東芝が、米国の液化天然ガス(LNG)事業を仏エネルギー大手トタルに売却するという記事。
譲渡額は1500万ドル(約17億円)ですが、売却により大きな損失が出るようです。
「トタルのシンガポール子会社に2020年3月末までに売却する。東芝は売却に伴う一時金費用としてトタルに8億1500万ドルを支払う。東芝は20年3月期に売却関連費用を含めて約930億円の損失を計上する見通しだ。」
これは当然、2020年3月期ではなく、有報提出前の2019年3月期に計上すべき損失でしょう(注:東芝は米国会計基準です)。2020年3月期に先送りしたら虚偽記載なのでは。
それはともかく、売却がうまくいけば、巨額リスクを回避することができそうです。
「東芝は13年、米テキサス州で手がけるLNG事業「フリーポート」に参入した。米国産のシェールガスをLNGに加工し、20年から20年間にわたり年間約220万トンを販売する権益を持つ。ただ中核事業ではないため、同権益を売却する。...
LNG事業は販売価格の変動リスクが大きいうえ、東芝には安定的にLNGを供給する顧客基盤や発電所がない。東芝が参入した13年当時は東日本大震災後で、日本では原子力発電所が停止し、火力発電に依存する形でLNGの需要が高まっていた。ただ中長期的に資源価格は乱高下する恐れがある。東芝のLNG事業は、最大で1兆円近い巨額損失が発生する可能性があるとされてきた。」
米国産液化天然ガス (LNG) に係る事業の売却に関するお知らせ(東芝)(PDFファイル)
「本件譲渡の完了により TAL は当社連結対象から外れ、当社は2019 年度中に連結税引前損益ベースで売却関連費用を含めた約930 億円を損失として計上する見通しです。 なお、当社単独(個別)業績見通しにおいては、東芝エネルギーシステムズ株式会社(以下、 ESS)に対する出資株式の評価損について、2020 年3 月期末時点の ESS の財政状態や計画進捗に応じて判断を行う予定です。」(TAL:東芝アメリカ LNG コーポレーション)
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