ポインセチア帯+紅花紬で向かったのはコチラ。

目白の日本女子大学 成瀬記念講堂。ココで

文楽の人形遣いで、今年人間国宝になられた
三世 桐竹勘十郎さんのご講演がありました。
とても重厚感ある、立派な建造物で

思わずきょろきょろ。

天井も高くて、味わいのある造り。
そんな舞台のほぼ中央に、野崎村のお染ちゃんがいて
ほかにもお人形の足や手、頭が並んでいて
(中には、140年もメンテしながら使い続けているパーツも!)
勘十郎さんは100名ほど集まった受講者を飽きさせない
軽妙な話術で、
文楽の歴史や人形遣いの仕事紹介、そして
「これ、あまりほかで言っちゃうと、興ざめする人もいるから」と
暗に“ここだけの”としてお人形さんの手足や頭のマニアックな仕掛けや
遣い方などをたくさん、お話ししてくださいました。
なので、ここでもあまり書けないのですが
ともかくも、驚いたのは
勘十郎さんがひょいっと頭を持っただけで
そのお人形(の頭)がにわかに、生きているかのように見えたこと。
そして、頭しか持っていない(衣裳もなし)のに
上を見たり、にらんだり、泣いたり…といったしぐさを
デモンストレーションするたび、魂が宿っているように見えたこと。
衣裳がなくても、頭をもった手の肘はぶれずに固定させ
この辺が肩、胸、背骨、腰…と意識して
「上を見るときには胸から反るように」とか
「ものを持つときには、まず視線を持つものに合わせてから」とか
生きているように見せるポイントを、いくつか教えてくださり、
人形遣いと、お人形さんは一体なんだなあ、と改めて思いました。
衣裳の衿付けの話も興味深く
ほんの数ミリ、衿を抜いたり幅を広くしたりするだけで
そのお人形が町娘なのか、お姫様なのか、遊女なのか…など
役柄が決まってしまうそう。
こちらも、改めて「衿って大事なんだなあ」と…
…自分がきものを着るときにも、意識しようと思いました。
最後に、音源に合わせてお染ちゃんの口説きの部分が3人遣いで
実演され、大満足。
約1時間半の講演でしたが、あっと言う間でした。

目白駅まで戻って、お友達とお茶。
今回、ご一緒したのは

エヴァ初号機の限定“公認”博多帯に、
仕立て上がったばかりという変わり碁盤目のような小紋をお召しの
Kさんと
そのKさんに合わせて“0号機”を意識したという、モダンな帯が印象的なKKさん。
かき氷の名店「志むら」でしたが
北風が吹く中、冷たいものは食べられず、
ぜんざいや白玉でほっこりとしながら、しばし伝芸談義。
やっぱり、着物で集まるって楽しいなあ。
帰りがけ…

新宿駅の南口から観た満月が、澄んだ空に映えてキレイでした。