キャリアも変えました。

これまでは5分間の無料通話がついていたのを
10分間無料のオプションがつけられる会社へ。
(その代わり、データ通信量はほとんど使用していないので、大幅削減)
というのも、
父へ電話した際、あまりにも言葉がゆっくりしか出てこないので
5分ではとうてい、十分な会話ができなくなったから。
親の老いに合わせて変えていくこと、これからもいろいろ
出てくるのでしょう。
その父から、先日電話があり
「・・・庭で、転んで、ひざをしこたま打って、流血した」
この一年で、もう何回転倒していることか。
医者に行っていないというので

足以外で痛いところない?」と、思いつく限り“問診”し、
「包帯ぐるぐる巻きにしたから、よくわからないんさ。
…じゃ、とってみようか」と、電話をつないだまま包帯を外し
-だいじょぶみたい。血は止まってた。ちょっとまだ赤い。
……ここまでで、すでに10分以上経過
(今回は父からの電話なので、私の電話代は関係ないけれど)。
骨折や、菌の感染はなさそうなのでほっとしましたが
とにかく、辛抱強く話を聞いて、辛抱強く話しかけるしかありません。
おそらく父も、この間の圧迫骨折があって以来、
怪我に臆病になっていて、医者へ行こうか様子を見ようかの判断も
自信がなくなっている様子。

菌感染の疑いがあるから、お医者さんに行ってね」と言ってから
-何につまづいたの? 水まきのホース? ああ、庭に出しっぱなしの。
洗濯物取り込もうとして? じゃ落ち着いたら、危なくないところに除けておこうね。
そして
ともあれ災難だったね、転んだときびっくりしちゃったでしょ、なんて
フォローしたら
「……こんなことで電話して、申し訳ない」
私にとっては意外すぎる言葉に、ひどくうろたえてしまい
「えっ、申し訳ないだなんてぜんぜん思うことないよ。
電話してくれる方が声きけて嬉しいし、安心するし」と、内容とは裏腹に、
早口で何だか責めてしまうような口調になってしまいました。


私が5年前に企画構成等で関わった、終末期医療の本

…の帯に、こんなキャッチがあります。
「死にたくない。でも生きているのが申し訳ない」
これは一緒に組んだチームメンバーがつけた文言ですが、
この当時は、もちろんこの心情は理解できるけれど、
自分の親から言われる日がくるなんて、想像していませんでした。
父は、もしかしたら
「自分が何か下手なことをしたら、子どもたちや周りに迷惑がかかる」という
緊張感の中で、日常生活を送っているのだろうか。
若いころは私のピアノの送り迎えなどまめに世話してくれて
その後、祖父の面倒を誰よりもよくみていて
そんな父が、いざ自分が老いたときに「申し訳ない」と思うのは
あまりにも理不尽だ。 と思ったのと
独立独歩な性分で「一人で好きにやりたいんさ」と、飄々としていた父が
こんなことを言うなんて、とショックで
しばし、考え込んでしまいました。