フェイスブック句会

主宰・選者:高橋正子
花冠発行所

■第3回フェイスブック日曜句会全作品■

2011-11-06 22:18:15 | 俳句
■全作品/21名63句

No.1 河野啓一
01.目覚むるや鳥声透る秋の朝
02.丘の道足を運べば木の実多々
03.薄紅葉浮かべせせらぎ軽やかに

No.2 多田有花
04.夕闇の迫りし中へ鵙猛る
05.赤き実のたわわに森の秋深し
06.行く秋の旅の荷物は軽くして

No.3 小口泰與
07.赤城より雨迫りけり鵙の群 
08.鶏頭や窓に広ごる浅間山
09.柿すだれ夜風の荒き産土よ

No.4 迫田和代
10.車椅子好きな桜の紅葉葉と
11.車窓からところどころの紅葉葉を
12.南天に赤い実がなり夕焼けよ

No.5 川名ますみ
13.泥付きの大根膝に車椅子
14.医院より大根を手に帰り来し
15.分けられてましろき肌の頭芋

No.6 小西 宏
16.秋雲に紅ほのかなり富士見えて
17.鵯(ひよどり)の伸び縮みする空遠し
18.三日月の澄みたる空の深さかな

No.7 桑本栄太郎
19.天窓の日差し眩しき秋日かな
20.朝霧の晴れて山容整えり
21.柿吊るす母屋の軒の深さかな

No.8 黒谷光子
22.露光る朝の畑に供花を切る
23.法要の堂に供花の香菊づくし
24.湖風の当る軒下柿吊るす

No.9 後藤あゆみ
25.露草の瑠璃光る朝旅立てり
26.底抜けに明るい空よ鵯(ひよ)が鳴く
27.我が弾けば子等は囲みてどんぐりの歌

No.10 足立 弘
28.秋天にスカイツリー尖りゆく
29.浅草寺境内に早や菊花展
30.秋日和議事堂見学人の波

No.11 津本けい
31.ロシア民謡眠れぬ夜長のラジオより
32.秋の蝶一葉のように静かなり
33.吊るし柿十ばかり剥き朝の日に

No.12 高橋信之
34.厨の床に甘藷転がりいて赤し
35.子らの足跡残し刈田となっていし
36.お祭りの踊りの子らに確かな明日

No.13 高橋秀之
37.秋の日が銀杏並木に差し込める 
38.夕日差し色付く銀杏御堂筋
39.仏前に母より届く菊の花

No.14 藤田洋子
40.秋潮へ傾ぐ松原風に鳴る
41.灯の入りし仙石線に秋深む
42.秋澄みて扉開きし金色堂

No.15 下地 鉄
43.ハンチン帽似合いし娘等に秋日かな
44.鷹舞えば教師も休む伊良部島
45.寄せ鍋の灯り親しき我が家かな

No.16 佃 康水
46.高々と新米積まれ大廻廊 
47.括られてなおも枝垂れし萩は実に
48.火の島や供華の菊にも火山灰

No.17 古田敬二
49.土深く抜き出す葱の白さかな
50.葱太し土こぼしつつ引き抜けり
51.黒土をこぼして一瞬葱抜ける

No.18 安藤智久
52.残業の灯りの消えてすがれ虫
53.交差点見渡すカフェや秋麗
54.秋空に淡き月あり浅草寺

No.19 小川和子
55.甘き香よさくり林檎のパイ焼ける
56.墓苑晴れ供花に白菊よく薫る
57.時に実を啄ばみ小鳥秋天へ

No.20 祝恵子
58.両の手に余る園児等甘藷引く
59.貝割菜間引いて赤い根を残こす
60.浪速路をランナー駆け抜く暮の秋

No.21 高橋正子
61.あかるさは林檎の花の帰り咲く
62.山茶花の白も赤もと咲き始む
63.草分けて柚子の熟るるを撮りにゆく