横田社長が語る敗因の本質と再建への道筋
マレーシアでの巨額投資で大失敗したトクヤマの現社長へのインタビュー記事。
失敗の原因についてふれている部分。
「――前経営陣が推し進めた巨額投資は無惨なまでに失敗し、会社の屋台骨をも揺るがした。今振り返って、問題の本質はどこにあったと考えるか。
当時、経営陣は100周年を迎える2017年度に売上高5000億円を達成するという大きな目標数字を掲げ、それを実現するための牽引役として、(需要が急増していた)太陽電池用シリコンの生産に巨額の設備投資を行った。しかし、売上高を短期間で大きく伸ばすことばかりにとらわれ、企業経営における肝心な部分の議論が不足していたと思う。
確かに当社は半導体用シリコンの世界大手だが、だからといって、太陽電池用もうまくいくと考えたのは安易すぎた。超高純度が要求される半導体用のシリコンと違って、太陽電池用は汎用品で技術的な参入障壁もさほど高くない。そんな汎用のビジネスで当社に優位性が本当にあるのかどうか。一番大事なその根本部分の議論が不十分なまま、突っ走ってしまった点に最大の問題がある。」
「――当時、社内では投資に反対する声もあったと聞くが。
韓国や中国企業もどんどん参入し始めていたので、社員たちの間では、危惧する声があちこちで聞かれた。「太陽電池用シリコンは単純な価格の勝負。そんな分野に出ていって大丈夫か」と。ただ、当時のボードに、そうした問題意識がどれほどあったか。明確に反対を表明した役員はいたが、ボードの中では少数だった。私に言わせれば、これはまさに当時のガバナンスの欠如が招いた問題ですよ。
もう一点挙げるなら、2011年後半から市況が暴落し始めて明らかに怪しくなった時に、ブレーキをかけるべきだった。せめて、投資を決めてからまだ日が浅かった第2工場については、違約金を払ってでも、いったん建設を凍結すべきだった。」
名門トクヤマ、2000億円投資の悲しい結末
太陽電池バブルがはじけ、原料工場を売却(東洋経済)
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