フェイスブック句会

主宰・選者:高橋正子
花冠発行所

■第2回フェイスブック日曜句会全作品■

2011-10-30 12:37:45 | 俳句
■全作品/21名63句

No.1 後藤あゆみ
01.飛ぶ鳥を映し流るる秋の川
02.子と歩くぬかるみ愉し鵙日和
03.柿紅葉おのが根元に吹き溜り

No.2 黒谷光子
04.鴨群れる夕陽眩しき輪の中に
05.仏器磨く窓辺明るく秋日射す
06.一つずつメモ消し十夜の支度する

No.3 多田有花
07.整備終え自転車軽し秋日向
08.香りたつ笹に包まれ栗赤飯
09.秋天に伸びゆくものの数多あり

No.4 小口泰與
10.日の降りて赤城の刈田耀けり
11.行く秋や鈍行列車里山へ
12.桐一葉風にふわっと湖に落つ

No.5 小西 宏
13.ユニクロのジーンズを履き草の絮
14.黄昏の空まだ広き鱗雲
15.柿熟れて雲小片の過ぎゆけり

No.6 津本けい
16.手入れすみし松きらきらと葉のみどり
17.入りくる霧閉じ込めて列車発つ
18.母校小さく銀杏黄葉の高々と

No.7 河野啓一
19.丘の辺の風に吹かれて野紺菊
20.椎の実のほのかな甘み噛んで見る
21.一列に耀き公孫樹黄緑に

No.8 川名ますみ
22.到来の熟柿の菓子に長き時
23.川の面も空も碧くて秋惜しむ
24.新薬を滑らすコップの秋の水

No.9 下地 鉄
25.さざ波の小さく聞こえ月の浜
26.花了えて揺れの小さき桔梗かな
27.島影の釣瓶落としに犬の声

No.10 高橋信之
28.白椿見し眼の仰ぐ空青き
29.わが歩けば秋青あおとして高し
30.秋川の己が重さを引き流る

No.11 迫田和代
31.秋冷の朝すっきりと赤白帽
32.秋の舒に秋を惜しんで佇みつ
33.秋風やホームに平家物語

No.12 桑本栄太郎
34.生駒嶺の朝日まぶしく天高し
35.コスモスの傾ぎて尚も宙に満つ
36.校門の桜紅葉にチャイムかな

No.13 高橋秀之
37.一面の星空高し静かな夜
38.枝先は色づき始め薄紅葉
39.対岸にクレーンの灯り秋の海

No.14 祝恵子
40.時鳥草やっと晴れたる空に浮く
41.秋の雨お買い物ごっこはバスの中
42.届く荷のしょうがの箱の湿り来る

No.15 佃 康水
43.池に船漕ぎて亀島松手入れ
44.茶の花の蕊に夕陽の影生まる
45.夜長の灯手元に定め直木賞

No.16 足立 弘
46.境内を猫闊歩する秋日和
47.コスモスの故郷は山ばかりなり
48.岩陰の朱に色づきぬ烏瓜

No.17 安藤智久
49.里暮れゆく木守柿を影として
50.結納を終え秋光の庭へ出る
51.青空の柿を折り取りたぐり寄す

No.18 古田敬二
52.朝顔のフェルメール色に咲きそろう
53.野良静か鍬の柄ひとつ赤とんぼ
54.野のちちろ生涯の果てを丸々と

No.19 小川和子
55.秋果みないろ深まりて店頭へ
56.その赤き林檎まぶしみつつ選りぬ
57.電車過ぐ穂草に日向日陰あり

No.20 高橋正子
58.茶の花に日はふっくりとあたたかし
59.サッカーの練習熱帯ぶ野菊咲き
60.うす桃の菊の日差しも写し撮る

No.21 藤田洋子
61.機首上げて旅の始まり鰯雲
62.秋潮を眩しみ立てり地震の地に
63.澄む秋のさざ波燦と仙台湾