goo blog サービス終了のお知らせ 

神奈川絵美の「えみごのみ」

申し訳ないだなんて、言わないで

先日、4年経ったスマホを一新し
キャリアも変えました。



これまでは5分間の無料通話がついていたのを
10分間無料のオプションがつけられる会社へ。
(その代わり、データ通信量はほとんど使用していないので、大幅削減)

というのも、
父へ電話した際、あまりにも言葉がゆっくりしか出てこないので
5分ではとうてい、十分な会話ができなくなったから。

親の老いに合わせて変えていくこと、これからもいろいろ
出てくるのでしょう。

その父から、先日電話があり

「・・・庭で、転んで、ひざをしこたま打って、流血した」

この一年で、もう何回転倒していることか。

医者に行っていないというので

     「足は動かせる? 血は止まった? 腫れて熱もってたりしない?
        足以外で痛いところない?」と、思いつく限り“問診”し、

「包帯ぐるぐる巻きにしたから、よくわからないんさ。
…じゃ、とってみようか」と、電話をつないだまま包帯を外し

-だいじょぶみたい。血は止まってた。ちょっとまだ赤い。

……ここまでで、すでに10分以上経過
(今回は父からの電話なので、私の電話代は関係ないけれど)。

骨折や、菌の感染はなさそうなのでほっとしましたが
とにかく、辛抱強く話を聞いて、辛抱強く話しかけるしかありません。

おそらく父も、この間の圧迫骨折があって以来、
怪我に臆病になっていて、医者へ行こうか様子を見ようかの判断も
自信がなくなっている様子。

  「もしずきずきしてきたり、ぱーんと腫れあがったりしたら
菌感染の疑いがあるから、お医者さんに行ってね」と言ってから

-何につまづいたの? 水まきのホース? ああ、庭に出しっぱなしの。
洗濯物取り込もうとして? じゃ落ち着いたら、危なくないところに除けておこうね。

そして

ともあれ災難だったね、転んだときびっくりしちゃったでしょ、なんて
フォローしたら


「……こんなことで電話して、申し訳ない」


私にとっては意外すぎる言葉に、ひどくうろたえてしまい

「えっ、申し訳ないだなんてぜんぜん思うことないよ。
電話してくれる方が声きけて嬉しいし、安心するし」と、内容とは裏腹に、
早口で何だか責めてしまうような口調になってしまいました。

(申し訳ないって、やっぱり思ってしまうものなのかな……)


私が5年前に企画構成等で関わった、終末期医療の本


…の帯に、こんなキャッチがあります。

「死にたくない。でも生きているのが申し訳ない」

これは一緒に組んだチームメンバーがつけた文言ですが、
この当時は、もちろんこの心情は理解できるけれど、
自分の親から言われる日がくるなんて、想像していませんでした。

父は、もしかしたら
「自分が何か下手なことをしたら、子どもたちや周りに迷惑がかかる」という
緊張感の中で、日常生活を送っているのだろうか。

若いころは私のピアノの送り迎えなどまめに世話してくれて
その後、祖父の面倒を誰よりもよくみていて
そんな父が、いざ自分が老いたときに「申し訳ない」と思うのは
あまりにも理不尽だ。 と思ったのと

独立独歩な性分で「一人で好きにやりたいんさ」と、飄々としていた父が
こんなことを言うなんて、とショックで
しばし、考え込んでしまいました。

コメント一覧(10/1 コメント投稿終了予定)

kanagawa_emi
セージグリーンさん、お見舞い申し上げます。
嗅覚、早く戻るといいですね。ご飯がおいしくないですものね…。
ラゲブリオ、まだ公費でしたっけ。秋以降に罹りたくなーい^^;
マスクは医療機関へ行くとき以外はつけていないのですが
用心しますね。

不寛容、確かにそうかもです。
まじめに生活している高齢者が萎縮しない世の中に
なって欲しいものですね。
命、満ちるまで…いい言葉ですね。
セージグリーン
膝を強打されたとは、、、どんなに痛かったことでしょう。お皿が割れなくてよかっやですね。
お父様のお気持ちも、絵美さんのお気持ちも両方分かりますよ。
重々お気を付けていらっしゃるのでしょうが、ほんのちょっとしたことで怪我をしてしまうのが、歳を取ると言うことですものね。
老いることが申し訳ないだなんてお思いになるのには、今の世の中が
段々不寛容になってきているからかもしれません、哀しいです。
私の母も「まだ生きててごめんね」と言ったことがありますが、
知り合いの女医さんが脳出血で倒れられ、その後懸命にリハビリに励んでいらっしゃる姿を見て、「早く死にたい」と思ったことは、とんでもない心得違いだと言っていました。命が満ちるまで、一所懸命生きなくてはと。

ところで絵美さん!私もついにコロナに感染し(先月10日に発症、7日ほどで
完治)、貴重な経験をしました。高価な新薬ラゲブリオが奏功し、ごく軽症で
済みましたが、まだ嗅覚が完全には戻っていません。
でもこれで、ワクチンー感染のハイブリッド免疫獲得です。
マスクもしていたし、感染経路は不明なんですよ〜お気を付けくださいませね。
kanagawa_emi
香子さん、こんにちは。
私の方は、もしかしたらご主人様と似たようなスタンスで
いたのかも知れないなあ…しっかりしているから、任せて
おいて大丈夫だろう、みたいな。

上手に頼る、って大事ですよね。私もなかなかできない性分
なので、身につまされます。
香子
あぁ、お父様の気持ちもわかるなあ。
その独立独歩の性分…甘え下手なんですよね。
ワタシも少しずつ頼るようにしないと。
今回の入院も家人はワタシが歩けないほどだったのを
ギリギリまで気づいてませんでしたから (-_-;;;
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。

※ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「その他の話」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事