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IASB、金融危機への追加的対応策を公表 IASB announces next steps in response to credit crisis

IASB announces next steps in response to credit crisis

IASBは、金融危機に対応するための追加的対応策を2008年10月3日付で公表しました。金融安定化フォーラム(FSF)の勧告事項に対応するためのものです。米国会計基準との調整が主な内容となっています。

具体的には以下の事項に取り組むことを宣言しています。

1. Consistency of fair value measurement guidance between IFRSs and US GAAP IFRSと米国会計基準の間の時価測定に関する指針の首尾一貫性

米国SECとFASBが最近公表した指針は、SFAS157号の改訂ではなく活発でない市場における時価決定の明確化のための指針であり、IASBのスタッフがこれを検討した結果、IAS39号と整合していると判断したとしています。

2. Consideration of the possible impact of the US Emergency Economic Stabilization Act of 2008 and other similar programmes internationally on the valuation of assets and liabilities 米国の2008年緊急経済安定法およびその他の同様のプログラムの資産・負債評価に与える影響の検討

これらの法律・プログラムによる資産買い取りにおける金融資産・負債の評価に関連する問題の解決をFASBと共同して行う。

3. Immediate consideration of the ability to reclassify financial instruments 金融商品の保有区分変更に関する検討

米国会計基準では、まれな状況において、有価証券形態の金融商品の区分をトレーディング目的(時価評価)から満期保有目的(減損テスト付き償却原価法を適用)へ変更することや、有価証券形態でない貸出金の区分を売却目的(低価法適用)から投資目的(減損テスト付き償却原価法を適用)へ変更することを認めており、また、変更の際に乱用がないようにする規定がある。こうした保有区分変更に関してIFRSと米国基準で不整合がないか、また、差異があればその差異をなくすべきかを直ちに検討する。

4. Willingness to participate in any study on the impact of accounting in the credit crisis 金融危機が会計に与える影響の研究への積極的な参加

時価会計見直し論がいわれていますが、IASBのスタンスは、現行基準の枠内で解決するということなのでしょう。

当サイトの関連記事(SECの指針について)
http://ivory.ap.teacup.com/kaikeinews/2876.html

9月30日にSECが時価に関する指針を公表していますが、FASBもそれに整合する
FASB STAFF POSITION No. FAS 157-3
Title: Determining the Fair Value of a Financial Asset When the Market for That Asset Is Not Active
という指針を10月10日に確定させています。
http://www.fasb.org/pdf/fsp_fas157-3.pdf (PDFファイル)
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