会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

フランクフルト上場の中国企業、CEOが会社資金持ち逃げ(ブルームバーグより)

Fired Ultrasonic CEO Borrowed Company Cash for Own Use

フランクフルトで上場しているUltrasonic AG(福建索力靴業)という中国企業(持株会社はドイツの会社だが事業は中国で行っている)のCEOが会社の資金を持ち逃げし行方不明という事件があったようですが、この記事によると、問題のCEOは、福建省の厦門でインタビューに応じ、個人的な使途のために会社の金を借りたのであって、今月遅くに返却する予定であるとこたえたのだそうです。

The chief executive officer of Ultrasonic AG (US5), fired last week after he disappeared and the shoemaker’s cash went missing, said he borrowed company money for personal use and planned to pay it back later this month.

フランクフルト上場の中国企業の創業者であるWu Qingyongはインタビューで「私は、会社から資金を借りたが、ごく少額である」と述べた。

“I borrowed some money from the company but not large amounts, just small amounts,” Wu Qingyong, founder of the Frankfurt-listed Chinese company, said in an interview yesterday in the southern city of Xiamen.

Ultrasonic社は、Wuとその息子であるCOOが所在不明となっており、会社のほとんどのキャッシュが外部に送金され「会社の影響下にない」ことを公表し、2人を9月18日に解任した。

Wu was dismissed on Sept. 18 along with his older son Wu Minghong, the chief operating officer, after Ultrasonic announced their whereabouts were unknown and most of its cash had been transferred away and was “no longer in the company’s range of influence.” It’s unclear if the money Wu borrowed is the same as that which Ultrasonic said was missing.

日本でも似たような事件があったような・・・

同社のホームページ
http://www.ultrasonic-ag.de/en.html

Ultrasonic AG, established 2011 in Cologne, is the German holding company of an established Chinese manufacturer and supplier of high-quality branded urban footwear products.

CEO and COO disappeared, most of the company’s cash missing(会社のプレスリリース)

こういう事件を産経が見逃すはずがありません。

世界の投資家から総スカン! 中国IT企業重大リスク 投資に米議会が警鐘(夕刊フジ)

「海外市場に上場する中国人経営者について、耳を疑うような事態が生じたのはドイツ・フランクフルト市場に上場する中国の靴メーカー、福建索力靴業(ウルトラソニック)。同社は16日に発表した声明で、「CEOとCOOが行方不明となり、中国本土と香港にあった現預金の大部分が移管された」と公表。2人を解任したと明らかにした。

 ドイツにある同社の持ち株会社には十分な資金があると強調したものの、フランクフルト市場で7ユーロ(約980円)前後だった同社の株価は一時1ユーロ(約140円)まで暴落した。

 ロイター通信は「中国企業のガバナンス体制に対する投資家の懸念は一層深まりそうだ。比較的小規模な中国企業の監査書類偽証疑惑や経営管理体制の不備を利用して、空売りを仕掛ける投機筋もすでに現れている」と報じた。

 その後、前CEOが中国のメディアに登場し、「香港で休暇を取り、フィリピンで健康診断を受けていた」「携帯電話をなくしただけだ」と失踪や持ち逃げを否定したが、会社側は22日、「前CEOが『会社に戻り、資金を返す』と連絡してきたが、同社の監査役会は連絡が取れていない」と明らかにした。」

日本で上場していた中国企業のことについてもふれています。

「・・・中国企業の上場については、日本市場も痛い目に遭っている。2007年に中国系企業として初めて東証1部に上場し、120億円の資金を調達した環境関連企業、チャイナ・ボーチーは、業績下方修正を繰り返し、12年の経営陣による買収(MBO)の額はたったの21億円だった。上場廃止となった後、別会社に吸収されて消滅した。」

野村証券も登場しています。

中国のウルトラソニック、経営トップが失踪 現預金も流出(ロイター)

「ウルトラソニックはこの8月には、買収資金としてノムラ・インターナショナル(香港)から6000万ドルの与信枠を獲得したと発表している。

ウルトラソニックによると、与信枠は買収合意の成立から3カ月以内に利用することが条件になっているという。これまでに実際に利用された与信の額は明らかになっていないが、関係筋は資金は既にないとしている。」
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