■全作品/21名63句
No.1 後藤あゆみ
01.飛ぶ鳥を映し流るる秋の川
02.子と歩くぬかるみ愉し鵙日和
03.柿紅葉おのが根元に吹き溜り
No.2 黒谷光子
04.鴨群れる夕陽眩しき輪の中に
05.仏器磨く窓辺明るく秋日射す
06.一つずつメモ消し十夜の支度する
No.3 多田有花
07.整備終え自転車軽し秋日向
08.香りたつ笹に包まれ栗赤飯
09.秋天に伸びゆくものの数多あり
No.4 小口泰與
10.日の降りて赤城の刈田耀けり
11.行く秋や鈍行列車里山へ
12.桐一葉風にふわっと湖に落つ
No.5 小西 宏
13.ユニクロのジーンズを履き草の絮
14.黄昏の空まだ広き鱗雲
15.柿熟れて雲小片の過ぎゆけり
No.6 津本けい
16.手入れすみし松きらきらと葉のみどり
17.入りくる霧閉じ込めて列車発つ
18.母校小さく銀杏黄葉の高々と
No.7 河野啓一
19.丘の辺の風に吹かれて野紺菊
20.椎の実のほのかな甘み噛んで見る
21.一列に耀き公孫樹黄緑に
No.8 川名ますみ
22.到来の熟柿の菓子に長き時
23.川の面も空も碧くて秋惜しむ
24.新薬を滑らすコップの秋の水
No.9 下地 鉄
25.さざ波の小さく聞こえ月の浜
26.花了えて揺れの小さき桔梗かな
27.島影の釣瓶落としに犬の声
No.10 高橋信之
28.白椿見し眼の仰ぐ空青き
29.わが歩けば秋青あおとして高し
30.秋川の己が重さを引き流る
No.11 迫田和代
31.秋冷の朝すっきりと赤白帽
32.秋の舒に秋を惜しんで佇みつ
33.秋風やホームに平家物語
No.12 桑本栄太郎
34.生駒嶺の朝日まぶしく天高し
35.コスモスの傾ぎて尚も宙に満つ
36.校門の桜紅葉にチャイムかな
No.13 高橋秀之
37.一面の星空高し静かな夜
38.枝先は色づき始め薄紅葉
39.対岸にクレーンの灯り秋の海
No.14 祝恵子
40.時鳥草やっと晴れたる空に浮く
41.秋の雨お買い物ごっこはバスの中
42.届く荷のしょうがの箱の湿り来る
No.15 佃 康水
43.池に船漕ぎて亀島松手入れ
44.茶の花の蕊に夕陽の影生まる
45.夜長の灯手元に定め直木賞
No.16 足立 弘
46.境内を猫闊歩する秋日和
47.コスモスの故郷は山ばかりなり
48.岩陰の朱に色づきぬ烏瓜
No.17 安藤智久
49.里暮れゆく木守柿を影として
50.結納を終え秋光の庭へ出る
51.青空の柿を折り取りたぐり寄す
No.18 古田敬二
52.朝顔のフェルメール色に咲きそろう
53.野良静か鍬の柄ひとつ赤とんぼ
54.野のちちろ生涯の果てを丸々と
No.19 小川和子
55.秋果みないろ深まりて店頭へ
56.その赤き林檎まぶしみつつ選りぬ
57.電車過ぐ穂草に日向日陰あり
No.20 高橋正子
58.茶の花に日はふっくりとあたたかし
59.サッカーの練習熱帯ぶ野菊咲き
60.うす桃の菊の日差しも写し撮る
No.21 藤田洋子
61.機首上げて旅の始まり鰯雲
62.秋潮を眩しみ立てり地震の地に
63.澄む秋のさざ波燦と仙台湾
No.1 後藤あゆみ
01.飛ぶ鳥を映し流るる秋の川
02.子と歩くぬかるみ愉し鵙日和
03.柿紅葉おのが根元に吹き溜り
No.2 黒谷光子
04.鴨群れる夕陽眩しき輪の中に
05.仏器磨く窓辺明るく秋日射す
06.一つずつメモ消し十夜の支度する
No.3 多田有花
07.整備終え自転車軽し秋日向
08.香りたつ笹に包まれ栗赤飯
09.秋天に伸びゆくものの数多あり
No.4 小口泰與
10.日の降りて赤城の刈田耀けり
11.行く秋や鈍行列車里山へ
12.桐一葉風にふわっと湖に落つ
No.5 小西 宏
13.ユニクロのジーンズを履き草の絮
14.黄昏の空まだ広き鱗雲
15.柿熟れて雲小片の過ぎゆけり
No.6 津本けい
16.手入れすみし松きらきらと葉のみどり
17.入りくる霧閉じ込めて列車発つ
18.母校小さく銀杏黄葉の高々と
No.7 河野啓一
19.丘の辺の風に吹かれて野紺菊
20.椎の実のほのかな甘み噛んで見る
21.一列に耀き公孫樹黄緑に
No.8 川名ますみ
22.到来の熟柿の菓子に長き時
23.川の面も空も碧くて秋惜しむ
24.新薬を滑らすコップの秋の水
No.9 下地 鉄
25.さざ波の小さく聞こえ月の浜
26.花了えて揺れの小さき桔梗かな
27.島影の釣瓶落としに犬の声
No.10 高橋信之
28.白椿見し眼の仰ぐ空青き
29.わが歩けば秋青あおとして高し
30.秋川の己が重さを引き流る
No.11 迫田和代
31.秋冷の朝すっきりと赤白帽
32.秋の舒に秋を惜しんで佇みつ
33.秋風やホームに平家物語
No.12 桑本栄太郎
34.生駒嶺の朝日まぶしく天高し
35.コスモスの傾ぎて尚も宙に満つ
36.校門の桜紅葉にチャイムかな
No.13 高橋秀之
37.一面の星空高し静かな夜
38.枝先は色づき始め薄紅葉
39.対岸にクレーンの灯り秋の海
No.14 祝恵子
40.時鳥草やっと晴れたる空に浮く
41.秋の雨お買い物ごっこはバスの中
42.届く荷のしょうがの箱の湿り来る
No.15 佃 康水
43.池に船漕ぎて亀島松手入れ
44.茶の花の蕊に夕陽の影生まる
45.夜長の灯手元に定め直木賞
No.16 足立 弘
46.境内を猫闊歩する秋日和
47.コスモスの故郷は山ばかりなり
48.岩陰の朱に色づきぬ烏瓜
No.17 安藤智久
49.里暮れゆく木守柿を影として
50.結納を終え秋光の庭へ出る
51.青空の柿を折り取りたぐり寄す
No.18 古田敬二
52.朝顔のフェルメール色に咲きそろう
53.野良静か鍬の柄ひとつ赤とんぼ
54.野のちちろ生涯の果てを丸々と
No.19 小川和子
55.秋果みないろ深まりて店頭へ
56.その赤き林檎まぶしみつつ選りぬ
57.電車過ぐ穂草に日向日陰あり
No.20 高橋正子
58.茶の花に日はふっくりとあたたかし
59.サッカーの練習熱帯ぶ野菊咲き
60.うす桃の菊の日差しも写し撮る
No.21 藤田洋子
61.機首上げて旅の始まり鰯雲
62.秋潮を眩しみ立てり地震の地に
63.澄む秋のさざ波燦と仙台湾