会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

近鉄子会社が粉飾決算 8年間で63億円の架空売上を計上

近鉄子会社が粉飾決算 8年間で63億円の架空売上を計上

近畿日本鉄道の100%出資子会社が約8年間にわたり、架空の売り上げとして計約63億円を計上し、決算を粉飾していたという記事。

「発表によると、前社長は平成14年度から毎年、内装工事などの取引をでっち上げ、決算を粉飾するよう担当者に指示。この結果、約35億円の利益が計上されていたという。」

近鉄子会社:63億円架空計上 刑事告訴検討

こちらの記事によれば、今回の事件でクビになった前社長は「赤字を補てんするためだった」と説明しているそうです。また、店舗の内装工事を装って、架空売上を計上したとされています。

当社連結子会社における不適切な経理処理の判明について(PDFファイル)(近畿日本鉄道のプレスリリース)

「昨年 11 月27 日に公表しました当社連結子会社(近鉄ビルサービス株式会社)元従業員による不正行為(業務上横領で刑事告訴)の判明を受け、当社グループ会社において、不適切な経理処理が行われていないか特別内部監査を進めていたところ、当社の連結子会社である株式会社メディアートにおいて、平成14 年度~平成21 年12 月にかけて、同社前社長(平成22 年2 月2 日の同社株主総会において同日付で解任)の指示により、取引実体のない売上の計上や売上計上時期の前倒し、費用の過少計上など複数の不適切な経理処理が行われていたことが判明いたしました。また、当社の定期の内部監査の際にも必要資料の隠匿・改竄など、前社長は発覚を免れるための隠蔽工作も行っていました。」

不正の手口についてはあまり詳しく公表していません。ちなみに、この子会社の事業は「広告代理業、看板および標識類の製作、造形・装飾および展示」だそうです。

また、親会社である近鉄は、過年度の決算の修正を行わず、不適切な経理処理修正に伴う過年度損益修正損3,846 百万円を計上するそうです。並みの会社なら、会社の存亡にかかわるような金額ですが、近鉄にとってはたいした金額ではないのでしょう。

当サイトの関連記事(近鉄ビルサービスにおける不正について)

広ガス開発元社長が自殺

近鉄の事件とは関係ありませんが、架空循環取引事件が発生した広島ガス子会社の元社長が自殺しています。事件への関与はなかったそうです。

当サイトの関連記事(広島ガス子会社の事件について)
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