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泌尿器科が好きなタダのおっさん

_とある医局の風景をつづります_

魔法の薬がPSAに与える影響とは?

2008年04月14日 14時26分13秒 | 雑用
こんにちは。もっちです。ここ数日間は兼六園の桜も満開・・・とテレビや新聞では話が出るものの、なかなか観に行く機会?がありません。今週には医局・病棟・外来・その他合同で観桜会が予定されていますが、それまでは何とか散らずに咲いていてほしいものです。

前回は魔法の薬、プロペシアについて紹介しました。とある業者の人に伺いますと、インターネットでキーワード検索した場合、該当する件数がすごい速さで増えているそうです。世間での脱毛症に対する関心の強さがうかがえます。そういえば、おじさん方向けの、何とかいうファッション雑誌が売れていることからも分かるように、男性型脱毛症について関心を持ち、治療したいと思う人がどんどん増えているのでしょう。実際、プロペシア1mg/を3年間継続して内服することで、98%に抜け毛の進行抑制・改善効果が認められたとの報告があります。副作用の発現率も少なく、安全のようです。

しかし、我々泌尿器科医としましては、1つだけ危惧する心配事があります。PSAに与える影響です。いろいろ文献を調べますと、6-12ヶ月の投与によってPSAが40-50%低下するようです。このことを知らずに内服を続け、前立腺癌の検診でPSAが基準値内だと喜んでいると、実は本当のPSAはその2倍、つまり異常だったという話だって起こりえます。こういった背景があって、じゃあ内服するのをやめたらPSAはどうなるの?戻るの??いつになったら元どおりになるの???いう疑問が出てきません?よくよく調査しますと、過去に研究されたケースはほとんどないことが分かりました。そこで、我々はこういったおじさん方の少しでもお役に立てばと思いつつ、調査に乗り出しました・・・。


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