超空洞からの贈り物

様々なニュースや日常のレビューをメインに暗黒物質並に見つけ難い事を観測する、知識・興味・ムダ提供型共用ネタ帳です。

金星大気の変化は火山活動か、循環か

2012年12月11日 21時57分09秒 | 宇宙
 欧州の探査機「ビーナスエクスプレス」により、金星の上層大気に含まれる二酸化硫黄の量に急激な変化がとらえられている。その原因は金星の活火山か、それとも大気の循環か。研究者らは隣の惑星の謎を追っている。

 金星の表面は数百個の火山で覆われていることがわかっているが、それらが活火山であるかどうかについては議論が続いている。これを調べるのがヨーロッパ宇宙機関(ESA)の探査機「ビーナスエクスプレス」の重要なミッションの1つだ。

 ビーナスエクスプレスは既に、地質学的に最近といえる数十万年から数百万年前に金星で火山活動があったことを示す証拠を見つけている。金星表面からの赤外線放射を解析した前回の調査では、火山周辺の地表とは全く異なる成分を持つ溶岩が火山の上を流れていることが示された。つまり、その火山は最近噴火したということだ。



 さらに、ビーナスエクスプレスが金星に到着した2006年からの6年間にわたる上層大気の二酸化硫黄の調査からも新たな事実が浮かびあがりそうだ。

 二酸化硫黄ガスは匂いのある有毒なガスで、地球ではそのほとんどが火山活動によって発生する。金星の分厚い大気の中には、地球大気の百万倍を超える二酸化硫黄ガスが含まれており、そのほとんどは上層の濃い雲の下に隠れている。二酸化硫黄は太陽光によってすぐに破壊されてしまうからだ。

 ビーナスエクスプレスが2006年に金星に到着した直後、上層大気中の二酸化硫黄の濃度が突然増加した後、ふたたび急激な減少を見せ、現在では10分の1にまで落ち込むという興味深い現象をとらえている。このような二酸化硫黄ガスの減少は、1978年から1992年にかけてのNASAの探査機「パイオニアビーナス」による観測でも見られたものだ。当時は、火山の噴火で二酸化硫黄が急増した直後の減少期だったからというのが、もっとも都合の良い説明だった。



 「金星の上層大気で二酸化硫黄ガスが増加したら、それは何らかの事象によって最近運ばれたということです。二酸化硫黄のガス分子は太陽光によって数日のうちにすぐに分解されてしまうからです」(フランス大気環境観測研究所(LATMOS)のEmmanuel Marcqさん)。Marcqさんらは、二酸化硫黄の増加が火山活動に因るものなら、それは1度の大噴火ではなく複数の活火山による比較的安定的な活動によるものであると推測している。

 一方、フランス国立科学研究センターのJean-Loup Bertauxさんによれば、「スーパーローテーション」と呼ばれる金星大気の不思議な循環システムがこのような結果を生み出した可能性もあるという。金星の大気は地球のたった4日間で金星を1周する。金星の自転周期が243日であることを考えると、金星大気は超高速で回転しているといえるだろう。このような大気の高速循環は二酸化硫黄を瞬時に拡散させてしまう。

「パイオニアビーナスの観測結果もふまえてそれ以外の説明を考えると、金星で起こっている十数年周期の大気循環である可能性も考えられます。もしそうなら、金星の大気循環は思ったよりはるかに複雑だったことになります」「大気に残ったガスに見られる様々なヒントをたどっていけば、金星や、もしかしたらその火山の活動の様子がわかってくるでしょう」とのこと

2012年12月11日 ESA

まぁ結局、途中経過で確証はないけど…
なんらかの火山活動的なものはありそう

小惑星ベスタに謎の溝状地形

2012年12月11日 17時17分32秒 | 宇宙
 米探査機「ドーン」がとらえた小惑星ベスタのクレーターに不思議な溝地形が見つかった。どのようにしてできたのか、その詳細について今後議論を呼びそうだ。

 今日12月10日に衝を迎える小惑星ベスタ。NASAの探査機「ドーン」が2011年9月からの約1年の間に撮影した観測画像の初期解析が行われているが、その中から、比較的新しいクレーターに刻まれた溝状の地形が研究者達の目を引いている。


その1 フォンテイアクレーターに見つかった直線の溝地形

 溝状地形には2つのタイプが見られる。1つは画像1枚目のフォンテイア(Fonteia)クレーターに見られるような、比較的短く太い直線状のもの。これについては「砂などの乾燥した物質が流れた跡の典型的な見本。同様の地形は月にも見られ、ベスタに存在しても不思議はない」(「ドーン」研究メンバーのJennifer Scullyさん)という。


