列王記
列王記1と2はへブル聖書では1つでした。
著者は不明です。
ソロモンの治世から彼の死後,
王国が分裂し,
北イスラエルがアッシリヤに捕囚となり
(前721年),
南ユダがバビロンに捕囚となるまで
(前586年),
およそ400年にわたる
南北両国の盛衰記である。
列王記1は
1-11章はソロモンの治世。
12-16章は分裂王国初期の時代
17-22章は、
預言者エリヤ活躍する時代である。
列王記2は
1-10章は預言者エリシャの活躍した時代
11-17章は
北イスラエルがアッシリヤ捕囚となるまで
18-25章は
南ユダがバビロンに捕囚となるまで。
○
列王記1 1-16章
ソロモンー分裂
○
ソロモンに油を注ぐ
(1列王1:38-40)
「祭司ツァドク,預言者ナタン,
ヨヤダの子ベナヤは
クレタ人とペレティ人と共に
下って行った。
彼らはソロモンを
ダビデ王のらばに乗せ,
ギホンに連れて行った。
祭司ツァドクは
天幕から油の入った角を持って出て,
ソロモンに油を注いだ。
彼らが角笛を吹くと,
民は皆,
『ソロモン王,万歳』と叫んだ。
民は皆,彼の後に従って上り,
笛を吹き,大いに喜び祝い,
その声で地は裂けた。」
○
ダビデ王の最期
(1列王2:2,3)
「わたしは
この世のすべての者が
たどる道を行こうとしている。
あなたは勇ましく雄々しくあれ。
あなたの神,
主の務めを守ってその道を歩み,
モーセの律法に記されているとおり,
主の掟と戒めと法と定めを守れ。
そうすれば,あなたは何を行っても,
どこに向かっても,
良い成果を上げることができる。」
ダビデが死に臨むとき,
その子ソロモンに語った言葉です。
○
ソロモンの第一の祈り
(1列王記3:5口語訳)
「ギベオンで
主は夜の夢に
ソロモンに現れて言われた,
『あなたに何を与えようか,
求めなさい』」。
(1列王記3:9口語訳)
「それゆえ,
聞きわける心をしもべに与えて,
あなたの民をさばかせ,
わたしに善悪をわきまえることを
得させてください。
だれが,
あなたのこの大いなる民を
さばくことができましょう」。
ソロモンは,知恵を求めます。
ソロモンの求めは神の御心にかない,
彼は知恵に加えて
富と栄誉と長命を与えられました。
○
ダビデの子ソロモンの即位
(1列王記3:11-14)
神は彼に仰せられた。
「あなたがこのことを求め,
自分のために長寿を求めず,
自分のために富を求めず,
あなたの敵のいのちをも求めず,
むしろ,自分のために
正しい訴えを聞き分ける
判断力を求めたので,
今,
わたしはあなたの言ったとおりにする。
見よ。
わたしはあなたに知恵の心と
判断する心とを与える。
あなたの先に,
あなたのような者はなかった。
また,あなたのあとに,
あなたのような者も起こらない。
そのうえ,あなたの願わなかったもの,
富と誉れとをあなたに与える。
あなたの生きているかぎり,
王たちの中であなたに並ぶ者は
ひとりもないであろう。
また,
あなたの父ダビデが歩んだように,
あなたも
わたしのおきてと命令を守って,
わたしの道を歩むなら,
あなたの日を長くしよう。」
(マタイ6:33,34 口語訳)
「まず神の国と神の義とを求めなさい。
そうすれば,これらのものは,
すべて添えて与えられるであろう。
だから,あすのことを思いわずらうな。
あすのことは,
あす自身が思いわずらうであろう。
一日の苦労は,
その日一日だけで十分である。」
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新聖歌291「神の国と神の義」
「神の国と神の義を
まず求めなさい
これらのものは与えられる
ハレル ハレルヤ」
○
ソロモンの知恵
(1列王4:29,30)
「神は,
ソロモンに非常に豊かな知恵と英知と,
海辺の砂浜のように
広い心とを与えられた。
それでソロモンの知恵は,
東のすべての人々の知恵と,
エジプト人のすべての知恵とに
まさっていた。」
ソロモンは,
ダビデとバテ・シェバの子です。
ダビデに次ぐイスラエルの王です。
国防,神殿,王宮の建設をします。
民に重税と強制労働を課しました。
しかし,
外国人妻の影響で
偶像崇拝の罪を犯します。
それが,40年の治世の後半が乱れ,
王国分裂の原因となります。
ソロモンは博学で知られ,
箴言,伝道の書,雅歌の著者です。
○
ソロモンの栄華
(1列王記6:1)
「ソロモン王が
主の神殿の建築に着手したのは,
イスラエル人が
エジプトの地を出てから
四百八十年目,
ソロモンが
イスラエルの王になってから
四年目のジウの月,
すなわち第二の月であった。」
ソロモンは貿易によって富を得,
各地に建物を建て,
城壁をきずきました。
その中心はエルサレム神殿と
彼の妻たちのための宮殿でした。
○
神殿の建設
(1列王記6:11-14) 口語訳
「そこで主の言葉がソロモンに臨んだ,
『あなたが建てるこの宮については,
もしあなたがわたしの定めに歩み,
おきてを行い,すべての戒めを守り,
それに従って歩むならば,
わたしはあなたの父ダビデに
