厚生労働省が「厚生年金基金」制度を将来的に廃止する方針であるという記事。
「同制度では資金運用環境の悪化で厚生年金部分の給付に必要な資金を賄えない「代行割れ」基金が続出している。同省は財政難の基金を解散させて制度廃止に道筋をつけるため、不足分を厚生年金の資金で穴埋めする意向だ。」
「厚労省によると、代行割れの286基金は厚生年金を支給するための資金が計1兆1000億円不足している。」
「基金解散には厚生年金の不足分を全額国に返さねばならず、同省は返済額を軽減し、不足が生じる分は厚生年金の積立金で穴埋めする方向で検討している。」
公的年金は国の責任、企業年金部分は民間の責任ということで、はっきり分けるのはいいことだと思います。もともと制度に無理があったといえます。
しかし、負担を軽減するといっても、基金を解散するとなれば、損失が顕在化するでしょうから、関連する企業の業績には影響が出そうです。
厚生年金基金制度廃止へ 厚労省(産経)
「厚年基金は、公的年金である厚生年金の一部(代行部分)と、企業が独自に上乗せした年金をあわせて運用しているが、運用成績悪化で代行部分の積立金が不足する基金が続出。このため、厚年基金制度の廃止論が浮上していた。
基金を解散する際は、代行部分を国に返さなければならないが、会合では積立不足の基金が解散しやすくする方針も打ち出す。代行部分の返済を加盟する母体企業で連帯して負う仕組みも見直しを検討する。」
企業年金や国民年金基金の制度のあらまし(厚生労働省)
「厚生年金基金制度は、我が国の企業年金の中核をなす制度であり、国の老齢厚生年金の一部を国に代わって支給する(代行給付)とともに、企業の実情に応じて独自の上乗せ給付(プラスアルファ給付)を行うことにより、従業員により手厚い老後保障を行うことを目的として、昭和41年に発足しました。」
厚生年金基金の廃止方針決定 厚労省「10年後を目安」(朝日)
厚生労働省の特別対策本部というところで、廃止の方針を決めたそうです。
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