ジーエス・ユアサコーポレーションの照明機器子会社の営業所元所長が循環取引をしていたという記事。約75億円の売上債権が回収不能になる恐れがあるとのことです。
「社内調査で、元所長は2004年4月から08年7月まで取引先4、5社との間で実際には商品を動かさずに売り上げや仕入れを計上する循環取引をしていたことが分かった。」
当社子会社の不適切な取引について(PDFファイル)
「このたび判明した不適切な取引および会計処理は、GYL千葉営業所の元所長が、少なくとも平成16年4月から平成20年7月までの間、複数の取引先との間で実体のない循環取引を繰り返し行った上、GYLの各事業年度において係る循環取引による架空の売上および仕入を計上したものです。
現時点までの調査では、平成20年8月末の売上債権残高の中で、回収に疑念の生じているものは約75億円となります。今後、引き続き本件取引にかかわる不適切な会計処理の詳細および各事業年度の財務諸表などへの影響額についてさらに調査を続けてまいります。・・・」
4年以上にわたる不正なので、公表済みの過年度の決算の修正が必要となる可能性もあります。
調査を始めたきっかけについては「今年7月下旬、当社の社内会議において、GYL千葉営業所の売上金額が事業規模に比べて大きい旨の指摘があり、GYL千葉営業所の事業内容について調査を開始いたしました。」と書かれています。監査手続的には分析的手続ということになります。
また、会計士をメンバーに含む外部調査委員会を設置し、「本件取引の迅速な解明」などを行うそうです。
不正の規模はまだ明らかにされておらず、75億円という回収不能懸念額から推測するしかありませんが、2008年3月期の決算を見ると、売上3100億円、営業利益123億円ですので、会社にとって軽微とは言えないでしょう。
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