会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

中国博奇、東証1部を上場廃止(J-CASTより)

中国博奇、東証1部を上場廃止

チャイナ・ボーチー(中国博奇)が、東京証券取引所第1部を上場廃止になるという記事。

「中国博奇は2012年10月16日に臨時株主総会を開き、経営陣が設立した特別目的会社「CBESホールディングス」に吸収合併されることを決議したと発表。MBO(経営陣による買収)に伴い、中国博奇は消滅会社になる。上場廃止は11月12日付の予定。」

「メディアの一部から不正経理問題などが指摘されていた」ようですが、逃げ切ったということでしょうか。

ちなみに、8月に提出された同社の四半期報告書(2012年1~6月)の四半期レビュー報告書では、強調事項として以下の記載があります。

「注記事項(四半期連結貸借対照表関係)に記載されているとおり、建設仮勘定のうち693,725千人民元(8,684,260千円)は、連結子会社である山西寿陽明泰国能発電有限公司における山西寿陽ボタ石火力発電所炉内脱硫プロジェクトに係る残高であり、当局の最終許認可を取得するまで建設工事を中断している。」

注記の方を見てみると、現地の事情についての説明があります。

「・・・中国では関係当局の最終的な許認可及び登録が未了であっても、内諾を得た段階でプロジェクトに着工することが一般的であります。そのため、当社グループが許認可及び登録の内諾を得てプロジェクト着工した後に、中国政府の政策の変更や法規制の変更等により予定通りの最終的な許認可及び登録が得られなかった場合には、プロジェクトの遅延若しくは中断又は中止を招くことになります。その場合には、追加的な負担が発生し、または投下資本が回収できなくなる可能性がありますが、現状、当社グループにそのような状況は発生しておりません。」

日本でも「内諾を得た段階でプロジェクトに着工」することはありますが、そのために90億円近くも滞留してしまうのは異常事態でしょう(バブル崩壊時のゴルフ場開発プロジェクトなどの例はありますが)。

有報で、建設仮勘定の動きをみてみると、2008年12月末の時点で、711,514千人民元が計上されています。仮に、同じプロジェクトだとすれば、少なくとも3年半はほとんど動きがないことになります。

減損の兆候には該当しそうです。
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