消費者金融の武富士が、転換社債の発行で昨年調達した資金の一部について、条件変更を投資家に求めることを決めたという記事。
「対象は、昨年6月に発行した転換社債(株式に交換できる社債)700億円のうち最大400億円分。償還(返済)の期限は18年6月だが、来年6月に繰り上げ償還を求めることのできる権利が投資家側に与えられている。」
「具体的には、(1)転換社債を額面の半額以上の現金に交換(2)額面の4分の1以上の現金と残額相当分の普通社債に交換――という二つの選択肢を投資家に示した。武富士が(1)(2)の双方で用意する現金の上限は180億円。うまくいけば、繰り上げ償還のかなりの部分を免れることになる。」
会計処理を考えてみると、(転換社債の会計処理にもよりますが、社債の額面で計上しているとすると)(1)が選択された場合には、当然、債務免除益が計上されます。(2)の場合は、額面で処理すれば損益ゼロですが、「残額相当分の普通社債」を時価評価した差額を債務免除益として損益計上するのが正しい処理だと思います(実務指針で確認しなければいけませんが)。
2011 年満期ユーロ円建普通社債の交換募集による発行等のお知らせ(PDFファイル)
新たに発行される社債の利率は年率10%(予定)です。
アイフル:9月中間決算 2823億円の過去最大の赤字
消費者金融大手がそろって巨額の利息返還引当金を計上したときには、少なくとも会計的には問題が解決したように思われましたが、甘い予想だったようです。
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