会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

パナソニック事件の告発で報奨金「31億円」のインパクト(エコノミストより)

パナソニック事件の告発で報奨金「31億円」のインパクト(記事前半のみ)

パナソニック米子会社による会計不正及び外国公務員贈賄事件に関連して、米SECが内部告発者に対し、2800万ドル(約31億円)の報奨金を払ったという記事。

「米証券取引委員会(SEC)は5月19日、企業内不正の内部告発者に対し、2800万ドル(約31億円)の報奨金を払ったと公表した。SECは内部告発者の身元などを明かしていないが、2018年にSECや米司法省(DOJ)から巨額の制裁金を科されたパナソニック米子会社による会計不正及び外国公務員贈賄事件に絡むものであることが分かっており、SECの内部告発制度の報奨金としてトップ10に入る高額だ。」

この子会社は、「パナソニックアビオニクス」(PAC)という会社です。

PACが行った不正行為は3つありますが、そのうちの外国国営企業関係者への利益供与は...

「まず、PACによる中東の国営航空会社関係者に対する利益供与だ。PACは04年、10年間で計10億ドル相当の基本契約を締結し、07年に追加契約の交渉に入った。基本契約にはPACによる国営企業職員への利益供与禁止が規定されていたため、航空会社の契約担当者はPAC側営業責任者に対して、15万ポンド(約3677万円)の年収でPACのコンサルタントに「転職」したいと要求した。

PAC経営陣は、この職員に対する転職ポジションの提供という便宜供与が「贈賄」とみなされないかという問題に対して、職員が国営航空会社を退職した後であれば問題ないとして、年俸20万ドル(約2296万円)の報酬を払ってコンサルタントとして起用するオファーを提示した。その結果、PACは無事に国営航空会社との間で3・53億ドル相当の追加契約締結に成功する。

この職員は08年4月、PACのコンサルタントとして着任したが、PACは直接雇用ではなく米取引業者を間に介在させ、取引業者にPACの社長室予算から毎月1万2500ドルを支払い、元職員を雇用した取引業者が月1万ドルの報酬を支払うスキームを取った。元職員は14年1月までの間、合計で87万5000ドルを受け取ったが、コンサルタントとしての具体的な成果物はほとんどなかった。」

社長室予算から支払われていたということは、幹部も知っていたのでしょう。

SECのプレスリリース。どの案件に関する報奨金か、誰に払ったのかは、明らかにされていませんが、上記記事によれば、SECへの報奨金申請手続きの代理人法律事務所(内部告発を専門にしている)が開示したのだそうです。

SEC Awards More Than $28 Million to Whistleblower Who Aided SEC and Other Agency Actions(SEC)

The Securities and Exchange Commission today announced an award to a whistleblower totaling more than $28 million in connection with an SEC enforcement action and a related action by another federal agency.

当サイトの関連記事(2018年)(パナソニック米子会社元幹部提訴について)

エコノミストの記事全文はこちらに掲載されているようです。


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