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神奈川絵美の「えみごのみ」

漆(うるし)の小紋

この日は横浜方面へお出かけ。



通称「白鷹嬢」と呼んでいる、山形県の白鷹織に
沖縄県の川平織(深石美穂さん主宰「からん工房」)の帯を合わせて。
帯揚げはごく薄い紫、
帯締めはきねやさんの、やはり薄紫と薄桃色に染め分けられた畝打ち。
(先日、京都のきねやさんで聞いたところによると、
染め分けの畝打ちは工程が複雑なため、今は殆ど創られていないとか・・・)



後ろはこんな感じ。

色数も、柄も少なめで、着物も薄グレー系。
私には結構珍しい自称・森田空美風のコーデだ。


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一件、用事を済ませて、
山本きもの工房へ。
仕立て上がった袷の着物を迎えに行った。


京都で創られたものの、10年ほどずっと眠っていた生地。
写真では見難いが、赤、緑、銀糸で菱形の刺繍が施されている。
このうち、赤と緑は漆糸を使ったもの。
漆で染めた箔を糸に巻きつけているそうだ。
「今、漆糸を扱っているのは京都で一件だけ。
しかも糸は新規に製造されておらず、在庫を出しているそう」
と山本秀司さん。

見ての通り白地なのだが、白生地のままでは黄色く変色することも考えられるので
上からごく薄いクリームがかった白色をかけた。

今回は通し裏にして(写真右下参照。袖の振りから薄青の裏が見えます)、
裏地はオーダーで染めていただいた。
「あれっ」と思わせるアイスブルー。

漆糸の赤&緑はクリスマスも思わせるし、
裏をブルー系にしたことで、全体的に「冬」のイメージに。
(裏がグリーン系だったら、たぶん春のイメージになったでしょう)

今のところ、合わせる帯を思案中・・・だけど、
冬の間に一度は着たいなあ。


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・・・と、次くる季節の話をしている一方で。

「今度の展示では、夏ものの新作を出す予定なんです」と山本さん。
生絹を使った絹100%※の「洗える夏生地」を開発したそう。



サンプルを見せていただいたが、
柔らかいのにハリがあり、しゃり感や透け感もあって
いかにも涼しそう。
丹念に水を通し十分縮ませてから仕立てに入るため、
家で洗えるとのこと。

お値段を聞いて、思わず「買います!」と言ってしまった
とってもリーズナブル。

山本きもの工房「ココロヨキモノ」展
12月1日(木)~4日(日) 11:00-19:00
詳細は、新設されたホームページでご確認ください。



※発色と染の安定のため、緯糸の一部に麻や綿を使用していますが、
 法律上、絹100%の表示が許されているそうです。

コメント一覧(10/1 コメント投稿終了予定)

神奈川絵美
すいれんさんへ
こんにちは
まったく、あのときのドタバタぶりといったら! お恥ずかしい・・・
まあでも一目ぼれした生地がお着物になって、また惚れ直しましたわ

洗える夏生地は、山本秀司さんのブログの方に、お値段が載っていたように記憶しています。
神奈川絵美
Tomokoさんへ
こんにちは
漆糸の織物、昔はたくさんあったようですね。
小説にも出てくるのですねー。あの、少し時代を感じさせる赤茶が何とも言えずいいですよね。
神奈川絵美
りらさんへ
こんにちは
白生地の色かけは、漆の部分は避けて・・・だと思います。

「洗える」生地、触った感じではとっても好印象なのですが、汗や摩擦に対してどうか、色落ちの可能性は・・・?など、さらにいろいろ聞いてみたいと思っています。
すいれん
http://www.tomoko-358.com
絵美さま
わ~、仕立てあがったんですね! このきものとの、あの運命の出会いに立ち会えて こうして完成を見ると人のきものながら、私も嬉しいです。ところで、洗える夏生地、気になります。お幾らだったのでしょう・・・。
Tomoko
http://okakara.exblog.jp/
お~これがお話に聞いていた小紋ですね~!カワイイ~!絵美さんによく似合いそ~♪
漆箔や漆糸を使った着物や帯は昭和のひところずいぶんと流行りましたよね(私も朱色の漆箔の帯、いまも大好きで場によって締めます)。時代ですかねえ、だいぶ以前から見かけなくなりましたし、今はもう一軒だけになったのですかぁ・・・。
有吉佐和子さんの「木瓜の花」でしたか、女主人公二人が最初に漆糸を織り込んだ生地が登場したころ(たしか戦後だったかな)の着物をめぐっての意気争いが書かれていて面白く読んだのを思い出しました。
りら
遂に!
「洗える」盛夏の絹物ができるのですねぇ。

漆糸の柄の上から色をかけられたというのを興味深く読みました。
柄部分はよけてかけたのでしょうか?
手をかけたお誂えを待つ気持ちは、ひとしおでしょうねぇ・・・・
お披露目を楽しみにしています。
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