梅雨らしい天候です。
昨日はしっかりと自転車ロード練習に勤しみましたが、今朝は雨模様だったので休みました。
【昨日の朝練】
コース:見山ループ
走行距離:79.77km
獲得標高:1,444m
消費エネルギー量:1,678kcal
今の季節、走られる時に走っとかな!です。
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標記の題名で配信された、米国国立衛生研究所(National Institute of Health)のニュースレターを転載します。原文は
こちら。
アメリカ人の肥満はえげつないから、膝関節変形症も多そうやなぁ。
【健康な動作:人体のメカニズムについて】
我々が毎日行なっている全ての動作(歩く/階段を登る/キーボードを叩く/ドアノブを回す/物を持ち上げる等)について考えてみよう。その時、骨/筋肉/関節は協調して動き、人体はそれこそ驚くべき動きを易々と実行する機械のようである。しかし、一般の機械と同様に、人体も摩耗や断裂に苦しめられる。人体がスムーズに動作するには、定期的な補修/メンテナンスが必要である。
科学者達は人体の動作を機械的な観点から研究し、その成果を基に、生涯を通じ出来る限り強く/柔軟に/機敏に動ける身体を作る方法を模索している。このような研究分野を生体力学と称する。生体力学の研究を通じ、人間の動き方(歩き方/立ち方/曲げ方)が、将来の身体の柔軟性、ひいては総合的な健康状態に影響を及ぼし得ることが明らかとなりつつある。
Jeffrey Weiss博士(生体力学、ユタ大学)は「いわゆる伝統的な機械/人体は同じ物理の基本法則に支配されている」と語る。人体の動きには力/バランス/重力等が関与している。Weiss博士は更に「生体力学とは、動作を支配する物理法則を生物学/医学の課題に応用するものである」と語る。
人体で主に動くのは骨/筋肉/関節である。人体には200本の骨と600個の筋肉が存在する。これらが協働することにより、我々は一日を通じて動くことが可能となる。
米国国立衛生研究所が資金を提供した研究の成果により、小児が運動する/遊ぶ際に発生しがちな筋肉/関節の損傷を予防したり、老人がより機敏に/自立して動けるようになる為の方法が開発されている。また、より精巧な人工関節を開発する研究も続けられている。更には、脳性麻痺/パーキンソン病といった運動障害の治療方法も開発された。
関節の傷害/痛みはよく見られる症状である。関節には、多方向に可動するもの(肩関節など)と、一方向にのみ可動するもの(膝関節など)がある。そして、関節な正常な可動域を超えた動作を強いられた際に障害が発生する。
Timothy Hewett博士(オハイオ州立大学スポーツ医学研究所代表)はこれまで、前十字靭帯と呼ばれる、膝の部分に関する研究を行なってきた。前十字靭帯は大腿骨と脛骨をつないでいる。前十字靭帯が過度に伸長される/断裂する際には「ポンっ」という音がする。急に動作を停止する/方向変換を行う競技(バスケットボール/テニス/サッカー等)の選手は、前十字靭帯を損傷する危険性が高い。
Hewett博士らは、人体の動作を研究する際に「モーションキャプチャー」と呼ばれる技術を使用する。それは、硬貨程度の大きさのマーカーを被験者の関節や筋肉に貼り付け、様々な動作(ラン/跳躍/歩行/捻り等)をさせてその様子をビデオカメラで撮影し、コンピュータに取り込む。取り込んだ動画を基に3-Dアニメーションを作成し、解析する。ハリウッドのアニメ映画(”シュレック”や”アバタ=”等)を作成する際に用いられたのと同じ技術である。
Hewett博士は「モーションキャプチャーを用いることにより、『適正な動作』と『不正な動作』が判別出来るし、人体が発揮している筋力も測定出来る。また我々は、生体力学の知識を、アスリートが受傷の危険性が高いかどうか、及びその理由を推測するのに利用している」と語る。
Hewlett博士らの研究グループは、前十字靭帯の損傷を誘発し易い動作を同定した。例えば、跳躍後の着地時に膝が内側に倒れ込む傾向があるアスリートでは、前十字靭帯が断裂する危険性が高い。このように危険性が高いアスリートが特定出来れば、コーチ/トレーナーらは当該部位を強化するトレーニングを課したり、より安全な動作を指導することが可能となる。Hewett博士は「この知識を基にし、前十字靭帯が損傷する危険性を30~35%低減せしめることが可能なことが証明された」と語る。
モーションキャプチャーの技術は、老人が転倒に伴う負傷を避ける方法を学習するのにも利用されている。Clive Pai博士(理学療法士/研究者、イリノイ大学シカゴ校)は「我々は、予期しない環境(例:滑り易い床)に置かれた老人が、その環境に適応するべく自らの動作を修正する事をどう学習するかを研究している」と説明する。
転倒は、老人にとって特に重大な問題である。というのも、老人は骨折しやすいからである。アメリカ合衆国では、160万人/年以上が転倒に伴う負傷によって救急車で病院に運ばれている。Pai博士は「転倒によって様々な損傷が発生するので、これは社会にとっても大きな問題である」と語る。
バランスをとる能力/筋力を向上させる運動により、転倒を避ける事は可能である。Pai博士らのグループは、実験施設内で不安定な(但し安全な)床面を歩く運動をさせることにより、転倒を避ける能力が向上し得ることを明らかにした。Pai博士は「65歳以上の人であっても、事前に2~3回程度”予行演習”しておけば、不安定な環境に適応して姿勢を維持するのは可能である」と語る。
運動障害の治療方法の開発においても、生体力学が応用されている。Weiss博士は、人間が歩いたり階段を昇降する際に股関節にどのような負荷が加わっているかを、コンピュータモデルを用いて調べている。具体的には、健常人の股関節と、股関節異形成を患っている人の股関節を分析している。Weiss博士は「股関節異形成により、股関節の安定性が損なわれ、結果として関節炎の発症につながりうる」と語る。また、上記のコンピュータモデルを応用することで、医師が適切な治療方法を検討したり、手術が適している患者を判別することも可能となる。
脳性麻痺/パーキンソン病/多発性硬化症の患者たちも、生体力学を応用した分析による恩恵を受け得る。Diane Damiano博士(米国国立衛生研究所医療センター生体力学研究リーダー、理学療法士)は「我々はモーションキャプチャーを用いて上記の患者の歩行動作を解析し、問題点を探索している。目的は、上記の患者が自らの筋力を向上させること、及びバランス能力/運動時の身体各部の協調性を獲得するのを手助けすることである。また、上記の患者が移動する際の脳の活性部位も調べている。それにより、特定の動作が脳のどの部位に支配されているかを明確にする手がかりが得られると考える」と語る。
身体の柔軟性/機敏性を維持し続けたいと願う人にとっては、筋力の強化/関節の位置の適正化が重要となる。Damiano博士は「全ての人にとって『動ける』ことが必要である。我々の目的は、全ての人がその年齢/健康状態に関係なく、より良く動けるようにすることである」と語る。