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東京女子医大、寄付額で推薦考慮 第三者委「理事長の適格性に疑義」(毎日より)

東京女子医大、寄付額で推薦考慮 第三者委「理事長の適格性に疑義」

東京女子医科大学とその同窓会組織「至誠会」をめぐるさまざまな不正疑惑について調べていた第三者委員会の報告書が公表されたという記事。

同窓会を支配していた大学理事長が、やりたい放題だったようです。

まず、入試の際の不正な寄付金について。

「報告書は、2020~23年度の同大卒業生親族向けの推薦入試で、面接前の2カ月間に受験生の親族から受け取った寄付の総額が大学で1580万円、至誠会で1940万円に上ると認定。額の大小によって至誠会による推薦順位が逆転し、推薦を受けられなかった受験生も1人いたとした。入試に関連した寄付金収受を禁じる文部科学省の通知に反する可能性があり「妥当とは言いがたい」と強調した。」

不正支出疑惑について。

「また、至誠会から大学に出向した岩本氏の側近職員2人への人件費について、大学から業務委託先を経由した支給と至誠会による支給があり「二重払いと評価できる」と指摘。大学発注工事を巡って受注企業から岩本氏の側近職員の関連会社に1億数千万円が還流していた可能性があると認定した。この職員が岩本氏に重用されていたことから「還流に岩本氏が全く関与していなかったとは認めがたい」とした。」

これは不正とまではいえないのでしょうが...

「第三者委は加えて、岩本氏が教職員の人件費を低く抑えたのに自身の報酬を継続的に増額していたと指摘。大学・病院での教育や研究には理解が乏しかった上、異論を述べる職員らを排除することで「1強体制」をつくって大学のガバナンス(組織統治)機能を封殺したとし、岩本氏の経営責任を「極めて重い」と言及した。」

「東京女子医大は理事長1強」 不適切支出巡り第三者委(日経)

「報告書は、出向者の人件費が至誠会と学校法人側双方から支出されており「過大あるいは二重払いの疑義が濃厚」と指摘した。

学校法人の不適切な資金支出も判明した。岩本氏が副理事長に就任した直後の2015年、学校法人は外部企業とコンサルティング契約を結んだ。会社は岩本氏の知人が代表で、法人が支払った600万円の一部が岩本氏側に還流した可能性が高いと分析した。」

おなじみの八田教授がコメントしています。

「組織統治に詳しい青山学院大の八田進二名誉教授は「学校法人は公共性や公益性の観点から税制上の優遇措置が認められており、高い倫理観や経営の透明性が求められる」と語る。

そのうえで「多くの問題が噴出しているにも関わらず、理事長自らが対外的に説明しようとする姿勢が見えない。自浄能力は期待しにくく、運営陣の速やかな刷新が不可欠だ」と話している。」

東京女子医大、理事長に資金還流か…第三者委員会報告書「金銭に強い執着」(読売)

「報告書では、岩本氏が19年に理事長就任後、開設したばかりの「小児集中治療室(PICU)」を閉鎖し、医師の大量退職を招いたことなどを「重大な経営判断の誤り」と厳しく批判した。「患者や地域医療に貢献することへの理解も関心も薄かった」とも言及した。

さらに、岩本氏は教職員の人件費を低く据え置く一方、側近には過大な報酬を支払い、自身の報酬も毎年増額させたとし、「金銭やもうけに強い執着心を持っていた」と指摘した。」

カネに汚いが、経営能力には優れていたというのでもなさそうです。

第三者委員会による調査報告書の公表について(学校法人東京女子医科大学)

報告書は、約260ページもあります。委員には、三木義一・元青山学院大学学長が入っています。

 第三者委員会の調査報告書を受けての本学の決意と「(仮称)第三者委員会答申検討委員会」の設置について(学校法人東京女子医科大学)

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