その2 コーネリアクレーターに見つかった曲線の溝地形

 だが、コーネリア(Cornelia)クレーターに見つかったもう1つのタイプは意外な発見となった。画像2枚目に見られるような曲がりくねった細長い溝状地形は、その多くがクレーター斜面のV字型にへこんだくぼみから始まり、他の溝と合流しながら葉状の堆積地に達している。

 こうした地形は、直線状のタイプとは違うプロセスで形成されたはずだ。研究者達はそのヒントを探るため、地球や火星、その他の小天体で撮影された地形と照合を行っている。「アリゾナ隕石孔など、地球上で見られる同様の地形は液体の水により形成されたものです。火星の地形についてはまだ議論が続いています。ベスタについても、結論を出す前にこの地形を慎重に調べる必要があります」(ドーン主任研究員のChristopher Russellさん)。

ドーンは今年9月にベスタを離れ、現在は次の目標である準惑星ケレスに向かっており、2015年に到着予定である。

2012/12/10 NASA

2枚目、何の影響なんでしょうかね?
こんな場所に水が流れてたとかはなさそうだし
もしかして大気の移動(風圧)とか?

詳しい調査結果が気になりますね

水星に有機物と氷が存在、NASA探査機のデータで判明

2012年11月30日 13時40分04秒 | 宇宙
 米航空宇宙局(NASA)は29日、水星の北極地域にあるクレーターに氷と凍結した有機物が存在することが分かったと発表した。



 水星の軌道上を周回しているNASAの探査機「メッセンジャー」が収集したデータから判明したもので、永遠に太陽の光が当たらないクレーター内で氷と凍結した有機物が確認できたという。氷と有機物は、いずれも数百万年前に隕石などが水星に衝突した際に運ばれてきたものだと考えられている。

 科学者の間では、水星は生命の存在に適さない星とされてきたが、太陽系の地球以外の惑星で有機物が見つかったことで、地球での生命の起源を探ったり、太陽系外惑星でどのように生命が進化し得るかを考察したりする上で、ヒントになる可能性もある。

 一方でNASAは、火星を探査中の「キュリオシティー」が行った1回目の土壌分析で、有機物を発見できなかったと明らかにした。

ロイターより


有機物ってどこにでも存在できるものなのか?

火星の放射線で人は死なないのか?キュリオシティの調査結果は…

2012年11月30日 11時18分37秒 | 宇宙
 火星表面の放射線は、国際宇宙ステーション内とほぼ同じ量だ。しかし、無害であるという確信を得るためには、火星にたどり着くまでの旅も考慮に入れなくてはならない。人類が火星に足を踏み入れる日は近づいているのだろうか?



 「宇宙飛行士は、火星で特別なリスクなしに生き延びることができるだろう」。サウスウエスト・リサーチ・インスティテュートのドン・ハスラーは、赤い惑星表面の放射線レヴェルに関するデータを解説しながらこう断言した。キュリオシティに搭載されたRAD(Radiation Assessment Detector:高エネルギー粒子測定装置)によって測定されたのだ。

 実際、RADが観測した放射線量は国際宇宙ステーションの内部で宇宙飛行士が受ける量に近く、火星に向かう長い旅の間にキュリオシティによって検出された量の約半分に等しい。 従って、「Space.com」が伝えているように、火星の大気(少なくともいまのところ、メタンガスは見つかっていないようだ)は、地球の大気よりもずっと厚みがないが(地球の大気のわずか1%だ)、それでも宇宙からやってくる粒子や紫外線の到達を防ぐことはできる。

 特に火星の放射線のレヴェルは、1日の火星の大気の濃淡の変化に従って上下するようで、3%から5%の変動がある。大気圧もまた、朝はより高く、夜はより低くなるが、これは太陽のもたらす熱と関連している。

 しかし専門家たちが説明しているように、火星表面の放射線レヴェルが低いとわかっても、この惑星に宇宙飛行士を派遣するのにまだ十分な根拠にはならない。実際に火星に行って、滞在して、戻ってくる旅のなかで乗組員たちが受ける放射線量の総量を計算する必要があるだろう。

 さらにキュリオシティからは、赤い惑星の気候条件についてのデータがほかにも届いている。REMS(Rover Environmental Monitoring Station:ローヴァー環境監視ステーション)という装置は、竜巻に似た事象の存在を発見した。これは短期間の気圧の低下、風の方向や速度の急速な変化、気温の上昇といった特徴をもっていて、これとともに自動探査車によって紫外線レヴェルの低下が検出された。

 しかし軌道上から観測される場合とは違って、 キュリオシティが地表のゲールクレーター付近で大きな視覚的変化を発見したわけではないようだ。科学者たちの仮説によれば、おそらく地球で起きるものとは違って、火星の竜巻は目に見えるようなかたちで塵を巻き上げないのだろう。

 さらにREMSは、火星の大気の気圧と厚みの1日の変化に加えて、予想されていた季節の変化も見つけ出した。事実、冬に南半球の氷床の中に閉じ込められていた二酸化炭素が、春に気圧の上昇に従って解放されている。

WIRED NEWS (ITALIAN)

実際問題、移住とかも数百年以内に出来そう…
ただ地球人(?)が火星を汚しても良いのか?

