38年前、一人遣いの人形を主役にした作品を書いた
人形遣いの人間国宝 桐竹勘十郎さんが
故 豊竹嶋太夫さんの元に、語りをお願いしに行ったときに
言われた台詞だそう。
つめ人形-決して話の中心になることはない、
ちょっと出て舞台の"賑やかし”になればいい、そんな
端役中の端役。…が、
「俺も三人遣い(頭、左手、足遣いの3人で遣ってもらえる、
主要な役どころの人形)になりたい!」と言って奮闘する
そんな、笑いあり悲哀ありの舞台を、銀座へ観に行きました。
着ていったのは……

予定していた白大島&コスモス帯に、
最初は写真右の、透かし模様の入った帯留を合わせていたのですが、
花にとまる、トンボもいいなと思い、
左のブローチに替えました。
前はこんな感じ。

後ろはこんな感じ。

着物&ブログ友 KKさんと
文明堂カフェでランチし、歌舞伎座 木挽町広場を冷やかしに。

KKさんを激写💛

さらっとした地風の藍色の着物に、
同系の型染帯。帯留も帯飾りも素敵!
私も撮っていただきました。

この日は、レーシーな黒の羽織を着ていきました。
文楽の方は……

何しろ、つめ人形を人間国宝が遣うなんて
滅多にみられないので
(昔は人手が足りず、大御所の方もツメに駆り出された、なんて
こぼれ話も)
貴重な舞台。そしてなんと表情豊かなこと!

こちらは勘十郎さんのFB投稿(公開記事)。
ツメといえど、頭には「歴史あり」で、
「昔は、別のお気に入りの頭があったのですが、
それはとても古いもので(資料としての価値があるため)
永久保存にされちゃったんです」(勘十郎さん)
今遣っている頭は、弟弟子さんが徳島県の鳴門(人形を作る名人がいる)で
修行したときにつくったものだとか。
定例公演ではまず見られない
泣いたり、おどけたり、とまどったり……な、つめ人形の独壇場を
堪能しました。
舞台には、狐(勘十郎さんのマイ狐)や犬、三人遣いの猿(!)
そしてたくさんのつめ人形たちがわやわやと、ユーモラスで楽しかったです。
今回は舞台の前後に、この公演をプロデュースした
木ノ下裕一氏と勘十郎さんとの対談も。
「作品の長さ、文字では原稿用紙5枚くらいなんですけど、
曲(節回し)を三味線方につくってもらったら、
1時間にもなるんです」
「つめ人形と一口にいえど頭はたくさんあって
人形遣いは早い物勝ちで、自分のお気に入りの頭をとるんです」など
裏話をいろいろ聞くことができ、定例公演とは一味違う
アットホームで勉強にもなった、今回の特別公演でした。