Null pointer exception /* No.1 */

「うぜえYO！！！」


激しく蹴り飛ばされたcharの*p1は尻餅をついた.


今日も始まるいつものclassの光景.
蹴り飛ばしたのはintのi.
隣にいるfloatのaveもケタケタ笑っている.

*p1は腹を押さえてうずくまり、
目には涙を浮かべる。
この分だとしばらくは立てないだろう.


「中身NULLの癖に生意気なんだよ！！」


iの暴力は止まらない
まるで彼がありきたりな変数名であるというコンプレックスを
*p1にぶつけているようでもある
もっともそれは禁句だが.
それに、彼の参照するアドレスがNULLというのは
決して事実ではない.


*p1は非常にデリケートで初心者が下手に関われば一発で
エラーちゃんがストームちゃんしてしまうという
とっつきにくさもあってか元々敬遠されていた.
ここはshokyu_nyumon_sample1.cppだ
ぱっとした印象や判りやすいイメージが
そいつの全てになりやすい
言うなれば彼も犠牲者だった

そしていつしか彼＝NULLという
たちの悪い噂を誰かが付け加えたのだ



蹴られてよろけた*p1は
class 5-1でも美人と評判のchar valにぶつかってしまった

「ちょっと！！！近寄らないで！！！」

「てめえ何やってんだ！！！！」


iにひっぱられた*p1は床につっぷせられ
iの得意技　forループで殴られ続ける


「あーマジうざい…。あんたと一緒の型だけってだけで
　吐き気がすんのに。」



周りから一方的に外部変数のような扱いを受け
皆から阻害されている彼はclass homeでも同じだった
void 父()const{}はダメな男で誰の意見も聞こうとせず
自分では何も変えることは出来ないのに
息子をやたら叱る男だった

home::母(){};は生まれた時に死んでしまった
インライン化されてない為、彼は顔すら見る事が出来なかった


そう
彼は参照される事はなかったのだ
しかしそんな彼には唯一の友達がいた
隣の家の猫

virtual void タマ(){}である





つづく