ってみたいようなみたくないような(笑)

「殿様商売」っていう看板が気に入りました。

 

そんなユルさも横濱ならでは・・・良いわいなあ。。

 

最後に寄った店のバーカウンターに座り、

ハイボールを飲み、

店主が「ハイ!お待たせ、フレッシュなドライフード!!」と元気よく乾きものを出した。

なんだか楽しいぞ。

 

お父さんのお店を引き継いだというその店は壁にギッシリジャズのレコードが並んでいた。

 

ちょうど音楽が途切れ、

「なにか聴きたいレコードありますか?」と訊かれた。

「好きなのかけてくれるんですか」

「はい、どうぞ、仰ってください」

 

うわああいいなああこういうの

こういうお店懐かしい。久しぶりだあ

 

こんな嬉しくて心の深いところに灯がともっているような・・・そんな夜は

私は「ジャンゴ」と呟いてしまう。

後にも先にもジャンゴしかないような気持ちになってしまうんだ。

 

私が「ジャンゴありますか」と返事すると

店主はあらたまった顔つきになり、脚立を持ってきて、

棚の一番上にあるジャンゴ・ラインハルトのLPレコードを引っ張り出して

画筆でそっと埃を払い、レコードを愛しきものとして、丁寧にターンテーブルに乗せた。

 

あの懐かしくて気が狂いそうに素敵な音色が聞こえてきた

 

ジャンゴの音楽・・・

魂をすっかり掴まれてしまうような、とびきり魅惑的な、あやしくて危なっかしくて

とてつもなく自由で、ゆったりしている…なのに何かが私の中で疾走するのだ。

 

「ううう…ジャンゴは最高だあああ」私は思わず呻くように嘆息してしまった。

 

大切な友達と夜とジャンゴがある。

 

この日それ以上何を望む?


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