東証1部上場の自動車部品メーカー、フタバ産業の過年度決算の利益訂正額が従来見込みを大幅に超え、減額幅が500億―1000億円規模に膨らむ見通しだという記事。
過年度決算訂正概要、第2 四半期累計期間業績予想の修正ならびに第2 四半期決算発表延期に関するお知らせ(PDFファイル)
会社のプレスリリースによれば、新たな訂正要因は、固定資産絡みの処理です。
(1) 据付調整費に関する費用計上
自社製造した設備や金型の取得原価に試運転にかかわる費用を上乗せしていたものです。
「今回の見直しにより、会計監査人からは、当社の従来の設備原価への組込み方法では、費用の把握が総体的で、個別の設備ごとの費用実績の把握が不十分であるとして、固定資産として10年償却するのではなく期間費用として会計処理すべきとの指導を受けました。」
(据え付け費用や稼働までの試運転費用を取得原価に含めるのが間違っているとは思いませんが、その範囲が甘かったのでしょう。)
(2) 溶接機仕掛品在庫の原価処理
実地棚卸の結果、外販溶接機仕掛品在庫に売上原価をすべきものが計上されていたことが判明
(3) 試験研究費への振替
試験研究費に振替を予定していた事案が建設仮勘定に残っていた。
(4)有形固定資産の減損処理
(5) 税効果会計の見直し
過年度決算訂正による繰延税金資産計上の取消し
純利益への影響額として、訂正金額合計1,148 億円を見込んでいます。
訂正期間は2005年3月期から当期の第1四半期までです。
過年度決算訂正の可能性に関するお知らせ(10月15日)(PDFファイル)
10月の段階では、「仕掛品及び建設仮勘定において振替処理の遅れ・漏れが発生」といっていました。
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