またも出現、土星の衛星のパックマン

2012年11月29日 23時16分50秒 | 宇宙
 土星の衛星ミマスに続いてテティスでも、その表面にパックマンのような不思議な模様を見せる温度分布が観測された。それぞれの公転運動によって生じた温度の違いが現れたものと見られ、土星の衛星の多様な環境について知見を与えてくれる観測結果となっている。

 土星に「パックマン2」が登場した。2011年9月にNASAの探査機「カッシーニ」が取得した土星の衛星テティスの温度分布図に、2010年に同じく土星の衛星ミマスで見つかったのと同様の、パックマンのような模様が見られたのだ(「衛星ミマスに見つかった、不思議な形の暖かい領域」)

 画像の青色の部分は、黄色の部分よりも低温の領域だ。青色の部分は天体の公転の進行方向に面しており、宇宙空間の高エネルギー電子がぶつかって表面の一部が硬い氷に変化する。そのために昼でも温度が上がりにくく、低温に保たれていると考えられる。ミマスの観測の際にも推測された原因だが、今回の発見でより確実になった。

NASA


惑星規模で規則正しい分布ですね
こういう地道な観測がその星を知る手がかりとなる

史上最大、太陽の170億倍という桁外れのブラックホール発見

2012年11月29日 14時52分50秒 | 宇宙
 ペルセウス座の方向に2億2000万光年離れた銀河の中心で質量が太陽の170億倍もある超巨大ブラックホールを発見したと、米テキサス大やドイツ・マックスプランク研究所などの研究チームが29日付の英科学誌ネイチャーに発表した。

 同大のマクドナルド天文台やハッブル宇宙望遠鏡による観測成果で、ブラックホールの観測史上最大規模。この銀河「NGC1277」の質量は太陽の1200億倍で、ブラックホールの質量はその14%を占める。ブラックホールの大きさも桁外れで、太陽系の一番外側にある惑星、海王星の公転軌道と比較すると、直径がその11倍もある。

時事どっとこむ


海王星の公転軌道と比較して
11倍とか言われても

理解の範疇を飛び越えてる
規模が大きすぎるとかではなく
イメージすらできない世界

2億2000万年前だから
今もあるとは限らないけど

火星の砂嵐を地表と上空から同時観測

2012年11月28日 00時20分25秒 | 宇宙
 火星で巻き起こる砂嵐は、地表の探査車の活動にも影響する。上空の周回機と探査車が砂嵐の領域とそれによる変化について共同で観測を行っている。

 火星周回機「マーズ・リコナサンス・オービター(MRO)」は11月10日から南半球の砂嵐を追跡監視している。MROのデータでは、砂嵐の25km上空の気温が11月16日以来25度も上昇していた。これはその高度にある塵が太陽光を吸収したためで、塵が上空に巻き上げられ、風で広がって「もや」となっていることがわかる。

 南半球だけでなく北半球の極域でも、大気循環によって一部局地的な気温上昇が見られる。塵のもやから離れたところにある探査車「キュリオシティ」がとらえた気圧の低下なども、同様の変化によるものだ。

 MROは砂嵐の状況を、約1400km離れたところで活動しているもう1つの探査車「オポチュニティ」に連絡した。砂嵐はそれ以上接近せず、オポチュニティの視界がやや曇った以外には影響は出ていない。

 もし砂嵐が火星の全球に広がっていたら大気中のダストが増え、オポチュニティの太陽光発電パネルに砂が落ちて大きな影響が出ていただろう。キュリオシティは放射性同位体熱電気転換器という発電装置から主な電力を得ているため動力の面での影響はないが、気温上昇の影響や撮影画像の画質低下は問題になるだろう。火星探査車の運用のためにも、砂嵐を監視する必要があるのだ。

 数十年にわたる火星探査から、火星最大の砂嵐には季節的周期があることがわかっている。現在の砂嵐の季節は、今から数週間前に南半球の春の到来とともに始まった。

 「今回のサイズの砂嵐は、このまま成長が止まるのもあれば、全球的規模まで成長するものもあります。どこでこのような違いが生まれるのかというのも、我々が知りたいことの1つです」(NASAジェット推進研究所のRich Zurekさん)。

NASAより

撮影手法が良く分かんないけど
欠損部分があるのが違和感…

でもこれだけで色々と分かるもんなんだねぇ
フルサイズの画像見てると行った気になる。

打ち上げのあの「ロケット」っていくらするん?