約束したことを成就する。
そしてわたしは
イスラエルの人々のうちに住み,
わたしの民イスラエルを
捨てることはない』。
こうしてソロモンは
宮を建て終った。」
○
主の箱を運び入れる
(1列王8:9-11)口語訳
「箱の内には二つの石の板のほか
何もなかった。
これはイスラエルの人々が
エジプトの地から出たとき,
主が彼らと契約を結ばれたときに,
モーセがホレブで,
それに納めたものである。
そして祭司たちが聖所から出たとき,
雲が主の宮に満ちたので,
祭司たちは雲のために立って
仕えることができなかった。
主の栄光が主の宮に
満ちたからである。」
○
ソロモン第2の祈り
(1列王8:22-24口語訳)
「ソロモンは
イスラエルの全会衆の前で,
主の祭壇の前に立ち,
手を天に伸べて,
言った,
『イスラエルの神,主よ,
上の天にも,下の地にも,
あなたのような神はありません。
あなたは契約を守られ,
心をつくしてあなたの前に歩む
あなたのしもべらに,
いつくしみを施し,
あなたのしもべである
わたしの父ダビデに
約束されたことを守られました。
あなたが口をもって約束されたことを,
手をもってなし遂げられたことは,
今日見るとおりであります。』」
神殿が完成したときにささげられた
ソロモンの祈りです。
○
ソロモンの第2の祈り
(1列王記8:29,30 口語訳)
「あなたが
『わたしの名をそこに置く』
と言われた所,
すなわち,
この宮に向かって
夜昼あなたの目をお開きください。
しもべがこの所に向かって
祈る祈をお聞きください。
しもべと,あなたの民イスラエルが
この所に向かって祈る時に,
その願いをお聞きください。
あなたのすみかである天で聞き,
聞いておゆるしください。」
○
永遠の王
(1列王9:5)
「わたしが,あなたの父ダビデに,
『あなたには,
イスラエルの王座から人が断たれない』
と言って約束したとおり,
あなたの王国の王座を
イスラエルの上に永遠に確立しよう。」
ソロモンが神殿と王宮を造った後,
神がソロモンに現われ言います
○
シバの女王の来訪
(1列王10;1-3)口語訳
「シバの女王は主の名にかかわる
ソロモンの名声を聞いたので,
難問をもってソロモンを
試みようとたずねてきた。
彼女は多くの従者を連れ,香料と,
たくさんの金と宝石とを
らくだに負わせてエルサレムにきた。
彼女はソロモンのもとにきて,
その心にあることを
ことごとく彼に告げたが,
ソロモンはそのすべての問に答えた。
王が知らないで
彼女に説明のできないことは
一つもなかった。」
シバの女王が
ソロモンの栄華を見に来ます。
ソロモンは知恵と富が
あふれていました。
○
ソロモンの罪
(1列王記11:4)口語訳
「ソロモンが年老いた時,
その妻たちが彼の心を転じて
他の神々に従わせたので,
彼の心は父ダビデの心のようには,
その神,主に真実でなかった。」
ソロモンの晩年は,
祝福から神の怒りを受けます。
「ダビデの心」は,
罪に対する鈍感さでありました。
ソロモンは繁栄や権力の増大,
自由奔放さをそのまま神からの
祝福と勘違いした
霊的無知でありました。
祝福された人でありましたが,
外国の妻たちにそそのかされ,
偶像崇拝の罪を犯します。
☆彡
(1列王記11:1-4)口語訳
「ソロモン王は
多くの外国の女を愛した。
すなわちパロの娘,モアブびと,
アンモンびと,エドムびと,
シドンびと,ヘテびとの女を愛した。
主はかつてこれらの国民について,
イスラエルの人々に言われた,
『あなたがたは
彼らと交わってはならない。
彼らもまたあなたがたと
交わってはならない。
彼らは必ずあなたがたの心を転じて
彼らの神々に従わせるからである』。
しかしソロモンは
彼らを愛して離れなかった。
彼には王妃としての妻七百人,
そばめ三百人があった。
その妻たちが彼の心を転じたのである。
ソロモンが年老いた時,
その妻たちが彼の心を転じて
他の神々に従わせたので,
彼の心は父ダビデの心のようには,
その神,主に真実でなかった。」
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王国の分裂の預言
(1列王11:11)口語訳
「それゆえ,
主はソロモンに言われた,
『これがあなたの本心であり,
わたしが命じた契約と
定めとを守らなかったので,
わたしは
必ずあなたから国を裂き離して,
それをあなたの家来に与える。』」
(1列王11:31)口語訳
「ヤラベアムに言った,
「あなたは十切れを取りなさい。
イスラエルの神,
主はこう言われる,
『見よ,
わたしは国を
ソロモンの手から裂き離して,
あなたに十部族を与えよう。』」
王国が分裂したのは,
ソロモンが繁栄の極みで,
女性におぼれ,
異教の神々におぼれたためです。
国の繁栄を支えていた民が
疲れ果てていたためです。
(1列王11:4)口語訳
「ソロモンが年老いた時,
その妻たちが彼の心を転じて
他の神々に従わせたので,
彼の心は父ダビデの心のようには,
その神,主に真実でなかった。」
2021-08-23