2012年11月26日 12時54分24秒 | 宇宙
一心に天を目指して昇っていくロケットの発射シーンは力強く、これを実際に見ると大きな感銘を受けます。ロマンのない話で大変恐縮ですが、この「ロケット」、いくらぐらいするのでしょうか?



○あのアポロ計画はいくらだったか!?

 アポロ計画は1961年から1972年にかけて実施されたもので、6回の有人月面着陸に成功するという華々しい成果を挙げました。このアポロ計画は、「1960年代中に月面に人間を立たせてみせる!」というアメリカの威信を賭けて推進されたプロジェクトでした。

 1966年にNASAはこの壮大な計画に対し「13年間で227億1,800万ドルになる」と予算報告をしています。専門家の推定によれば、実際にかかったのは1969年当時換算で約254億ドル、2005年換算で約1,350億ドルと推定されています。

 2005年の円ドルレート(1$=約113円)で計算すると、15兆2,550億円になります。ちなみにサターンロケットにかかった費用(宇宙船を含む)は合計830億ドルと見積もられています。日本円で9兆3,790億円(1$=約113円)。

 ちなみにアポロ計画(およびアポロ応用計画)では、合計23基のロケットが打ち上げられました。これを単純に割ると、1基あたり4,077億8,260万円になります。



○スペースシャトルのコストはどのくらいか?

 1981年から2011年にかかて運用されたスペースシャトルは「宇宙往還機」として花形でした。往還機は使いまわしするので安くつくという話で始まったのですが、結果はうまくいきませんでした。

 この30年間、計135回の打ち上げで費やされた費用は2,090億ドル。1$=80円で換算すると16兆7,200億円で、単純に割ると1回あたり1,238億5,185万円になります。ただ、2010年のNASAの公式発表によれば、1回のミッションにかかるコストは約7億7,500万ドルとのこと。1$=約80円計算で約620億円になります。

 ちなみにスペースシャトル自身の製造コストは、エンデバー号の製造時で約18億ドルとのこと。1$=約80円計算で約1,440億円になります。結果として高くついてしまったスペースシャトルですが、その果たした役割は非常に大きく、決してその成果が貶められていいものではありません。



○日本の国産ロケットはいくらか?

 日本の国産ロケットは非常に優秀です。安定していて信頼性も高く、ペイロードも大きい、世界に誇れるロケットです。現在運用されているのは最新型の『H-IIB』(エイチツービー)と呼ばれるものですが、この価格はいくらでしょうか。

 JAXA(宇宙航空研究開発機構)に伺ってみたところ、「2009年(平成21年)に打ち上げられた試験機1号機が約147億円。2号機以降の価格は開示していませんが、それよりも下回る価格でしょう」ということです。というのは、製造は三菱重工が行っていて直接の価格は公示されていないのです。

 ちなみにH-IIBは3号機まで打ち上げが完了しています。また、1つ前の世代のロケットH-IIAの価格をJAXAに伺ったところ「1機あたり約100億円弱。2号機以降の価格はそれよりも安価」なのだそうです。


日本ってほんと宇宙開発にお金かけないよね
それでもここまで結果だしてるのは凄いと思う

観測チャンスは1分 星食が教える準惑星マケマケの姿

2012年11月24日 01時38分42秒 | 宇宙
太陽系の小天体が背後の星を隠す「星食」は、その天体について情報を得る絶好の機会だ。冥王星とともに準惑星に分類されるマケマケの星食観測から、謎につつまれたその姿があらわになってきた。



2011年4月23日に、準惑星マケマケがかみのけ座の恒星NOMAD 1181-0235723を隠す様子が南半球で観測された。José Luis Ortizさん(スペイン・アンダルシア宇宙物理学研究所)らは、この1分間ほどの現象をチリとブラジルの望遠鏡でとらえた。

背後の星の光がマケマケに隠され、また現れる瞬間、その光の変化は徐々にではなく急激なものだった。それまでマケマケには冥王星と同じく大気があるのではと考えられていたが、この結果から、少なくとも全球規模では存在しないということが明らかになった。



今回の星食観測でわかったのは大気の有無だけではない。ほんのわずかなことしかわかっていなかったマケマケについて、表面のアルベド(光反射率)が泥まじりの雪程度であること、密度が1.7g/cm3(誤差0.3g)であることが新たにわかった。また大きさは1430km(誤差9km)×1502km(誤差45km)で、極方向が少しつぶれた扁球形であることも推測できる。

これらはすべて、星食が起こらなければ得られなかった情報だ。マケマケは比較的背後の星が少ない領域の方向にあるため、星食はなかなか起こらない。現象を正確に予測し観測することは非常に難しく、南米各地での観測協力体制がうまくいった今回のようなケースは大きな成果といえる。


ヨーロッパ南天天文台